歯科で歯石を取ると歯が欠けたような違和感!それってなぜ?

お口のトラブル 2019.07.04

ある日、普段通り歯磨きをして、うがいをしたら「あれ?石のようなものが落ちている…」「出血がある」そして歯が欠けたような違和感。

それは歯石が欠けてしまった事による違和感かもしれません。

今回は歯石に対する疑問やセルフケアについてお伝えしていきます。

そもそも歯石って何?歯石と歯垢の違いとは

歯医者さんに行くと必ず勧められる「歯石除去」。

歯石除去を行い、舌で歯の裏を触ってみると段差ができたような、欠けた違和感。

決して気持ちの良いものではありませんよね。

そもそも歯石と聞いて、何のことだかおわかりになりますか?

歯医者さんでよく聞くことがあるであろう「歯石」と「歯垢」の違い。

「これってどう違うの?」こう感じられる方も多いでしょう。

ズバリ、簡単に申しますと、「歯石」は石のように硬い汚れで歯ブラシなどセルフケア(自分自身でやる自宅ケア)では除去できないもの。

「歯垢」は柔らかい歯の汚れで、セルフケアで除去できるもの、と区別できます。

では、もう少し深くお伝えしていきますね。

鏡で見ると気がつくかもしれませんが、歯と歯の隙間に白い塊はありませんか。

爪楊枝などでその白いカスのようなものを引っ掻いてみると、取れることがあります。

この白い塊が「歯垢」です。

歯垢は身体の垢などとは少し違って、細菌の塊です。

この歯垢がいわゆる歯周病(歯槽膿漏)の原因と言われています。

1mgの歯垢の中には、およそ数億個の細菌が住み着いています。

また、唾液の成分から透明なペクリルという膜を形成して歯の表面を覆うのですが、このペリクルにさらに細菌が吸着し、どんどん増殖します。

そして悪循環を経て、歯垢が形成されるというわけです。

黒色の歯石が欠けた!黒色の歯石は要注意

次に歯石についてお話ししていきます。

歯石とは、先ほどお話しした歯垢が、時間の経過とともに石のように固まってしまったものです。

歯石は粗造(顕微鏡レベルでかなりザラザラしている)ですので、さらにここに歯垢が吸着しやすくなり、悪循環になるというわけです。

ちなみに、歯石には白い歯石と黒い歯石があります。

このどちらかの歯石が欠けた経験のある方も多いのではないでしょうか。

それで歯医者さんで歯石除去を行って、術後に違和感を感じる方もいらっしゃるでしょう。

なぜ歯石が黒くなるのでしょうか?

これは血液の赤血球の成分が歯石と結合して、時間の経過とともに黒くなります。

つまり出血しやすい人=歯石が黒くなりやすいというわけです。

健康な歯茎からは出血しません。

炎症があるから出血をします。

そのため、黒い歯石があるということ歯周病である疑いが強いです。

どうして歯石は石のような固さになるの?歯が欠けたような違和感の原因とは

そもそもどうして、歯石は硬くなるのでしょう?

「歯垢みたいに柔らかいままだと歯ブラシで取れるから、歯石みたいに取ったら欠けたような違和感もなく楽なのに…」と思われる方もいらっしゃるでしょう。

ここではその疑問についてお答えしていきます。

歯石が固まってしまう原因として、唾液の成分であるリン酸カルシウムという成分があります。

このリン酸カルシウムは、歯を石灰化(歯を硬く強くしてくれること)するので、決して悪いだけではなく、いい役目も果たしてくれます。

例えば食事後に、口腔内のphが下がり、歯が脆くなりやすくなります。

これを唾液の成分・リン酸カルシウムが守ってくれて歯を石灰化するので、天然の虫歯予防となるわけです。

しかし、この唾液成分が柔らかい歯垢も硬くしてしまい歯石となるのです。

歯が欠けたような違和感を取るために、歯医者でどんなクリーニングをするの?

歯石は石のような硬さになり、歯ブラシなどセルフケアでは取れないということがわかって頂けたことでしょう。

自宅で歯石が欠けて違和感を感じ、そこではじめて歯医者さんに受診される方もおられますよね。

歯医者さんではどんなプロフェッショナルケアを受けられるのでしょう?

まず、歯医者さんでは歯石除去に入る前に、そもそも歯周病であるかどうかの検査から始まります。

専門的にいうと「歯周ポケットの測定」をします。

受けたことがある方もいるかもしれませんが、歯茎にチクチクと細い針のようなものがささるような違和感がある、あの検査です。

そして歯周病や歯肉炎と診断されると、その病的因子を取り除くために歯石除去(スケーリング)を行います。

歯石除去の専用機械には、手で取るタイプと、超音波で取るタイプがあります。

超音波の機械は、知覚過敏のある方にはしみやすかったりしますので、ご自身の歯の状態を事前に歯科衛生士などにお伝えされるとよいでしょう。

そしてPMTCと呼ばれる機械的清掃を行い、歯石除去をした後は歯が欠けたような違和感を感じるので、それがないよう機械のブラシを用いてツルツルとした光沢を出せるよう仕上げていきます。

歯石除去はどの位の間隔でいけばいい?

歯医者さんではどのようなプロフェッショナルケアが受けられるか、お伝えしました。

歯石が溜まって、歯が欠けたような違和感が再発しないために歯石除去はどの位の間隔で行けばいいのかお話していきます。

これは、正直、その方の歯周病のレベル(軽度なのか、重度なのか)によって違ってきます。

歯周病の因子がほぼない比較的健康な歯茎の方ですと、半年後位にメンテナンス(定期検診)して頂ければ充分ですし、重度の歯周病だと1ヶ月間隔でメンテナンスしてください、と伝えられることもあります。

平均すると3~4ヶ月のメンテナンス期間を設定している歯科医院が多いです。

これも一度、ご自身の歯茎の状態を歯医者さんで検査されてみて、歯科衛生士などとご相談されることをお勧めします。

また違和感を感じないために!いまできるセルフケア

歯医者さんに定期的にメンテナンスを受けなければいけない理由はわかったとはいえ、お仕事や育児などに日々追われ、なかなか歯に違和感を感じつつ受診ができない方もいらっしゃるでしょう。

それにセルフケアが徹底しているほど、結果として歯医者さんにお世話になることも少なく済み、医療費の節約にもなります。

では歯石をためないために、歯が欠けた違和感をもう感じたくない人のために、自宅でできるセルフケアについてお話ししていきます。

まず、歯の磨き方についてです。

歯と歯茎の境目に歯ブラシを斜め45度にあてがいます。

歯だけではなく必ず歯茎も磨くようにするのが歯周病予防のコツです。

そして歯に微振動を当てるよう、できる限り細かく磨いていきます。

これが歯周ポケット(歯周病の原因となる細菌のすみか)に届く歯磨きです。

そして、必ずやって頂きたいがデンタルフロス!

日本にはフロス習慣は根付いていないですが、保険診療が行われていない海外では予防がとても大事にされていて、歯ブラシの後のフロスは当たり前に行われています。

「なぜフロスが大事なの?」といいますと、フロスが通る所の歯茎は非角化歯肉と呼ばれ、要するに柔らかく繊細な歯茎をしており、非常に炎症が起こりやすいのです。

歯ブラシが当たる範囲の歯茎は角化歯肉といって比較的硬いのでまだ丈夫であるといえます。

そのため、この繊細な柔らかい歯茎には歯周病のリスクがより高いので、デンタルフロスのケアが必要になってきます。

歯に違和感を感じたら、まずは歯医者さんに受診を!歯周病にならないためにできること

今回は歯石と歯垢の違いや、なぜ歯石は硬くなってしまうのか、に対する疑問について掘り下げていきました。

何も違和感がなくても歯医者さんに定期検診にいくことの大切さもおわかり頂けたら幸いです。

今回お伝えした、セルフケアやプロフェッショナルケアも、歯医者さんで患者さんとの問診のなかで一人ひとりに合ったオーダーメイドのクリーニングをしてくれますので、気軽にメンテナンスに行ってみてはどうでしょうか。

コンプレックスなく明るい未来を。株式会社ソーシャルテック

RANKING

人気記事