歯磨き中、口内の歯石が取れた!後で勝手に歯が抜ける?

お口のトラブル 2019.05.12

ある日勝手に根元から取れた歯。

本人は突然の事で驚きますが、歯石が付いたり必ず口腔内からは警告を出していますので、本人が警告を見落とすか無視した結果になります。

歯肉炎といわれる初期に、歯のブラッシング時、硬いものをかじる等の時に出血する症状がみられた筈です。

この初期段階では痛みも出ないので、気にしない方も多くいらっしゃいます。

歯周病で歯が勝手に抜け落ちるまで症状が悪化すると、どんな症状が出るのかまた、歯周病を予防する方法をご紹介していきます。

子供が勝手に摂る過剰な糖分で歯石がたまる

歯周病の前段にあたる歯肉炎は、歯のつけ根の表面に歯垢がたまり、歯の周囲や歯と歯の間の歯肉が炎症を起こすことです。

それは、歯垢が溜まる事で酸素が遮断され、酸素により抑えられていた細菌が増殖、身体の抵抗力により炎症を起こすからです。

炎症により広がった歯肉溝で歯垢が歯石になり、その歯石にまた歯垢が溜まり、炎症を起こすという悪循環になります。

そして、歯肉溝に深いポケットを作り「歯根膜」という歯根と歯槽骨の間の膜(歯の靭帯)まで破壊、歯槽膿漏になり歯の根元まで丸ごと取れたという事が起きるのです。

最近、お子さんが勝手に砂糖を含む飲料水、お菓子、歯垢のつき易い柔らかい食べ物ばかりを食べ過ぎて歯周病にかかる事例が多くなっています。

また、ニコチンにより歯茎の血流が悪くなり細菌に対する抵抗力が弱くなる喫煙を控える等、悪い生活習慣を改善する必要があります。

生活習慣を改善し、歯石の取れた綺麗な歯、歯茎になるようにブラッシングと生活習慣の見直しをしましょう。

ノンストレスな生活を送って歯周病予防

歯周病の原因は歯垢、歯石の影響で歯肉炎になりますが、ストレス、疲労が原因で歯肉炎を発症、症状悪化に伴い歯周病へ症状が進むこともあります。

ストレス、疲労により体力低下を招くと自律神経のバランスが崩れ、免疫力の低下により、歯茎の歯周病菌が増殖し歯肉炎を発症します。

このようにストレス、疲労を感じた時に歯の痛み、歯茎の腫れ、出血する等、経験がある方もいらっしゃることでしょう。

この時点の症状は歯肉炎ですが、歯肉炎の治療を放置していると勝手に症状は進み歯周病になりますので、適切なケアが必要です。

以前、ストレス、疲労が原因の歯肉炎は中高年に多くみられた症状でした。

ところが、現代のストレス社会は若年層にも影響を与え、小中高生にも歯肉炎の症状がみられるようになりました。

歯肉炎がきっかけになり歯周病へ進むと歯茎から出血、膿、強烈な口臭等の症状が出るようになります。

予防には毎日のブラッシング、そして快適な睡眠を取り疲労感、ストレスの取れた健康な身体を保つ事が大切です。

歯垢が溜まり勝手に出来た歯石は歯周病・口臭の原因に

歯石がたまることで歯周病を発症しますが、歯茎の腫れから口臭がひどくなり他人への影響、及び社会生活への影響も図りしれません。

この口臭の原因は「歯周病菌」が原因で、歯周病にかかっている人の口腔内にいて独特の悪臭を発します。

歯周病菌は空気を苦手とする「嫌気性菌」といわれ、歯周ポケットの中に潜んでいます。

そして、歯石により空気に触れなくなり抑制が取れた歯周病菌が、歯周ポケットの中で増殖し、口臭の悪臭の原因になる「ガス」を勝手に作り放出します。

このガスは「揮発性硫黄化合物(CSV)」といい、種類の違う揮発性硫黄化合物が混ざり合い独特の口臭(悪臭)になります。

この揮発性硫黄化合物には下記の3種類あります。

1.腐ったタマネギのようなにおい「メチルメルカプタン」

2.卵が腐ったようなにおい「硫化水素」

3.生ゴミのようなにおい「ジメルサルファイド」

これら3種類の揮発性硫黄化合物が混ざり合う事により、歯周病独特の口臭(悪臭)に変化します。

取れた歯石で支えていた!歯石除去後、勝手に歯がぐらぐら

歯科医院で歯石除去をしたら勝手に歯がグラグラしてしまった。

これは歯石除去が原因でグラついたわけではなく、結果的に根元から歯が抜ける位、歯周病の症状が進んでいたためです。

重度な歯周病で既に歯槽骨まで溶けており、歯石により歯が支えられていたという事です。

歯石除去でグラグラした歯も固定して治療できれば、健康な口腔環境に戻すことが出来ます。

また、歯石が取れた後、歯の根元に冷たい水がしみる事があります。

歯の表面のエナメル質と歯の根元、象牙質の部分両方に渡って付着した歯石を除去すると、保護していた歯石が除去され、象牙質が露出して一時的にしみるのです。

歯がしみると不快感がありますが、歯石除去後に歯茎が健康な状態に戻るメリットは大きく、まず歯石により炎症を起こしていた歯茎が正常になります。

歯茎の炎症が治まり、ブラッシング等で歯茎から出血していた症状も緩和し、口臭の原因になっていた揮発性硫黄化合物の発生が抑制され、歯周病独特の口臭も減少します。

歯石が取れた綺麗な口腔で、高齢化社会を豊かに過ごす

「年齢を重ねたら歯も歳をとるから歯が抜けてもしょうがないよね」

高齢の方から、歯が老化現象で抜けると勝手に判断し、こんな諦めの言葉を聞いたことがあります。

そんなことはなく、加齢によって歯が抜けるという事はありません。

ただ、若い時より唾液の分泌量が減少するので、口中の浄化能力が低下、虫歯、歯周病にかかるリスクが高まります。

そして、歯は勝手に再生しませんから、歯のケアを怠ると取り返しがつかない事になります。

歯を失って、若い時からしっかり手入れしておけば良かったのに、なんて事のないようにしたいですね。

いつも歯石が取れた綺麗な口腔環境であれば、歯周病にもならず高齢になっても歯を残すことが出来ます。

やはり、自分の歯で物が食べられるという事は、入れ歯とは違い食べ物のおいしさも格別です。

食は健康の源といわれ、高齢でも歯が20本残っているとバランスの取れた食事が摂れ、寝たきりとは無縁の健康体になります。

歯石が取れた綺麗な歯、歯石をつくらせない予防法

忙しい中時間を作り、歯科クリニックで歯石の取れた綺麗な歯、歯茎になっても、何故かすぐに歯石が出来てしまう事があります。

少しでも歯石が付く時間を遅らせたいですが、歯垢を除去せずそのままにしておくと、24時間で歯石の形成が始まります。

そのため毎日、歯垢が残らないよう歯磨きをしなければなりません。

しかし一旦歯垢を取り除いても、12時間以内に勝手に再形成されてしまいますので、最低でも1日2回の歯磨きは必要です。

そして歯ブラシだけではなく1日1回歯間ブラシ、フロスで口腔ケアを行い、歯間に残る歯垢もしっかり除去しましょう。

特に歯石が形成され易い場所は、舌下線という唾液の出口がある下の前歯の裏、また磨きづらい上の奥歯の外側になりますので丁寧に磨いてください。

歯石が一旦出来てしまうと、日々の歯ブラシによる歯磨きでは取れません。

最近、セルフケアとして歯石除去用のスケーラーも販売されていますが、自分で歯石を取ろうとすると歯、歯茎を傷める恐れがあります。

歯石が出来てしまったら、迷わず歯科クリニックで専門治療を受けるようにしてください。

毎日のブラッシング、歯垢を残さず歯周病の予防

「歯周病」はほんの少しの手間を惜しむ事により簡単に発症します。

歯垢が引き金になり歯石から歯肉炎、歯周病(歯槽膿漏)と症状が進むと、歯が根元から抜けてしまいます。

歯周病予防には日々の歯磨きと、適切なブラッシングで歯垢を除去する事になりますが、歯石に関しては定期的な歯科クリニックでの診療も必要です。

歳を重ねても自分の歯で美味しい食事が楽しめるよう、口腔ケアに努めましょう。

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