歯茎がぷっくり…でも「痛くないから大丈夫」はとても危険!

お口のトラブル 2019.01.04

歯茎がぷっくりと腫れている症状になったことはありませんか?

腫れていて痛みがあればすぐに歯医者に行こうと考えますが、腫れていても痛くないのであればそのままにしてしまいがちですよね。

しかし、痛みがないからと言って放置しておくのはとても危険です。

歯茎が腫れてしまうのはなぜなのか、その考えられる原因と対処法を確認していきましょう。

痛くないけど歯茎がぷっくり①歯周病

歯茎がぷっくり腫れているのに痛くないとき、一番に考えられるのは「歯周病」です。

歯周病は歯茎が腫れていても、なかなか痛みが出ません。

歯茎が赤く腫れていて、歯磨きの時に出血するのは、歯周病の初期段階の歯肉炎の状態です。

歯肉炎がさらに進行すると歯周炎となります。

歯と歯茎の隙間が深くなって歯周ポケットを形成し、細菌などが歯を支えている歯槽骨が破壊されて、歯もぐらぐらするようになってきて、最終的には歯を失ってしまう危険性があります。

歯周病の初期段階である歯肉炎の段階でしっかりとケアすることができれば腫れなどの症状も収まっていくのですが、初期の段階では痛みはほとんどありません。

そのため、痛くないまま本人が放置してしまい、気づかずにどんどん症状が進行し、悪化してしまうのです。

抜歯するしかないほど進行してしまった重度の歯周病疾患でもほとんど痛みがないといわれているので、逆に怖いですよね。

歯茎が腫れているという初期の段階で、しっかりとケアに取りかかることが重要となってきます。

痛くないけど歯茎がぷっくり②歯根嚢胞(しこんのうほう)

「歯根嚢胞(しこんのうほう)」は、歯の根に膿が溜まって顎骨内で袋状になっているものです。

膿が溜まることで歯茎がぷっくりと白く膨らんで、そこから膿が出ることもあります。

膿が溜まっているために歯が浮く感じがするようですが、痛くないまま時間が経つこともあるといわれています。

一方で、急性の症状では耐え難い痛みを感じる人もいるようです。

歯根嚢胞の原因は、虫歯の進行を放置してなるものと、歯根の治療の際に細菌が入ってしまったためにおこるものとがあります。

何年も前に神経を抜いて治療した部分が原因でなることも多く、「まさか治療済みの部分が痛むとは」と思われる方も多いようです。

歯根嚢胞をそのまま放置してしまうと、細菌が顎の骨まで広がってしまい、外科手術が必要となってしまうこともあるようです。

「治療したからもう大丈夫」なのではなく、やはり定期的に検診を受けることと、異変を感じた際にはすぐに見てもらうことが重要です。

痛くないけど歯茎がぷっくり③エプーリス

「エプーリス」とは、歯肉腫とも呼ばれる歯肉にできる良性の腫瘤性病変です。

原因は様々ありますが、歯科治療で使用した詰め物や被せ物からの慢性的な刺激や、ホルモンの影響などで歯茎が反応し、歯肉がぷっくりともり上がったものと考えられています。

男性よりも女性に多く見られる疾患で、妊娠に関連してエプーリスができることもあるようです。

エプーリスは切除が基本的な治療となっています。

ただ、妊娠性のエプーリスでは出産によって自然に消失していくようですし、先天性のエプーリスの場合も徐々に小さくなって治癒していくことが期待できます。

痛くないけれども、こぶのような突起物が大きくなると異物感を感じるようです。

突起物がだんだん大きくなる場合には「癌じゃないのか」と不安に思う方もいるようですが、エプーリスは歯茎の腫瘍ではありません。

しかし、症状を見ただけで素人が判断するのは非常に危険ですので、きちんとした診断を得るために病理検査を行う場合もあります。

適切な診断・治療が必要となりますので、早めに専門医に診てもらいましょう。

痛くないけど歯茎がぷっくり④歯肉癌

歯肉癌は口腔内にできる癌で、初期だと痛みがないといいます。

ぷっくりと腫れて症状は口内炎に似ているのですが、1週間も2週間も治らない場合には一度歯科医に診察してもらいましょう。

また、初期には歯茎が腫れたりするなど、歯周病などの歯茎の炎症と同じような症状がでるためになかなか判断しずらいケースもあるようです。

ですので、最終的には組織を採取して検査することが必要となります。

歯周病と歯肉癌を併発している場合もありますので、歯茎の炎症に対する治療を行っても一向に良くならず、どんどん悪化してしまう場合には、口腔外科などで調べてもらうほうがよいでしょう。

歯周病も歯肉癌も、どちらも痛くないまま進行してしまうので、早めの治療開始が重要です。

歯肉癌の原因として、被せ物の刺激や、口内の不衛生、過度の喫煙・飲酒などが考えられ、40・50代の男性がかかりやすい病気ともいわれています。

タバコやお酒などを控えるなど生活習慣を見直していくことは、歯肉癌のリスクだけでなく歯周病や全身の健康そのものに直結します。

口内の健康、そして自分自身の健康を守っていくためにも、生活を整えることを気を付けていきたいですね。

歯茎が腫れた時には痛くない場合もすぐに歯科医へ!

歯茎がぷっくりと腫れてしまう原因にはいくつか考えられることを確認してきました。

たとえ痛くない場合も、症状が進行していっていることが考えられます。

ですので、できるだけ早く歯科医にかかり、腫れの原因を突き止めて治療を開始するのが一番です。

痛みがないから、また、少し様子を見ておさまったからといって、腫れをそのまま放置してしまうのも危険です。

「大したことない」と自分で判断するのではなく、しっかりと専門医に診てもらいましょう。

適切な治療をしなければ、最悪歯が抜け落ちてしまうかもしれません。

また、進行してしまった状況だと、治療段階で抜歯しなければならないといった状況も出てきます。

なるべく早い段階で専門的な治療を開始することで、治療期間が短く、比較的治療費も抑えられ、自分の歯を残していくことができるようになるのです。

自分の歯を守るためにも、歯茎が出したサインを見逃すことなく、早急に治療に取りかかりましょう。

痛くない場合も、定期的に歯科医でメンテナンス!

「毎日歯磨きしているから大丈夫」「なんか違和感あったけど、痛くないから大丈夫」と、そのまま放置してしまうのが一番危険です。

歯茎にあらわれた小さなサインを見逃さないでください。

たとえぷっくりとして痛みがなくとも、甘く見ずに歯科医に行きましょう。

毎日の歯磨きだけでは、虫歯や歯周病を防ぐことはできません。

違和感がすぐに引いて様子をみている間に、症状が進行しているかもしれません。

自己流のケアを熱心にしていても、逆に歯や歯茎を傷つけてしまう場合もあります。

自分自身の歯の形状や口内の状態などをプロにしっかりと診てもらうことで、適切な日々のケアも提案してもらえるでしょう。

日本人は痛みがなければ歯科医に行かない、という人が多いようです。

しかし、世界では検診を中心に、歯が痛くなくともメンテナンスのために歯科医に行くのです。

メンテナンスをしっかりと行ってきた歯は、高齢になっても自分の歯で食事を楽しみ、おしゃべりを楽しみ、笑顔いることができます。

健康的な毎日を過ごしていくためにも、歯科医での定期的なメンテナンスの習慣をつけていきましょう。

痛くなくても要注意!歯茎の異変はすぐに歯科医へ!

歯茎が腫れてしまうのには、いくつかの原因が考えられます。

痛みがないのであればそのまま放置しがちですが、腫れは歯茎からの立派なサインです。

何かしらの原因がそこにあると考え、しっかりと歯科医に様子を見てもらい、改善に努めていきましょう。

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