開咬とは?子供のおしゃぶりとの関係性と開咬のトレーニング
お口のトラブル 2018.12.05子供の歯並びはよく噛み顎をトレーニングすることが大切!
最初に、子供の歯並びは何歳くらいに決まるのかお話しします。
人によって違いはあるものの、大体、永久歯に生え変わる6歳から8歳くらいとされています。
しかし、永久歯が生えてきても、永久歯同士の間が空き過ぎていて不安を抱く人もいるかもしれません。
実は、生えかけの永久歯同士の大きな隙間は、実は理想的な状態ともいわれています。
その理由は、永久歯は乳歯よりも大きいので、生えてくるのに十分なスペースを必要としているからです。
また、歯の成長と共に顎の成長を促すことも大切です。
顎は成長が不十分であると、永久歯が生える際に、狭いところに無理矢理押し込められることになり、歯並びを悪くしてしまうと考えられています。
普段から、食べ物をよく噛んで顎のトレーニングをし、顎の骨や筋肉を大きく成長させ、永久歯が生えてくるのに十分なスペースを作ってあげるようにすることが大切といえます。
しかし、開咬などのいくつかの原因がきっかけとなり、「よくない歯並び」にしてしまうことがあります。
次項からは、開咬についてお伝えしていきます。
開咬ってどんな状態?
子供の歯並びについてはわかりましたが、歯並びのトラブルにもなるとされている開咬とは、一体どういった状態のことなのでしょうか。
開咬は「オープンバイト」とも呼ばれ、不正咬合の一種とされており、大きく2種類にわけられます。
1つは、前歯部開咬(ぜんしぶかいこう)といい、上と下の前歯が前の方に開くように飛び出てしまっているのが特徴です。
また、正面から見ると前歯全体が綺麗に噛み合っておらず、上下の前歯に大きな隙間が空いてしまっているような形が特徴です。
前歯部開咬の状態がひどい場合、上下の前歯の隙間から舌が見えたり、小さな食べ物なら上下の前歯の隙間から入れることができてしまう程の状態になってしまうこともあります。
もう1つは、臼歯部開咬(きゅうしぶかいこう)というもので、前歯部開咬とは反対に、前歯を嚙み合わせた時に、奥歯の方に間があいてしまって嚙み合わせることができない状態です。
比較的開咬で多く見られるのは、前歯部開咬だといわれています。
ここからは、開咬になってしまう原因や、舌のトレーニングなどもお伝えしていきます。
開咬になってしまういくつかの理由
どうして開咬になってしまうのでしょうか?
開咬の原因として第一に挙げられるのが、舌の癖とされています。
舌の位置が正しくないと、舌が前歯を常に押すように圧力をかけている状態になり、その力の影響で歯が空いてしまうとされています。
普段から、舌先がずっと上下の前歯の裏側に強く当たっているのであれば、注意が必要です。
他にも口回りの癖や習慣なども、開咬になってしまう原因として挙げられます。
また、普段から唇を舐める癖があったり、唇を噛む癖があると開咬になってしまうことがあります。
本当にわずかなことですが、こういった些細なことでも歯並びに大きな影響を与えてしまう原因になり得るのです。
他にも、口呼吸や頬杖なども、開咬になってしまう原因として考えられています。
次項では、舌の癖を治すトレーニングの一部をご紹介します。
方法は簡単なので、「子供が開咬・開咬気味で気になる」という人は、是非取り入れてみてください。
舌癖を正して子供の開咬を防ごう!トレーニング方法とは
前項で、開咬になってしまう1つの原因として舌の癖を挙げました。
歯並びを治す手段として歯科矯正も挙げられますが、それ以外にも口の周りの筋肉の使い方や、舌の動きを正しく変えて習慣化していると、開咬がある程度改善され、歯並びがよくなるケースもあるといわれています。
通常、口の中がリラックスしていると、舌は上顎のスポット(窪んだところ)についていて、唇は軽く閉じている状態です。
その状態で、正しい嚥下(えんか)という飲み込む動作をできるようにするというものです。
トレーニングの方法はたくさんあるので、その一部をご紹介していきます。
【スポットポジション】
普段、口の中の力が入っていない時に上顎に舌の先端付近が触れて、窪んでいる場所を「スポット」と呼びます。
スポットのポジションの位置を覚えるために、このトレーニングを行います。
1、アイスの棒のような木製のスティックでスポットを触り、5秒数えます。
2、その後舌先をスポットにつけ、5秒数えます。
この時に舌の先を丸めずにとがらせるように力を入れ、舌の両脇を締めるようにして行いましょう。
これ以外にも、「舌の筋肉機能療法」「MTF」などを検索すると、トレーニングがいくつか出てきますので気になる人は調べてみてください。
舌の癖についてお話ししてきましたが、舌の癖以外にも子供の時の「おしゃぶり」「指しゃぶり」もまた開咬の原因として考えられます。
次項では、おしゃぶりをすることについてお伝えしていきます。
おしゃぶりが開咬の原因に?!
子供がおしゃぶりを使ったり、指しゃぶりをすることで歯並びにどんな影響があるのでしょうか。
おしゃぶりをするメリットは、鼻呼吸になることで「アレルギーなどになりにくい」とされていたり、口回りの筋肉を使うため「顔が引き締まる」といわれているところです。
また、子供におしゃぶりを使う理由はいくつかあります。
・ぐずらない
・泣き止むのが早い
・すぐ寝てくれる
これらの理由から、簡単に子供をあやすことができるグッズとして取り入れている方もいるでしょう。
一方、おしゃぶりをするデメリットとしては、「開咬になってしまう」「出っ歯になる」などの意見が挙げられています。
また、子供の「おしゃべり」をすることの妨げにもなるとされています。
しかし、一概に「おしゃぶりをすることはよくない」というわけではなく、おしゃぶりをしている期間が重要だと考えられています。
乳歯が生えてくる時期から段々とやめさせるようにし、長くても2歳半くらいまでには卒業するのが好ましいとされています。
しかし、「すぐにやめて」といってもなかなか難しいこともあるでしょう。
そこで毎日のトレーニングで、おしゃぶりをすることを卒業できるようにしてみませんか。
子供のおしゃぶりをやめさせるトレーニング
おしゃぶりや指しゃぶりをしていたから、必ずし開咬になり、歯並びが悪くなる、というわけではありません。
しかし、少しでも「子供の歯並びに影響する可能性がある要素を取り除きたい」と考えている人のために、おしゃぶりと指しゃぶりの両方やめられるよう、それぞれのトレーニングをお伝えしていきます。
●おしゃぶりを使用している場合
・他のおもちゃ、もしくはタオルなどを使って気を引く
おもちゃやタオルをおしゃぶりの代わりにしていたとしても、おしゃぶり程ずっとは口にいれておくようなことはないといわれています。
代わりのもので気を引くのもよい方法といえるでしょう。
・おしゃぶりを隠す
1歳くらいになれば、おしゃぶりの置いてある場所を覚える子供もいます。
もしも欲しがるようなしぐさを見せても、「どこにあるんだろうね?」と知らん顔することも大切です。
●指しゃぶりをしている場合
・指に子供の好きなキャラクターの絆創膏を貼ってあげる
子供に好きなキャラクターの絆創膏を自分で選んでもらい、指に貼ってあげることで、指しゃぶりをしなくなるケースもあります。
・手を繋いであげる
子供によっては不安を感じると、指しゃぶりをしてしまうことがあるといわれています。
寝る前などに指しゃぶりをしているようであれば、寝かしつけの際に手を握ってあげましょう。
歯並びは私生活にも影響する
今回は、歯並びにも関係する開咬の原因とそのトレーニング方法などをお伝えしてきました。
歯並びがよくないと、食べ物を噛む時や、お話をする時も影響が出てしまうこともあります。
舌の癖を改善するだけでも、ある程度開咬は改善されることもあるので、トレーニングを取り入れてみてはいかがでしょうか。