奥歯の歯茎がめくれてるのはお口のトラブルのお知らせかも!
お口のトラブル 2018.11.06歯茎がめくれてすぐ治っても安心できない?
奥歯を含め、歯茎がめくれてしまうと、痛みを伴ったり食事をしにくかったりなど、生活に支障が出やすいものです。
硬いものを食べたり歯を磨く際に生じる「鈍い痛み」に耐えている人も少なくないでしょう。
しかし、症状によっては、痛みが数日間で引いてくものもあるので、「治った」と思われがちです。
「症状が引いたから」と、何もせずに歯茎の不調を放っておくと、やがて歯根(歯の根の部分)が見えてしまったり、最後は歯が抜けてなくなってしまう可能性も十分にあり得るのです。
そうならないためにも、歯茎が腫れたりめくれたりなどした際は、それに対する対策などが必要になってきます。
まず、最初に考えられる理由は、歯肉炎によるもの、それから歯周病によるものが挙げられます。
次項からは、それらについて細かくご説明していきます。
奥歯の歯茎がめくれる?!原因その① 歯肉炎の可能性
最初に歯肉炎について考えてみましょう。
歯肉炎は、名前の通り歯肉に炎症を起こしている状態のことをいいます。
歯肉炎になると、歯磨きの際に出血したり、歯茎の色が赤い色を暗くしたような色に変色する症状が生じるとされています。
奥歯の側面など歯ブラシが届きにくい所は、歯垢を除去しにくい傾向にあり、きちんと磨いたつもりでも磨き残しが多くなりがちな部分といえます。
この歯垢が歯や歯と歯茎の間に付着したまま時間が経過すると、虫歯や歯肉炎など口の中に影響が出始めます。
また、歯肉炎になると場合によっては、歯茎がめくれることもあります。
歯垢は歯磨きで除去できますが、きちんと歯垢を取り除けていなければ歯肉炎のリスクだけでなく、唾液に含まれるミネラルと合わさることで歯石に変わってしまうことすらあり得るのです。
しかも、歯石には歯垢が付きやすく、更なる悪循環を生んでしまう可能性もあります。
奥歯の歯茎がめくれる?!原因その② 歯周病の可能性
次は、歯周病についてです。
歯周病は、歯肉炎の後の段階のことをいいます。
歯肉炎を放っておくと歯周病になり、炎症が歯茎だけではとどまらず、歯茎がめくれたり、悪化すれば歯を支える骨も溶かされてしまうという恐ろしい症状です。
更に、そのまま放置しておけば、奥歯はもちろん、前歯など全ての歯が抜けてなくなってしまう重症な状態になってしまう可能性も少なくなく、早急に処置する必要があります。
最終的には、歯だけにとどまらず、体にその細菌が巡って他の病を招く恐れもあります。
歯を失ってしまう主な原因として虫歯が挙げられますが、それと同じくらいの人が、歯周病の悪化によって歯を失っていると言われています。
歯茎の病気のサインは、虫歯に比べて意外と見逃されやすいものであるため、日頃から「歯茎からの出血がないか」など、注意することが大切です。
次項では、歯周病と歯肉炎の予防の方法をお伝えします。
歯肉炎と歯周病の予防方法
これまで、歯肉炎や歯周病についてお伝えしてきました。
ここからは、歯周病や歯肉炎によって歯茎がめくれるなどの症状にならないための予防方法などをお伝えしていきます。
・歯磨きを丁寧におこなう
歯肉炎の初期段階であれば、丁寧なブラッシングで歯垢を除去でき、改善が期待できます。
歯磨きの際は、歯と歯茎の間の歯周ポケットの中の歯垢も掃除するように磨きます。
・マウスウォッシュやデンタルフロスを使用する
薬用のマウスウォッシュは殺菌効果の高いものもあり、そういったものを使うと、歯磨きで届きにくい部分の細菌にも効果が期待できます。
また、併せてデンタルフロスを使って歯間を掃除すると、より完璧な歯磨きにできることでしょう。
他にも、親知らずなど磨きにくい奥歯などには、ワンタフトブラシもお勧めです。
・歯医者で適切なケアをおこなってもらう
歯垢が固まって歯石になってしまうと、自分では除去が難しくなりますので歯医者でクリーニングをしてもらうことをお勧めします。
また、初期の虫歯や、その他の口の中のトラブルに早めに対応ができるので、定期的にクリーニングにいくのもよいでしょう。
それでは、正しい歯磨きの基本もお伝えします。
【持ち方】
歯ブラシを持つ際は、ペンを握るように持ちましょう。
余計な力が入りにくく、細かい動きをコントロールしやすい持ち方といえます。
【順番】
磨く順番を決めておくことも大切です。
その理由は、磨く順番を決めておくことで、磨き残しのないように1本ずつ丁寧に磨くためです。
あちこちバラバラに磨くのは避け、一筆書きの要領でおこなうと、磨き残しも抑えられます。
【歯ブラシの当て方】
歯と歯茎の間に歯ブラシの毛先を入れるように当てます。
角度は45度程度がよく、小刻みに左右に動かします。
当てた場所で20回~30回程度左右に動かし、徐々に場所をずらしていきます。
また、犬歯(糸切り歯)は、形がカーブをしているので、歯ブラシをタテにしておこなうとよく磨けます。
前歯の裏側も歯ブラシをタテに当て、1本ずつ掻き出すように磨きましょう。
これらのことを意識しながら歯磨きをおこなうとよいでしょう。
親知らずが生えてきて奥歯やその近くの歯茎がめくれる?
他にも親知らずが生えてきている途中のため、歯茎がめくれてしまっていたり、切れてしまっているということも考えられます。
親知らずは他の奥歯や前歯とは違って、乳歯が抜けたところに生えてくるものではありません。
親知らずが成長する時は、歯茎を突き破って出てくるので、歯茎がめくれてしまっているという状態になり得るのです。
更に、歯の中でも一番奥にあるので歯ブラシが届きにくく、しっかり磨いたつもりでも、歯垢が残ったままになってしまうことが高い傾向にあります。
そのため、歯垢が溜まり、歯肉炎や歯周病になりやすく、歯茎が腫れたりめくれたりすることもあります。
それでは、親知らずの生える歯茎がめくれてしまっている場合、どのような対処をしたらよいのでしょうか。
その親知らずは症状あり?なし?対処方法
親知らずが生えてくる際は歯肉を突き破って出てくるため、人によっては、成長する段階で痛みを伴う人もいることでしょう。
また、咀嚼をする際に頬の内側を噛んでしまったり、奥歯近辺や舌などが口内炎になってしまう人もいます。
まだ痛みを伴わない場合は、様子を見ながら歯茎を傷付けないように丁寧に優しくブラッシングをおこない、歯垢が残らないようにしておくようにしましょう。
もしも、痛みを感じるようであれば、歯医者にいきレントゲンを撮ってもらうことで、どのように生えているのかや親知らずがどんな状態であるかを知ることもできます。
歯医者によっても親知らずの扱い方は違うので、不安な人は、歯科医に確認するとよいでしょう。
親知らずを口の中に残しておいても影響のない場合はそのままにしておいたり、痛み・歯茎のめくれの症状があったり、虫歯になってしまっている場合は抜いてしまう所もあります。
歯はもちろん歯茎も大切にしよう!
歯茎の腫れやめくれは、口内環境の異常を示すサインと考えましょう。
「腫れていたけど治ったから」とそのままにしておくと、歯肉炎や歯周病などの口の中のトラブルになりかねません。
口の中になんらかの異常を感じるのであれば、時間を見付けて歯科を受診することをお勧めします。