汗のニオイが気になる方へ!汗腺を鍛えるための効果的な方法
汗 2019.03.29汗腺の機能が関係している!?汗には良い汗と悪い汗がある
体から出る汗には種類があることをご存知でしょうか。
汗腺の機能が正常に働いている場合は「良い汗」ですが、汗腺の機能が衰えていると、ニオイを伴った「悪い汗」となってしまいます。
それぞれの特徴には次のようなことが挙げられます。
【良い汗】
・サラサラしていて小粒
・無味無臭
・乾きやすく、汗をかいた後はすっきりする
【悪い汗】
・ベタベタしていて大粒
・しょっぱくて臭いニオイがする
・乾きにくく、汗をかいた後はぐったりする
汗腺の機能が正常に働いていると、汗腺に取り込まれたミネラルが血液に再吸収されるので、水のようなサラサラとした蒸発しやすい汗になります。
一方で、汗腺の機能が衰えていると、ミネラルの再吸収がうまく働かないため、ベタベタとしていて蒸発しにくい「悪い汗」になってしまうのです。
悪い汗は皮膚の表面にある雑菌を繁殖させるので、イヤなニオイを発することにつながります。
イヤなニオイを発するだけではなく、ミネラルが奪われることにより、夏バテや熱中症を招く原因ともなり得るので、日頃から汗腺の機能を鍛えることが必要になります。
どのように汗腺を鍛えれば、汗のニオイを抑えたり、健康維持のために効果が期待できるのかについては、後ほどご紹介していきます。
汗腺の機能を低下させる原因とは?
先ほど、汗腺の機能が衰えていると、悪い汗をかくようになるとお話ししましたが、汗腺の機能を低下させてしまう原因はどのようなことなのでしょうか。
人間の体には、およそ500万個の汗腺があり、このなかでも汗を出す働きをする「能動汗腺」は日本人の平均としては230万個程度とされていて、残りである半数以上が「休眠汗腺」と呼ばれる汗を出さない汗腺となっています。
その能動汗腺が活発な場合は、自然と良い汗をかくことになります。
しかし、次のようなことが原因となり、悪い汗になりやすくなることがあります。
●エアコンの利いた部屋で長時間過ごすことが多い
●運動不足で汗をかく機会が少ない
これらのことがあてはまる人は、能動汗腺の働きが低下しやすくなり、結果的に悪い汗をかきやすくなる傾向があります。
そのような悪い汗を良い汗に変える効果が得られるように、汗腺を鍛えるためのトレーニング方法がありますので、次章からご紹介していきます。
夏こそ汗腺を鍛える絶好の場!エアコンに頼り切らない効果的な汗腺トレーニング
先述したように、悪い汗を良い汗に変えるためには、汗腺を鍛えることが必要です。
そのために効果があるとされているトレーニングの一つとして、「エアコンの使い方」があります。
近年の夏はとても暑く、猛暑日が続く状態なので、エアコンを使用することが欠かせなくなってきています。
しかし、室温を23℃などという低い温度に設定すると、冷え過ぎて汗が出てこなくなってしまいます。
そこで、まずは設定温度を「24℃」に上げましょう。
次に、やや汗がにじむ程度になったら、1度上げた25℃に設定します。
それでも、「頭がぼーっとする」などの身体的に問題がなさそうでしたら、さらに1℃上げて26℃に設定をしましょう。
そして、窓を少し開けて換気をしながら、扇風機も併用していきます。
夏場の理想的な設定温度は27℃ですが、23℃位の低い室温に慣れている場合は、急に27℃にしてしまったら熱中症になってしまう恐れもありますので、まずは、26℃を目標として行なってみましょう。
一日中、汗をかかないような環境で過ごしていると、汗腺は退化してしまいますので、屋外と室内の温度差をできるだけ5℃以内に抑えられると良いでしょう。
毎日の入浴もトレーニングに最適!汗腺を鍛える効果を発揮する入浴方法
良い汗をかくための汗腺機能を高める効果が期待できるトレーニング方法には、入浴時にできることもあります。
そのポイントをご紹介していきましょう。
●手足高温浴
42~43℃の熱めのお湯をはり、可能であれば浴槽内にイスを置いて腰かけ、肘から先の部分と膝から下の部分を10~15分程度お湯につけましょう。
休眠している汗腺が多いとされている手足を温めることによって目覚めさせます。
●半身微温浴
先ほどの熱めのお湯にぬるま湯をたして、36℃程度にしましょう。
そして、みぞおちあたりがつかるまでの半身浴を10~15分程度行なうことで、体を中心から温めながらじっくりと汗をかいていきます。
入浴の前後や入浴中には、しっかりと水分を補給しましょう。
そして、入浴後は、「クールダウン」が重要なポイントです。
バスタオルで水を軽く拭き取り、汗が自然に引いてから着替えるようにしましょう。
これらの入浴法をセットで2~3週間位続けることにより、汗腺機能を鍛えることで、サラサラの良い汗をかけるようになるとされています。
汗腺を健康的に鍛える!有酸素運動を取り入れよう
汗腺を鍛える効果が期待できるトレーニング方法として、手軽にできて健康的なのは、「有酸素運動」です。
ウォーキングやジョギング、エアロビクスなどがそれにあたります。
一日に20~30分程度行なうだけでも良いでしょう。
しっかりと汗をかき、のどが渇いたらミネラルを含んでいるスポーツ飲料などで水分補給をしましょう。
また、汗は固くしぼってある濡れタオルで拭き取ることにより、クールダウンすることができ、汗によるニオイも防ぐことができるので、おすすめです。
仕事で忙しく、運動をするというまとまった時間をとることが難しい場合は、通勤時に歩幅を広めにして速く歩くようにしたり、遠回りして買い物に行くなどということからでも鍛えることができます。
軽い運動をして体温を上げることにより、汗腺を目覚めさせることや血行・代謝を良くすることができるので、良い汗をかけることにつながります。
有酸素運動と先ほどご紹介した入浴法を併せて行なえば、代謝を高め、脂肪も燃えやすくなるので、発汗を促進するためにはとても効果的でしょう。
食生活を変えることでも汗のニオイを改善する効果が!?
これまで、汗腺を鍛えるために効果が期待できるトレーニング方法をご紹介してきましたが、汗によるニオイを改善したいという方には、食べ物によって改善する方法もあります。
摂取することにより、汗のニオイを予防する効果が期待できる食材には次のようなものがあります。
●クエン酸
クエン酸は疲労回復を促すので、疲労によるニオイの元となるアンモニア臭を予防します。
おもな食材として、梅干しやレモンが挙げられます。
●発酵食品
発酵食品には、腸内環境を整え、善玉菌の働きを活性化させる働きがあります。
納豆や味噌、ヨーグルトなどがおもな食材です。
納豆や豆腐には大豆のイソフラボンも含まれていて、発汗を調節する働きもありますので、汗を調整したい方には特におすすめです。
●食物繊維
食物繊維は、老廃物を体外に排出しやすくしてくれます。
おもに、ゴボウや根菜類・きのこ類・海藻類に多く含まれています。
●抗酸化作用のある食材
りんごやブルーベリーなどのポリフェノールを含んでいるものは、活性酸素の働きを抑えるので、体のニオイ予防におすすめです。
ビタミンCやビタミンEにも抗酸化作用があるので、キウイやナッツ類なども良いでしょう。
しかしながら、汗のニオイを予防する効果があるからと言って、そればかりを食べていては健康に良いことにはなりません。
それらを含めたバランスのとれた食事を摂ることで、健康的に汗のニオイも改善されていくことでしょう。
汗腺トレーニング!まずは手軽にできることから始めてみよう!
汗の仕組みや汗腺を鍛えるためのトレーニング方法はおわかりいただけたでしょうか。
暑くて汗をかくのはイヤだとしても、健康的な体を維持して良い汗をかくためには、「汗をかくこと」自体が必要なことなのです。
汗腺を鍛えるトレーニング方法や食事法など、どれも今日からでも手軽に始めることができるものですので、生活のなかにぜひ、少しずつでも取り入れてみてはいかがでしょうか。