歯肉の色をピンクに!ガムピーリングではフェノールを使う?
お口のトラブル 2018.12.31歯肉の色を変えられる!?ガムピーリングとは?
「ガムピーリング」とは、歯肉が黒っぽく沈着してしまった色素を薬剤やレーザーなどを使用して取り除くことです。
ガムピーリングをすることにより、色素が沈着してしまっている薄皮をはがしていきます。
回数を重ねていくことにより、新たな歯肉ができて元のピンク色になっていく効果があるとされています。
その医療機関や手法によって、呼び名が違い、「歯ぐきのホワイトニング」や「ケミカルピーリング」などと呼んでいる場合もあります。
ケミカルピーリングとは、フェノールなどの薬剤を使用して歯肉の黒ずみを除去する方法のことです。
そのような薬剤を使用することにより、歯肉のターンオーバーを促し、メラニン色素によって黒ずんでいる表皮が取り除かれるので、元のようなきれいなピンク色に戻すことが期待できます。
まずは、ガムピーリングには何種類かの方法がありますので、そのことについてお話ししていきましょう。
歯肉の色をきれいなピンク色に!ガムピーリングの種類
黒ずんでいる歯肉をピンク色にするガムピーリングの方法には、次のようにいくつかの種類があります。
●薬剤を使用するピーリング
エタノールもしくはフェノールなどの薬剤を使用して歯肉のピーリングを行ないます。
それらの薬剤を歯肉に塗布することにより、歯肉の表面が白いかさぶたのようになります。
そして、数日後には薄皮としてはがれてきます。
人により差が出てきますが、それを何度か続けることにより、ピンク色に近づきます。
●外科手術をするピーリング
黒ずんでいる歯肉をメスを使用して切り取ってきれいな粘膜にしていく治療法です。
歯肉の黒ずみを取るためだけに行なうことはあまりないのですが、歯ぐきの形や歯の大きさが気になるため手術を行なう場合などに、併せて黒ずみの切除を行なうこともあります。
●レーザーを使用するピーリング
歯肉の黒ずんでいる部分にレーザーを照射してその部分を取り除く方法です。
歯肉の表面に麻酔を塗った後にレーザーをあてるので、痛みも少なくてすみます。
これらのガムピーリングの方法は、医療機関により行なわれている方法が変わってきますので、まずは確認をしましょう。
ガムピーリングの願望が出るほど歯肉が黒くなるのはどうして?
ガムピーリングやその種類についてはおわかりいただけたでしょうか。
それでは、そもそも、元はピンク色をしていた歯肉がガムピーリングが必要なくらい黒ずんでしまうのはどうしてなのでしょうか。
その原因には次のようなことがあるとされています。
●紫外線
皮膚は紫外線を浴びることにより、細胞を紫外線から守ろうとしてメラニン色素が増えるため、肌の色が濃くなります。
それと同じで、歯肉も紫外線を受けることにより、メラニン色素が沈着し、黒ずんだ色になってきてしまうのです。
●口呼吸が多い
口呼吸をしていると、鼻呼吸の場合に比べて、歯肉が外気に触れることが多くなるので、乾燥しやすくなります。
歯肉が乾燥することにより刺激を受けやすくなり、メラニン色素の生成が活発になるので、色素沈着が起こりやすい状態になります。
●喫煙や受動喫煙
タバコに含まれているニコチンによってメラニン色素が増えるので、歯肉の色素沈着が起こりやすくなってしまいます。
受動喫煙によっても影響があり、タバコを吸う親の子どもは歯肉に黒ずみが出てしまう場合もあります。
●歯周病
軽い歯周病の場合は、炎症により歯肉が赤く腫れますが、炎症がさらに進んでいくと、歯肉がやわらかい状態になり、赤くなっていた歯肉は黒っぽい紫色に変わっていきます。
歯肉が黒ずんでしまう原因として上記のことがありますが、フェノールを使用するなどのガムピーリングを受けられる場合と受けられない場合がありますので、次章でお話ししていきます。
フェノールなどを使用したガムピーリングの効果が得られる症状
これまで、ガムピーリングの方法や歯肉が黒ずんでしまう原因についてお話ししてきましたが、全ての症例の人がガムピーリングを受けて効果を得られるというわけではありません。
フェノールなどの薬剤を使用したガムピーリングが適応される症状というのは次のような方になります。
●喫煙により歯肉が黒ずんでしまった方
●長期間にわたり紫外線にさらされてきたという方
●口呼吸が習慣になってしまっている方
これらがあてはまる方は、フェノールなどを使用したガムピーリングの治療を受けることにより効果が得られるとされています。
反対に、そのようなガムピーリングの治療を受けられないとされているのは、次のことがあてはまる方です。
●歯周病などによる歯肉炎などの症状がみられる
●保護者の同意が得られていない18歳未満
●アルコール・フェノールなどの薬剤にアレルギーがある
●妊娠中である
上記のことがあてはまる方は、ガムピーリングの治療を受けることはできませんので、注意することが必要です。
フェノールを使用するガムピーリングの流れ
それでは、歯肉の黒ずみをピンク色にするために、主に行なわれている治療法となっている、フェノールなどの薬剤を使用するガムピーリングの治療の流れをご紹介します。
この方法では、フェノールが持っている、たんぱく質を変性させるという性質を使って、メラニン色素によって黒ずんでしまった上皮組織自体を取り除くことになります。
順番としては、次の通りです。
1.治療する箇所の消毒(その部分のある歯肉の表面全体に)
2.表面に麻酔を塗る
3.黒ずんでいる箇所にフェノールを塗る
4.エタノールを塗る(白濁した所を中和させるために薬剤をふき取る)
5.水で洗浄後、乾燥させる
6.3~6を3回くらい繰り返す
このような治療を行なうことにより、直後に歯肉の表面に白い膜が張ってきて、2、3日するとふやけた膜が少しずつはがれ始めます。
そして、1、2週間ほどで黒ずんでいた箇所がきれいなピンク色になっていくことが期待できます。
フェノールを使用するガムピーリングを受けた後に注意すること
前章でご紹介した、フェノールを使用したガムピーリングを受けた後に、気をつけたいことがあります。
●白くなった歯肉は無理にはがさない
ガムピーリングの治療を受けると、先述したように、患部は白く濁ったような膜ができますが、これは数日ではがれてきます。
気になるからと言って、無理にその皮をはがしてしまうと、未完成の皮膚が出てきてしまい、理想のピンク色にならない場合がありますので、自然にはがれるのを待った方が良いでしょう。
●刺激の強い飲食物は控える
治療後は、歯肉が敏感な状態になっていますので、カレーやキムチなど、辛くて刺激のある食べ物は控えた方が良いでしょう。
また、炭酸飲料なども刺激がありますので、控えることをおすすめします。
●喫煙も控える
歯肉が黒ずんでしまった原因の一つとして、喫煙が挙げられます。
たばこを吸うとステインが付着するので、歯肉が黒ずんでしまうのです。
ガムピーリングをしたからと言って、すぐにたばこを吸ってしまっては、再びステインが付着してきてしまう可能性があります。
きれいなピンク色の歯肉を保ちたいのであれば、今後もたばこの量を減らすことや禁煙を考えた方が良いでしょう。
●着色の強い飲食物は控える
着色しやすい、コーヒーやお茶・紅茶・赤ワインなど、ステインが付着しやすい飲食物を摂ることは、特に歯肉が再生している期間は控えた方が良いでしょう。
もし、摂ってしまった場合は、すぐに口をゆすぐなどして、気をつける必要があります。
ガムピーリング後も着色しないような心がけが必要!
歯周病などが原因ではなければ、歯肉の黒ずみをガムピーリングによってピンク色にすることが可能になります。
しかし、主な原因が喫煙の場合は、ガムピーリングを受けた後も今までと同じようにたばこを吸っていては、いずれまた歯肉は黒ずんできてしまうので、治療後の心がけも必要です。
ここでご紹介したガムピーリングに興味のある方は、受けたい治療がどの医療機関で行なわれているかを確認して、一度相談してみてはいかがでしょうか。