歯磨き粉のおすすめは研磨剤なし?その理由とおすすめの商品
歯磨き粉 2020.05.14歯磨き粉に含まれた研磨剤の役割とは?
ドラッグストアや通販では、実に様々な種類の歯磨き粉が揃っていて、各メーカーによってアピールする特徴も変わってきます。
中には、「研磨剤なし」と謳われる歯磨き粉もあり、普通の歯磨き粉と何が違うのか疑問に思った方もいることでしょう。
まず、歯磨き粉成分の研磨剤とは、歯に沈着したお茶やコーヒーなどのステイン(着色汚れ)を研磨する微細な粒子で、歯の黄ばみを防止する役割があります。
原理としてはクレンザーと同じで、研磨粒子によって頑固な汚れを削り落としていきます。
市販の歯磨き粉のほとんどに含まれていますが、メーカーの成分表記によっては「清掃剤」と書かれている場合もあります。
歯の見た目は第一印象に大きく影響することもあり、特に歯にステインが付着しやすい方にとって、研磨剤は非常に有効な成分と言えます。
では、そんな効果を持つにもかかわらず、一体なぜ研磨剤なしの歯磨き粉がおすすめされているのでしょうか。
次項で研磨剤のデメリットについて見ていきましょう。
研磨剤なしの歯磨き粉がなぜおすすめ?研磨剤のデメリットとは
研磨剤なしの歯磨き粉がおすすめされる理由には、歯の黄ばみを防ぐメリット以上に、懸念すべきデメリットがあるからです。
それは、歯や歯茎に与える影響です。
前述したように、研磨剤は微粒子によって汚れを削り落としますが、その影響は必然的に歯や歯茎にも及んできます。
では、研磨剤の具体的なデメリットについて見ていきましょう。
まず一つ目のデメリットは、歯のエナメル質を傷つける恐れがあることです。
エナメル質とは、歯冠を覆う一番外側にある硬組織で、水晶に匹敵する硬さを持っています。
しかし、それほどの硬組織であっても、習慣的に研磨剤入りの歯磨き粉を使うことで、エナメル質が少しずつ摩耗されてすり減っていくリスクがあります。
エナメル質の下には、神経を囲うように歯を形づくる象牙質(ぞうげしつ)があるため、象牙質が露出してしまうと知覚過敏を引き起こします。
特に、歯磨きのブラッシング圧が強い場合、研磨剤との相乗効果でエナメル質の摩耗リスクは高いでしょう。
研磨剤の効果が歯周状態を悪化させる場合も
研磨剤入り歯磨き粉の二つ目のデメリットには、歯周状態を悪化させるリスクが挙げられます。
特にこのリスクに注意したいのは、主に歯周トラブルのある方です。
歯周トラブルでは、歯磨きなどのプラークコントロール(歯垢抑制)を怠ることを原因に、歯肉などの腫れや出血、口臭などを引き起こしますが、それがさらに進行すると歯肉が退縮して歯茎がやせ細ります。
これを「歯茎下がり」と言いますが、歯茎が下がることで歯根までもが剥き出しになることがあります。
そのような歯周状態では、研磨剤がさらに歯茎を傷つけ、剥き出しになった歯根にまでダメージを与えてしまうでしょう。
したがって、歯周トラブルを抱えている方は、研磨剤入りの歯磨き粉の使用は控え、研磨剤なしのものでケアをするのがおすすめでしょう。
研磨剤なしの歯磨き粉なら「歯磨きジェル」がおすすめ!
これまでに、研磨剤入り歯磨き粉の効果からそのデメリットについて詳しく見てきました。
このような研磨効果を考えると、特に歯周トラブルを抱える方をはじめ、子どもの乳歯や高齢者の口内には刺激が強いことが分かります。
また、健康的な口腔状態であっても、ゴシゴシと強い力で歯を磨く方、歯や歯茎への負担を気にされる方は、研磨剤なしの歯磨き粉を使うことをおすすめします。
研磨剤なしの歯磨き粉としては、ジェルタイプの歯磨きジェルが挙げられます。
まず、歯磨きジェルは一般的な歯磨き粉とは違い、研磨剤・発泡剤が無配合なことが大きな特徴です。
そのため、歯も歯茎もデリケートな子どもの歯磨き剤としてよく推奨されていますが、近年では研磨剤の影響が考慮され、大人の歯磨き剤としても選ばれることが多くなっています。
また、歯磨きジェルはその形状上、フッ素が口内の隅々まで行き渡りやすいこと、そして歯面への吸着性が高いことも大きなメリットです。
と言うのも、フッ素がより効果的に歯に働きかけるのは、歯にしっかり吸着しコーティングしてこそです。
一般的な歯磨き粉では、歯磨き後に泡とともに汚れを吐き出しすすぐため、歯へのフッ素滞留量は低くなります。
一方、歯磨きジェルの場合、ジェルという吸着性のある形状であるうえに、歯磨き後にもう一度歯全体に塗布する使い方から、歯への十分なフッ素滞留量を望むことができます。
歯や歯茎にやさしく、なおかつ虫歯予防の向上に効果的な歯磨きジェルは、研磨剤なしの歯磨き剤を探している方にとって理想のアイテムでしょう。
研磨剤なしのおすすめの歯磨き粉!チェックアップ ジェル
では、ここからは研磨剤なしでおすすめの歯磨き粉を詳しくご紹介していきましょう。
まず一つ目にご紹介するのは、ライオン歯科材株式会社の「チェックアップ ジェル」です。
こちらは歯にやさしいみずみずしいソフトジェルで、口内の隅々まで行き渡るフッ素配合の歯磨き剤です。
フレーバーが5つと豊富でパッケージもカラフルなため、一見子ども用の歯磨き粉と思ってしまいますが、実はライフステージごとにフレーバーが分けられています。
と言うのも、虫歯予防に効果的なフッ素濃度が香味ごとに異なり、バナナ(1~6歳)は500ppm、ピーチ、グレープ、レモンティー(7歳~成人前)は950ppm、ミント(15歳以上の成人)は1450ppmとなっており、年齢に合わせた3種類から選ぶことができます。
それに加え、フッ素滞留性が高い特長から、歯科医院でもよく販売されています。
使い方は簡単で、いつもの歯磨きの際に歯磨き粉として使用し、さらに就寝前に歯に塗布します。
フッ素滞留量を高めるために、すすぐ際は一回に留めることがポイントです。
歯周トラブルに悩む方に!研磨剤なしの「チェックアップ ルートケア」
研磨剤なしの歯磨き粉で次におすすめするのは、ライオン歯科材株式会社の「チェックアップ ルートケア」です。
チェックアップルートケアも歯にやさしいジェルタイプで、こちらは主に歯茎下がりなどの歯周トラブルに悩む、中高年、高齢者に推奨されてます。
配合されたフッ素濃度は、先でご紹介したチェックアップジェルのミントと同様の1450ppmである一方で、重い歯周トラブルに特化した「コーティング剤PCA」という成分が含まれているのが大きな特徴です。
コーティング剤PCAは、歯茎下がりで露出した象牙質表面のコラーゲンをやさしく覆い、フッ素を効果的に吸着させて細菌から守ります。
ジェルなのでフッ素滞留性も高く、研磨剤で歯茎を傷付けることもないため、歯周状態がデリケートな場合はこちらを使用するのが良いでしょう。
研磨剤の効果をよく理解しておこう
研磨剤なしの歯磨き粉は、歯や歯茎への刺激が少ないことがメリットですが、歯に付着したステインを除去する働きはありません。
そのため、ステインが付着しやすい方は、研磨剤入りの歯磨き粉を週に1~2回使うなど、研磨剤なしの歯磨き粉とうまく併用すると良いでしょう。
自分の口腔状態に合わせて、ベストな歯磨き粉を見つけてくださいね。