歯磨き粉の適正量はどのくらい?年齢に合わせた量を使おう

歯磨き粉 2019.10.03

子どもの乳歯列が生え揃ってきたら、いよいよ子ども用歯ブラシを使った歯磨きがスタートします。

歯磨きが習慣づくように、大人がサポートをしながら一緒に歯磨きのやり方を覚えていきますが、そこで気になるのが歯磨き粉の適正量です。

子どもの成長に合わせて、どのくらいの量の歯磨き粉を使えば良いのか、疑問の声は少なくありません。

この記事では、子どもが歯磨き粉を使う際の適正量や、歯磨き粉に含まれる成分について詳しくお話ししていきます。

歯磨き粉を使い始めるタイミング!適正量を知る前のおさらい

子どもが自分で歯ブラシを持ってひとり磨きを始めるとき、セットで必要になるのが歯磨き粉です。

しかし、実際歯磨き粉を使う際、どのくらいの量を歯ブラシにつけるべきなのか、多くの大人は悩むところではないでしょうか。

気になる歯磨き粉の適正量について知る前に、まずは子どもが歯磨き粉を使うタイミングについてしっかりおさらいしておきましょう。

まず、子どもが子ども用歯ブラシを使って本格的に歯磨きを始めるタイミングは、乳歯列が生え揃い、虫歯が増え始める2~3歳頃です。

「じゃあそのタイミングで歯磨き粉も」と思いがちですが、その前に練習しておきたいのはぶくぶくうがいです。

と言うのも、ぶくぶくうがいができないうちに歯磨き粉を使ってしまうと、歯磨き後、うまく吐き出すことができずに誤飲・誤嚥してしまう可能性があります。

食べカスや細菌まみれの唾液をそのまま誤飲・誤嚥してしまうのは、健康上、決して良いとは言えません。

そのため、歯磨きをスタートしても、ぶくぶくうがいができるようになるまでは、歯磨き粉の使用を控えるか、うがいが不要な歯磨きジェルなどを使うことをおすすめします。

歯磨き粉の適正量を年齢別に知っておこう

実際に歯磨き粉を使っていくとき、結論から言うと、その適正量は子どもの年齢によって異なります。

この適正量の違いには、子どもの乳歯に与える歯磨き粉のフッ素・研磨剤などの影響が考慮されており、もちろん大人であっても歯磨き粉の使い過ぎには注意が必要です。

では、歯磨き粉の適正量目安を年齢別に見ていきましょう。

●6か月~2歳:切った爪程度の量

●3~5歳:5mm以下

●6~14歳:1cm(約0.5g)

●15歳以上:1~2cm(約1g)

上記の適正量目安は、一度見ただけでは覚えづらいでしょう。

そういう場合は、年齢の数をそのまま適正量として覚えておくことをおすすめします。

例えば、3歳であれば3mm、10歳なら10mm、15歳以上は15mmで統一する、と覚えると簡単です。

子どもでも大人でも、歯の汚れを落としたいがために、歯磨き粉をたくさん使って磨きたくなりがちですが、特に子どもの場合は上記の適正量を目安とし、使い過ぎには気を付けることが大切です。

歯磨き粉の適正量には研磨剤の考慮も!

子どもが歯磨き粉を使い始めるとき、歯磨き粉の適正量に関わる研磨剤やフッ素濃度について大人はよく知っておく必要があります。

そこで、子ども用歯磨き粉にはどのような成分が含まれているのか、大人用歯磨き粉とどう違うのか、詳しくお話ししていきましょう。

まず、子ども用の歯磨き粉には、研磨剤が含まれていません。

そもそも研磨剤には、歯の表面を削ることで、歯に付着するステイン汚れや着色を落とす効果があり、一般的な大人用歯磨き粉のほとんどに含まれています。

このようなホワイトニング効果を持つ研磨剤は、着色汚れが気になる大人にとってはニーズが高い一方で、未完全の子どもの歯には不向きです。

と言うのも、研磨剤は歯の表面を擦って汚れを落とす分、エナメル質が薄くやわらかい子どもの乳歯を傷つける恐れがあります。

そのため、子ども用の歯磨き粉のほとんどは、研磨剤が未使用な場合が多いです。

ただし、小学校高学年になると、研磨剤入りの大人用歯磨き粉を使い始めるケースが多いので、研磨剤の刺激を考慮した適正量で使うことが推奨されます。

歯磨き粉の適正量は守ろう!フッ素濃度の注意点

次に、歯磨き粉の適正量に関係するフッ素について見ていきましょう。

そもそもフッ素には、虫歯菌が生成する酸を抑制し、溶け出した歯をより強く修復する虫歯予防効果があり、日本に流通している90%以上の歯磨き粉に含まれています。

ただし、フッ素入り歯磨き粉といっても、商品によって含まれるフッ素濃度は様々で、子ども・大人用歯磨き粉でも変わってきます。

本来、虫歯予防の観点から考えたとき、フッ素濃度はできるだけ高いほうが望ましいのですが、過剰摂取による副作用もあることから、年齢によってフッ素濃度の考慮が求められます。

まず、一般的に、4歳未満は500ppm、6歳以上は1000ppmのフッ素濃度が推奨されています。

「ppm(ピーピーエム)」とは、フッ素濃度の割合を示す単位です。

大人用歯磨き粉は950ppm程度が多い一方で、5歳以下の子ども用歯磨き粉は100~500ppmで販売されています。

前述でご紹介した歯磨き粉の適正量目安では、このようなフッ素濃度が考慮され、反映されています。

なお、フッ素の副作用が生じる推定量は、5mg/kg(体重)とされていますが、3~5歳の歯磨き後の口腔内フッ素残量はおおよそ0.06mgとなっているので、年齢に合ったフッ素濃度で、かつ歯磨き粉の適正量を守っている限り、特別心配する必要ないでしょう。

歯磨き後のうがいは少なく!フッ素の虫歯予防を効果的に

前項では、歯磨き粉の適正量に関わるフッ素濃度について見てきましたが、フッ素の誤飲を恐れて、口腔内にできるだけ歯磨き粉が残留しないように、子どもにはしっかりうがいをさせたい方も多いでしょう。

しかし、前述したように、年齢に合ったフッ素濃度で、かつ歯磨き粉の適正量を守っている限りは、神経質になる必要はありません。

また、歯磨き後に何度もうがいをしてしまうことは、かえってフッ素の虫歯予防効果を享受することができなくなります。

と言うのも、フッ素の虫歯予防効果を得るためのポイントは、歯磨き後の口腔内になるべくフッ素を留まらせることです。

歯科医院が推奨するうがいの回数は、2回以内です。

特に、睡眠中は最も虫歯菌が繁殖しやすいため、夕食後、就寝前の歯磨き後は、できるだけうがいの回数を少なくしたほうが良いでしょう。

子どもに合わせた子ども用歯磨き粉!発泡剤未使用で磨きやすく

これまでに、歯磨き粉の適正量に関わる研磨剤・フッ素について詳しくお話ししてきました。

子どもが歯磨き粉を使う場合、いずれにしても研磨剤の影響やフッ素の過剰摂取を考慮し、歯磨き粉の適正量を守ることが大切だと分かりました。

また、歯磨き粉の適正量には関係ありませんが、子ども用歯磨き粉には、研磨剤以外にも発泡剤が含まれていない場合がほとんどです。

まず、発泡剤は歯磨き粉を泡立てるための成分で、大人用歯磨き粉には必ずと言っていいほど含まれています。

特に虫歯予防に有効な効果があるわけでなく、ただ泡立ちを良くして、口腔内をスッキリ爽快にする目的があります。

しかし、ぶくぶくうがいがうまくできない子どもにとって、発泡剤は口腔内に残りやすく、その分誤飲の可能性も多くなります。

また、口腔内で泡立ったことに満足してしまい、磨き残しが多くなる原因の一つでもあります。

このような理由から、子ども用歯磨き粉には発泡剤が使われていませんが、大人用歯磨き粉にステップアップした際は、泡立ちによる磨き残しには気を付けることが大切です。

適正量を守ってきれいに歯磨き

歯磨き粉を使う際は、子ども大人に関係なく適正量を守ることが大切です。

特に子どもの場合、誤飲によるフッ素の過剰摂取を防ぐために、年齢に合わせた必要最低限の歯磨き粉を使うようにしましょう。

また、大人用歯磨き粉を使えるようになっても、研磨剤による乳歯の影響があるため、つけすぎには気を付けるようにしてください。

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