前歯に線が入ってる!?歯に見つけたこの縦線って何?

虫歯予防 2019.09.05

歯磨きをしているときに鏡を見て、「あれ?前歯に線が縦にはいっている?」と思ったことはありませんか。

前歯に縦に線が入っているのは、ただの着色汚れの場合もありますし、もしかしたら前歯に入ってしまったヒビかもしれません。

ここでは、なぜ前歯に線が縦にはいってしまうのか、原因と対処法があるのかなどについてお伝えします。

前歯の役割

歯に入った縦線のことについて触れる前に、歯が持つ役割とはいったい何なのでしょうか。

歯にはそれぞれ役割があります。

例えば、とがっている犬歯は食べ物にかぶりついた際に、切り裂く役割と前歯にかかる力を分散させる役割があります。

奥歯には噛み切ったものをすりつぶす役割があります。

そして、前歯には食べ物を噛み切ったり、ちぎったりする役割があります。

食事に関する役割だけではありません。

発音にも大きく影響しています。

例えば、上の前歯がなくなると特にサ行が発音しにくくなります。

どの歯にもそれぞれ役割があり、なくてはならないものになるのですが、前歯は特に審美的にも大きな役割を果たしています。

前歯がないと笑ったときに、見た目が気になってしまいますよね。

前歯は正面から見て一番目立つ歯なだけに、縦に線が入っているととても気になる方は多いと思います。

前歯の縦の線が茶色い線の場合

鏡で見たときに、前歯の縦の線が茶色い場合は、ただの着色汚れの場合が多いです。

歯ブラシで磨いて取れる場合と取れない場合がありますが、取れないことのほうが多いでしょう。

「きちんと磨いているのに、汚れがとれないことなんてあるの?」と思われるかもしれません。

なぜ取れない汚れなのかと言うと、着色汚れはただ付着しているだけではなく、ぺリクルというタンパク質とくっついて、歯に色素が沈着してしまうからです。

そして、着色の原因とされるのが、ポリフェノールを多く含む食品になります。

代表的なものはコーヒーや赤ワイン、カレーなどです。

これらの食品をよく食べたり、飲んだりしている方は注意しましょう。

もう1つ着色の原因とされるのが、タバコです。

タバコのヤニは歯につきやすく、着色汚れを引き起こします。

それだけではなく、タバコは歯ぐきにも着色汚れを起こします。

タバコを吸う習慣のついている方は鏡で確認してみてください。

歯ぐきが黒っぽい場合、ヤニが原因で色が変わっています。

歯ぐきの黒ずみは、歯科医院で改善してもらうことができます。

前歯の縦の線がヒビの場合

茶色くはないけど前歯に縦の線が入っているのがうっすら見えるな、という方。

それは、前歯のヒビの可能性が高いです。

歯にもヒビが入るのかと不思議に思うかもしれません。

そもそも歯は表面がエナメル質という固い物質で覆われており、その下に象牙質という柔らかい物質、そして神経が通る構造です。

エナメル質は、人間のからだの中で最も硬い組織になります。

ものの硬さを1~10段階に分けたモース硬度という指標があります。

10が一番硬く、ダイヤモンドの硬さです。

歯は表面のエナメル質で7、その下の象牙質が6です。

ちなみにガラスが5、鉄が4になります。

このように、ガラスや鉄よりも歯は硬いので、ヒビが入ることなんてなさそうなんですが、実は結構あるのです。

それは、何かにぶつけたなど外傷が原因の場合や歯ぎしり、固いものを噛んだときの衝撃も原因にあげられます。

前歯の縦の線が茶色く見える原因マイクロクラックとは

先ほど、歯にヒビが入ることがあるとお伝えしました。

歯にうっすらヒビが入ることをマイクロクラックといいます。

マイクロクラックという名の通り、このヒビはとても小さなものになります。

着色汚れのお話も先ほどしましたが、この小さなヒビがタバコやお茶によって着色され、前歯に縦に線が入ったように見えるのです。

また、このヒビはミクロン単位と小さなものですが、ここから虫歯菌が発生して、虫歯になってしまうこともあります。

しかし、マイクロクラックは虫歯でなければ、基本的に治療しません。

冷たいものがしみたりなどの自覚症状がなければ、表面のエナメル質のヒビと考えられるので、経過をみることになります。

ただ、前歯の茶色い線がマイクロクラックの着色汚れであって、どうしても気になるという方はレジンを上から詰めたりして綺麗にする治療もあるので、相談なさると良いでしょう。

ただ、ヒビが入っている状態にはかわらないので、硬いものを食べるときに注意したり、普段から食いしばりをしたりしないように意識してください。

前歯の縦の線が痛いような気がする

先ほど治療することがないとお伝えしましたが、前歯の縦の線に冷たいものがしみたり、痛いという自覚症状があれば、ヒビがエナメル質よりも奥の象牙質にまで及んでいると考えられます。

ここまでヒビが入ってしまうと、割れた部分を削ってかぶせ物をする対処が施されます。

噛むと痛いなどの自覚症状がある場合には、さらに奥の神経にまでヒビが入っている場合も多いです。

そうなると、神経を除去して、歯の根っこの治療をしなければなりません。

歯は神経を取るとどうしても、もろくなりやすくなります。

歯に栄養をいきわたらせているのは神経になるので、とることによって欠けやすくなったり、虫歯になりやすくなるなど、なんらかの影響はあるでしょう。

ただ、ヒビが入ったまま治療をしないとなると、だんだん悪化し、保存不可能になり、最終的に抜かなければならなくなってしまいます。

縦の線を発見したら、様子を見ていいヒビなのがどうか、一度歯科医院できちんと見てもらいましょう。

マイクロクラックを悪化させる歯ぎしり、噛み締め

噛むことによって歯には圧力がかかっています。

人の噛む力はだいたい、その人の体重程度だとされています。

もちろん食事するときにも歯には圧力がかかっているのですが、例えば体重50kgの人なら、50kgの力がかかっているわけではなく、その20%~30%の力がかかっているとされています。

食事ごとに何度も力がかかっているので、年齢とともに歯にヒビが入ってしまうのも実は仕方のないことなんです。

ですから、肉眼で見えないような微細なヒビが入っていることは実はよくあります。

しかし、若いのに前歯の縦の線が気になるという方は、歯ぎしり、噛み締めをしているかもしれません。

歯ぎしり、噛み締めは歯のヒビを悪化させるからです。

歯ぎしりは音がするから分かりやすいのですが、実は、意外と自覚症状がないのが噛み締めになります。

PC作業をしているとき、勉強をしているとき、普段の何気ない姿勢のときに上下の歯が触れ合っていませんか?

上下の歯が触れ合っている方は、もうすでに噛み締めています。

実は上下の歯が触れ合っていない状態が、正常な状態です。

噛み締めていると余計な力を歯に加えるので、歯のヒビを悪化させたり、すり減らしたりして、歯の寿命を減らしかねません。

咬筋というえらの筋肉も使っているので、えらが目立ちやすくなりますし、顎関節症にもなる可能性も否定できません。

また、歯ぐきにコブのようなものが出来て、骨の形をかえてしまう骨隆起を引き起こしやすくなります。

噛み締めていると考え得る身体への影響がこれだけあるのですが、特にこれといった治療法がなく、歯が上下にくっついていたら離す、という自身で気をつけることが一番の方法になります。

寝ているときはどうしようもないので、マウスピースで歯にかかる負担を減らすようにします。

特にストレスがかかっているときというのは、噛み締めをおこしやすい状態です。

PC作業をしているとき、運転をしているときなど、ふとしたときに上下の歯が触れていないか確認してみてください。

前歯の縦の線は一度歯医者さんで見てもらおう

前歯の縦の線がただの汚れの場合、ヒビがはいっている場合、ヒビに着色汚れしてしまっている場合をお伝えしました。

縦の線がヒビの場合には、歯を残していくためにも、どこまでヒビが進行しているのか早めの判断が必要です。

放置して痛くなってからでは遅いです。

鏡を見て「あれっ?」と思ったら、一度歯医者さんで見てもらうことをおすすめします。

コンプレックスなく明るい未来を。株式会社ソーシャルテック

RANKING

人気記事