歯磨きは朝のいつ・どのタイミングで行う?起床後?食後?

虫歯予防 2019.10.31

歯磨きに関してよくある疑問の一つに、朝行う歯磨きのタイミングがあります。

起床後すぐか、朝食の後か、様々な見解が飛び交う近年では、人によっても意見が分かれることもあり、判断には困るところです。

朝の歯磨きのタイミングは、一体いつが望ましいのでしょうか。

この記事で朝に行う歯磨きのタイミングを知って、一日の始まりを気持ちよく迎えましょう。

朝の歯磨きは食後?起床後?タイミングはいつ?

朝の歯磨きをいつ・どのタイミングで行うかは、口腔ケアを意識する方にとっては重要な問題です。

そもそも歯磨きを行う目的は、食べカスや歯垢を取り除くためで、一般的には「食後」に行う生活習慣として私たちに根付いています。

そのため、朝の歯磨きといえば「朝食後」に行うほうが一般的な意見として多いことでしょう。

しかし近年では、朝の歯磨きのタイミングに関して、「朝食前の起床後」のほうが重要とする見解がよく知られるようになりました。

「食事をしていない起床後になぜ?」と思う方もいることでしょうが、これには睡眠中に起きる口腔環境の変化が大きく関係しています。

では、なぜ朝の歯磨きが起床後に推奨されるのか、次項から詳しく見ていきましょう。

朝の歯磨きはいつ行う?起床後すぐの歯磨きを推奨する見解の理由

朝の歯磨きが起床後に推奨される見解の理由としては、まずは口内の唾液について知る必要があります。

私たちの普段の口内は、常に唾液で潤っていますが、そんな唾液が口腔内でどのような役割を果たしているのか、多くの方は気にも留めないかもしれません。

しかし実は、唾液はただいつも私たちの口内を潤すだけでなく、歯や歯間に付着した食べカスや歯垢を洗い流す自浄作用、細菌の繁殖を抑える抗菌作用を備え、虫歯や口臭、歯周トラブルから口腔環境を守っています。

また、それに加えて、pH(ペーハー)緩衝作用という働きもあります。

pHとは水溶液の性質を表す単位で、アルカリ性、中性、酸性などを示す値です。

通常、私たちの口内pHは常に弱アルカリ性~中性に保たれていますが、糖分を含んだ食後は酸性に傾きます。

酸性に傾いた口内は細菌が活動しやすい環境で、食べカスから歯垢を作り、そこから歯を溶かす酸を生産していきます。

つまり、唾液はそんな酸性の口内を中和させる緩衝作用持っており、細菌が活動しにくい口腔環境に整えてくれるのです。

しかし、このような虫歯予防効果を備える唾液の分泌量は、体を休める睡眠中に大きく低下してしまいます。

そのため、無防備な状態になった口内は細菌が活発に活動し、起床時の口内は細菌まみれになってしまうというわけです。

朝起きたときに、口内がネバネバしたり臭かったりするのはそのためです。

「歯磨きは起床後すぐ」という見解が多く見られるようになったのは、このようなメカニズムが背景にあるからなのです。

朝の歯磨きをいつするか悩む方へ!細菌まみれの口内で食事をするということ

前項のお話で、口内の唾液が減少する睡眠中は、細菌にとって最も活発に増殖できるタイミングであることが分かりました。

つまり、起床後、細菌まみれの口内のまま食事をすることは、増殖した細菌をそのまま飲み込んでいることを意味します。

口内の細菌を体内に取り込んでしまうと、腸内環境が乱され、身体の免疫機能が阻害される可能性があります。

そのため、外部からのウイルスに対して免疫機能がうまく働かなくなるのは、そういった口内の細菌を常に取り込んでいることも少なからず影響していると考えられます。

したがって、朝の歯磨きをいつ・どのタイミングでするか悩んでいる場合、朝の口内環境が気になる方は、起床後すぐの歯磨きをおすすめします。

朝食前の歯磨きは虫歯リスクが抑えられる?

起床後、食前に歯磨きがおすすめされる理由には、虫歯リスクが抑えられることも関係しています。

そもそも虫歯ができる主な条件としては、口内に虫歯菌がいること、糖分を含んだ食べカスがあることがまず挙げられます。

と言うのも、虫歯菌は食べカスをエサにどんどん増殖し、棲み処となる歯垢(プラーク)を形成することで、そこから歯を溶かす酸をつくっていきます。

一般的には食後の歯磨きによって、プラークが形成される前に食べカスを取り除くことで、虫歯へのつながりを絶つことが望めます。

しかし、起床後の口内は、すでに細菌でまみれており、睡眠中にプラークが形成されています。

つまり、朝食の前にあらかじめ歯磨きをして細菌やプラークを取り除くことができれば、食事で糖分が与えられても、少ない虫歯菌では活動しにくくなるのです。

いつも朝食後に歯磨きをしている方は、このような虫歯のメカニズムを考慮し、起床後すぐに歯磨きをしてみるのも良いでしょう。

ただし、食後の歯磨きで食べカスを除去することで、虫歯を予防できるのも事実です。

そのため、歯科医によっては考え方が違う場合もあるので、朝食前・食後のどちらが良いか断言することは難しいと言えます。

睡眠中の虫歯リスクを抑えるために!まずは夜の歯磨きに集中

これまでに、朝の歯磨きはいつ・どのタイミングで行うべきかについてお話ししてきました。

起床後すぐの歯磨きが推奨される理由には、前述したように、睡眠中に増殖する細菌が関係していますが、これをできる限り防ぐには、「夜寝る前の歯磨き」が重要です。

夜の就寝前にしっかり歯磨きをすることができれば、睡眠中に活動する細菌を抑制することができ、起床時の口内もプラークや細菌まみれになることもないでしょう。

つまりこのことは、1日の中で夜の歯磨きが最も重要であることの裏付けとも言えます。

例えば、1日3回の歯磨きをいい加減にやるくらいなら、1日1回夜だけに集中して歯磨きをしたほうが、よっぽど虫歯予防になるとさえ言われているほどです。

朝の歯磨きは、1日の始まりでもあるからこそいつ・どのタイミングでするか悩みますが、それよりもまずは、夜の歯磨きを徹底して行うことがおすすめされます。

歯磨きの質も大切!補助道具でプラークをしっかり除去しよう

最後にお話ししていくことは、歯磨きの質の問題です。

いつ・どのタイミングで歯磨きをするかは、確かに大切なことですが、なによりもまずは歯磨きがきちんとできてこそ、初めて虫歯・歯周トラブルの予防ができます。

「歯磨きがきちんとできている」というのは、口内のプラークが除去できていることを指しますが、実は歯ブラシだけではどんなにきれいに磨いても全体の60%しか落とすことができません。

歯ブラシだけでは取り除けない残りの40%のプラークは、主に歯と歯の間(歯間)にあるため、補助道具を使ってカバーする必要があります。

歯間のケアをする代表的な補助道具は、デンタルフロスです。

歯ブラシにデンタルフロスをプラスすることができれば、全体の80~90%のプラークを落とすことができるので、ぜひ歯磨き後に使ってみることをおすすめします。

朝は忙しくバタバタしがちなので、就寝前の夜に1日1回行ってくださいね。

歯科医によっても意見が異なる

朝の歯磨きはいつ・どのタイミングで行うのが良いのか、詳しくお話ししてきました。

起床時の汚れた口腔環境を考慮すると、起床後すぐに磨いたほうが望ましい見解もありますが、歯科医によっては意見も異なるため、一概に言うことはできません。

今回の記事の参考に、自分の生活スタイルに合わせたタイミングで朝の歯磨きをしてください。

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