歯磨きしても唾液の粘りが気になる!原因と対策方法は?
虫歯予防 2019.05.24唾液の粘りは菌が影響
何度も歯磨きしても、すっきりしない唾液の粘り。
原因が分からず歯磨きしていても、唾液の粘りは改善されず心配になるでしょう。
実は唾液の粘りは、お口の中の菌が大きく関係しています。
菌の種類は、虫歯菌と歯周病菌の2つです。
①虫歯菌…何らかの理由により唾液の分泌量が減ると、虫歯菌が繁殖します。
虫歯菌が多いと唾液がベトベトして、粘りの原因となるのです。
また、ベトベトした唾液は、歯に付いたプラークも取れにくくするのです。
菌が少ないと唾液はサラサラとして、汚れも唾液で流れやすく取りやすくなります。
②歯周病菌…歯周病に侵されている人は、歯茎から膿が出ていることもあるため、唾液がベトベトと粘ります。
歯周病になると口臭もきつくなり、いつもお口の中が不快です。
虫歯菌と歯周病菌は悪玉菌なので、お口の中だけではなく、体全体に悪影響を与えかねません。
唾液の粘りが気になったら、すぐに歯医者さんへ行き、お口の健康チェックをしてもらってください。
放っておくほど菌は増殖して、唾液の粘りはますます強くなります。
唾液の粘りは歯磨きで改善
皆さんは歯医者さんで、歯磨き指導をしてもらった事はありますか?
歯磨きは唾液の粘りに大きく関係しているため、適切に磨けていないと汚れも取れず、お口の中に不快感が残ってしまいます。
自分では磨いているつもりでも、プロに診てもらうと磨けていないことが多いのです。
「磨いている=磨けている」ではありません。
また、歯ブラシだけ使って歯磨きしていても、歯と歯の間には全体の4割の汚れが残ってしまいます。
歯ブラシ以外にも、歯間ブラシやデンタルフロスをあわせて使うように心がけましょう。
残った汚れは、お口の細菌により分解され、8時間以内でプラークに変わってしまうのです。
プラークは細菌の塊のため、虫歯や歯周病の原因になり、唾液の粘りに繋がりお口の中を不快にさせます。
歯医者さんで歯磨き指導を受けたことが無い人は、是非歯科医師や歯科衛生士から、指導を受けてください。
正しい磨き方を続けると、唾液の粘りは改善されていきます。
唾液の粘りはキシリトールで改善
歯磨き以外でも、ちょっとしたケアで唾液の粘りを改善することができるのです。
虫歯菌は甘い物が大好きで、特に砂糖を好んで栄養にしています。
栄養を得た虫歯菌は活発になり、酸を作り唾液をベトベトにして歯を溶かすのです。
プラークが多いとお口の中の唾液は粘りが強く、菌もどんどん増えていきます。
こうなると、歯磨きだけでは唾液の粘りの改善が難しくなっていきます。
そこで、助けてくれるのがキシリトールです。
キシリトールは木から取れる天然の甘味料で、スーッとして爽やかな甘みがします。
甘いですが、虫歯菌はキシリトールを栄養にできず、弱って死んでいくのです。
キシリトールを摂取する事で虫歯菌も減り、摂取してから約2週間くらいで唾液がサラサラしていくのがわかるでしょう。
キシリトールは1度に沢山食べるよりも、数回に分けて食後などに食べるのが効果的です。
キシリトール製品は、ガムやタブレット・チョコレート・グミと様々です。
さらに効果的にキシリトールを摂るなら、歯科医院で購入するのが1番良いでしょう。
スーパーやコンビニ・ドラックストアに売っているのは、キシリトール100%ではありません。
歯科医院専用だとキシリトール100%なので、虫歯予防には効果的です。
歯磨きと一緒に、キシリトールも活用して唾液の粘りを改善していきましょう。
歯磨きで取れない汚れはPMTCできれいに!
皆さんは、PMTCを耳にしたことはありますか?
PMTCは、P(プロフェッショナル)M(メカニカル)T(トゥース)C(クリーニング)の略で、歯科医師・歯科衛生士しか認められていない、プロによる歯のクリーニングの事です。
PMTCは専用の特殊な器具・機材を使うので、熟練した技術が必要とされます。
歯磨きで取り切れない汚れを除去する他、細菌層を破壊する事もできます。
これが、唾液の粘り改善に効果的なのです。
汚れを除去した後の歯の表面はツルツルな磨き上がりのため、汚れも付きにくくなります。
PMTCの後はお口の中がすっきりして、唾液の粘りが改善されていくのが実感できるでしょう。
筆者も、年に2回は必ず歯医者さんに行ってPMTCをしてもらいます。
PMTCのおかげで歯磨き後も唾液の粘りは改善され、お口の中はいつも爽快です。
唾液の粘りだけでなく、口臭改善や歯を健康に保つのにもPMTCは有効ですので、検討してみてください。
唾液の分泌量と粘りの関係
唾液には殺菌作用や、お口の中のPHをバランスよく保つ、大切な働きがあります。
唾液の分泌が少なくなると、粘りが気になり始めるのです。
現代人の生活は、唾液の分泌を少なくする要因に囲まれています。
唾液の分泌が少なくなる原因としては、
・加齢
・口呼吸
・出っ歯
・現代食
などが挙げられます。
①加齢
加齢は避けようのない事ですが、唾液腺をマッサージしたり、よく噛んで食べる事が刺激になり、唾液の分泌促進に繋がります。
②口呼吸
アレルギーや風邪で鼻が詰まり口呼吸になると、お口の中が乾燥して唾液の粘りの原因になります。
③出っ歯
歯が突出する出っ歯では常に口を閉じる事が出来ず、お口の中が乾燥します。
歯が出ている事で歯磨きもしづらく、噛み合わせも見た目も悪いので、歯科矯正をするのが最も効果的でしょう。
④現代食
現代食は柔らかいものが多く、それ程噛まなくても飲み込めてしまいます。
そのため噛む回数が少なくなり、それに伴い唾液の量も減ってしまいます。
柔らかいものでも噛めば噛むほど唾液腺が刺激されて多くの唾液が分泌されるので、意識して咀嚼してください。
回数は、一口30回を目安にしましょう。
唾液の量が多いほどお口の健康は保たれていくので、上記のような唾液を多く出す工夫をして唾液の粘りを予防しましょう。
唾液の粘りは歯磨きと歯磨き粉のダブルケア!
歯磨きに歯磨き粉は欠かせませんよね。
なかには使わずとも口内環境は整っているという方もいるでしょう。
ちょっとした選び方の工夫によって、普段使っている歯磨き粉でも唾液の粘りは改善することができます。
虫歯になりやすい人は、フッ素配合の歯磨き粉を使うことをお勧めします。
フッ素の効果は、
・歯を強くし、虫歯になりにくくする
・虫歯菌の働きを、弱める
・歯から溶け出したミネラルを戻す(再石灰化)働きをする
この3つです。
虫歯菌の働きを弱める事で唾液の粘りは改善されていきます。
また、歯肉炎や歯周病が気になる人は、殺菌作用の高い歯磨き粉を使うことをお勧めします。
歯周病になってしまうと歯磨きと歯磨き粉で治ることはありませんが、予防する事はできるのです。
歯周病菌は、唾液の粘りや口臭に大きく関連します。
歯周病になっている人の歯周ポケットからは膿が出るので、更に唾液の粘りが増します。
虫歯は進行すると痛みが出るので気が付きやすいですが、歯周病は末期まで自覚症状が無いのが特徴です。
歯磨きしていても唾液の粘りが多い方は、必ず歯医者さんを受診しましょう。
歯磨きと早めのケアで唾液の粘りを防ごう
唾液の粘り対策には、歯磨きが大切です。
また、歯医者さんへ定期検診に行ったり、普段からキシリトールを摂取したりと、歯磨き以外のアプローチも必須です。
唾液の粘りが気になると、歯磨きしてもすっきりせず、不快なまま過ごすことになります。
治療もケアも早い方が良いに越したことはありませんので、気になり始めたら歯医者さんに行き原因を調べましょう。
もちろん、唾液の粘りが気にならなくても、普段からケアしていくことが大切です。