歯磨きをしていると、ネバネバした唾液が出てくるのはなぜ?
虫歯予防 2019.03.27歯磨きでネバネバな唾液が出る理由!歯周病が原因の場合
口の中には300~500種類もの菌が住んでいると言われています。
これらの菌は口腔内が健康であれば何も悪いことはしませんが、磨き残しがあったり、歯磨きをしなかったりすると、ネバネバした物質をつくり出し歯の表面にくっつきます。
この粘着性の強いプラークと呼ばれる物質は、やがて虫歯や歯周病を発生させます。
歯周病菌が唾液に含まれると、唾液がネバネバした状態になり、何度歯磨きを行っても、そのネバネバが無くなることはありません。
朝、昼、晩と3回歯磨きを行っても、ネバネバした唾液が解消できず、ガムや口腔内をすっきりとさせるミント系タブレットですっきりとさせている方も多いのではないでしょうか。
ネバネバな唾液を感じる時間が長くなると、注意しなければならないのが、歯周病です。
特に、朝、起きた時にネバネバを感じる時は、要注意です。
歯周病予備軍と言っても過言ではありません。
そのネバつきは、口腔内の菌を抱え込み、歯の表面に長く居座る悪い菌になります。
早急に歯医者に行き、診察を受けることをおすすめします。
水分補給を意識的に!水分が不足すると唾液がネバネバに
わたし達が健康に暮らすには、1日に1リットル以上の水分が必要だと言われています。
健康に暮らしている人々の1日に排出する水分量はおよそ2.5リットルです。
そのうち、食事から摂取できる水分量は約1リットル、体内でつくられる水分量は約0.3リットル。
となれば、最低でも、1日1リットル以上の水分が必要になります。
1日に1リットル以上の水分が摂取できる人であれば何の問題もありません。
しかし、摂取できていない場合、ネバネバした唾液が口腔内に広がっている可能性が高いため、注意が必要です。
実は、この水分不足が、ネバネバな唾液を発生させる原因でもあります。
水分不足でネバネバな唾液が出ている時は、いくら丁寧に歯磨きを行っても、解消されることはありません。
水分不足は身体だけでなく、口腔内の水分が不足し、口腔内を乾燥させてしまいます。
その結果、水分を含まない唾液となり、口腔内に潜む菌が付着したネバネバした唾液になってしまうのです。
健康のために、また、口腔内を正常に保つために、1日1リットル以上の水分を補給することをおすすめします。
生活習慣も要チェック!歯磨きのタイミングは?
前項では1日の水分量からの原因を見てみましたが、この項では生活習慣が原因となる場合についてお伝えしていきます。
以下のような生活習慣に当てはまる人は、要注意です。
・朝、朝食を食べた後に歯磨きを行う
・デスクワークが中心
・会話が少ない
・口腔内が乾燥していて、のど飴が手放せない
これらはすべて唾液の分泌が減る生活習慣になります。
「朝の歯磨きは朝食後が正解では?」そう思いますよね。
実は、眠っている間は口腔内が乾燥していて、雑菌が繁殖しているそう。
その雑菌を素早く退治することで、ネバネバした唾液を一掃できるのです。
朝食後ではなく、朝起きたらすぐに歯磨きを行う習慣をつけましょう。
ちなみに、朝食後は歯磨きを行わず、軽くうがいするだけで食べ物のカスは掃除できるとのことです。
次に、デスクワークが中心、会話が少ないについてですが、人間のあご、正確にはあごの下あたりに顎下腺という唾液腺があります。
デスクワークをしている時、顔は下を向いていませんか?
下を向くと、この唾液腺が圧迫されて唾液の量が激減します。
特に、集中している時は会話もないため、口は閉じたままですよね。
これも、口腔内に菌を繁殖させる原因となってしまい、ネバネバした唾液を増加させることにつながるようです。
加齢に伴い唾液がネバネバに!?唾液腺をマッサージ
「子どもの時はサラサラした唾液だったのに、歳をとるごとに、ネバネバした唾液になったような気がする。」
こんな経験はありませんか。
これは、加齢による老化現象のひとつです。
人間は、3大唾液腺と呼ばれる耳下腺・顎下腺・舌下腺の3つの唾液腺を備えています。
通常、何もしていない時に出る唾液は安静時唾液と呼ばれ、約70%は顎下腺、約25%は耳下腺、約5%は舌下腺から分泌されています。
粘着性のあるネバネバした唾液は、わずか5%の舌下腺から分泌されているため、正常な状態であればサラサラした唾液が出てきます。
しかし、30歳を境に安静時唾液の量が徐々に減少し始め、それをきっかけにネバネバした唾液が増加します。
その唾液が、歯磨きを行う時にダラダラと流れ出てくるネバネバ唾液の正体です。
この場合の解決方法は、2つ。
1つは、過度にストレスを受けないこと。
舌下腺は、過度なストレスを受けると活発に分泌を行い、ネバネバした唾液を出す原因をつくります。
2つめは、舌下腺のマッサージです。
両手の指を絡ませ、胸の前で組みます。
そのまま、あごの下にもっていき、両手の親指であごの真下から上に向かって、ぐいと押し上げます。
強くする必要はありません。
押したら、心の中で1・2・3と数え、ゆっくり離します。
このセットを1日数回行うだけでも、ネバネバした唾液の解消につながります。
歯磨きにおすすめの歯ブラシ
ネバネバした唾液が気になる時は、歯ブラシを変えてみてはいかがでしょうか。
ネバネバした唾液の正体は、プラークに付着する細菌です。
その細菌を取り除くことができれば、口腔内をすっきりとさせることができます。
おすすめの歯ブラシは、ずばり電動歯ブラシです。
手磨きでは落としにくいプラークは、電動歯ブラシですっきりと落としましょう。
電動歯ブラシのメリットはたくさんありますが、もっとも重要なことは、歯の表面に付着したプラーク、歯と歯茎の間にあるプラークを取り除くことができることです。
また、歯ぐきを知らず知らずのうちにマッサージすることもできるので、歯肉炎の予防にもなります。
電動歯ブラシを使用する際、歯磨き粉の使用で迷う方も少なくありませんが、ネバネバした唾液を解消したい時は使用することをおすすめします。
ちなみに、歯磨き粉は電動歯ブラシ用の歯磨き粉を選びましょう。
手磨き用の歯磨き粉には研磨剤が配合されている場合があり、電動歯ブラシでは歯の表面を傷つけてしまう恐れがありますので、注意しましょう。
電動歯ブラシの選び方ですが、音波歯ブラシ・超音波歯ブラシ・回転歯ブラシの3つタイプがあります。
ネバネバした唾液を解消するには、歯垢と、ネバネバ唾液の菌の連鎖を破壊してくれる超音波歯ブラシがおすすめです。
ネバネバした唾液を減らす方法
ネバネバした唾液を減らすには、唾液の分泌を高めることが、大切です。
唾液の分泌を高めるといえば、ガムです。
喉が渇いた時、水分を摂取したくてもできない時は、ガムを口の中に入れて転がすだけで、唾液が出てきます。
また、小さいころ食事中に「よく噛んで食べさない」と言われませんでしたか?
それは、よく噛んで食べることで唾液量が増加し、虫歯を防ぐことができるからという理由からだったと思いますが、ネバネバした唾液を減少するのにも、これは有効です。
それから、こんなお話があります。
高齢者の歯磨き指導の一環として、電動歯ブラシの使い方を説明している施設が増えていることをご存知でしょうか。
電動歯ブラシを推奨する理由は、力の弱い方でも歯磨きができるということ。
それから、口腔内を電動歯ブラシが刺激することによって、唾液の分泌を活発にして、唾液を出す手助けになるということです。
唾液を出すことによって、ネバネバした唾液が減少し、歯磨きをする時間を嫌がらないようになった高齢者の方が増えているそうです。
ネバネバした唾液は改善できる!
歯磨き時のネバネバした唾液について、ご説明しました。
ネバネバした唾液には様々な原因がありますが、そのまま放置すると、歯周病になるだけでなく、糖尿病等を発症させるリスクも高くなります。
ネバネバした唾液の原因を見つけ、早めのケアを行うことをおすすめします。