歯石を自分で取りたい人必見!スケーラーの正しい使い方とは
虫歯予防 2019.03.16歯石と歯垢は違うもの?歯石について
歯石を自分で取りたいと考えていらっしゃる方は、歯石と歯垢の違いについてはご存知でしょうか。
自分でスケーラーを使用して歯石を取る使い方をご紹介する前に、歯石についてお話ししていきましょう。
まず、歯石というのは、歯に付着した石のようなもののことです。
歯垢(おもに食べかすの蓄積)がたまり、徐々に硬くなることを石灰化と言いますが、石灰化した歯垢が強く結合していくと歯石に変化していきます。
歯石は、そのように歯垢が変化したものであって、歯垢とは別の物質とされています。
そして、歯石の表面には小さな穴がたくさんあり、できてしまった歯石の穴には、新たな歯垢が付着しやすいので、歯垢がたまりやすい人の歯石はどんどん大きくなってしまいます。
その後も歯垢がたまることにより、歯石にある穴には細菌が多く生息することになります。
そのように細菌が増えることにより、私たちの口内や体にトラブルを起こす恐れが出てきます。
それでは、どのようなトラブルの恐れがあるのでしょうか。
歯石がたまるとどうなる?歯石が及ぼす恐れとは
先ほどお話ししたように、歯石がたまっていくと、同時に細菌も増えていくことになります。
その細菌が毒素を発生させることにより、虫歯・歯周病・口臭などのトラブルを引き起こす恐れが出てくるとされています。
さらに悪化すると、口内トラブルだけではなく、糖尿病・心臓病・脳梗塞・肺炎・骨粗しょう症など、体にも及ぼす影響には様々なものがあります。
そのようなことを起こさず、口内や体の健康を守るためにも、歯石ができないように予防することと、できた場合は早めに除去することが大切です。
歯石を予防するためにできることは、次のようなことがあります。
●1日2回以上の歯磨き
特に、前歯の裏側や奥歯など、磨きにくい部分には歯垢がたまりやすいので、念入りに磨くことを意識しましょう。
その際、歯垢除去を目的としている歯磨き粉を使用するとさらに良いでしょう。
●デンタルフロスや歯間ブラシを使う
歯ブラシでの歯磨きに加えて、1日1回を目安としてデンタルフロスや歯間ブラシを使用したケアをすることもおすすめです。
また、殺菌効果の期待できるマウスウォッシュを使用することも良いでしょう。
歯石を予防する方法には、上記のことがありますが、付いてしまった歯石を落とすことはなかなか難しくなります。
歯科医院では、スケーラーを使用して歯石を取り除く処置をしています。
それでは、自分でスケーラーを使用して歯石を取ることは可能なのでしょうか。
スケーラーの使い方は後ほどご紹介しますので、参考になさってください。
歯石は歯ブラシではとれない!?歯石を取るスケーラーとは
先述したように、できてしまった歯石を落とすことは難しいことです。
そこで、歯科医院で行なわれる方法は、「超音波スケーラー」や「ハンドスケーラー」というものを使用する治療法となります。
その名の通り、超音波で振動を与えることにより除去するものと手動のものです。
歯科医院によっては、「マイクロスコープ」で拡大して明るく照らしながら治療を行なう所もあり、そうすることで、スムーズに歯石を除去することができます。
その他、レーザーを使用して歯石を除去する方法もあります。
レーザーを使用した方法では、痛みが少なく、スケーラーでは取れないような歯周ポケットの奥にあるような歯石を取ることも可能になります。
歯科医院によって治療法も変わってきますので、高度な治療を受けたい方は、事前に歯科医院の設備などを調べてから行くことをおすすめします。
いよいよ、次章では、自分で歯石を取りたい方のために、スケーラーの使い方をご紹介します。
自分で歯石を取るためには?スケーラーの正しい使い方
歯科医院では、高度な技術によって歯ブラシでは取れない歯石を除去してくれます。
しかし、「忙しくてなかなか歯科医院に行けないから自分で取りたい」という方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、歯石を取るためのスケーラーの使い方をご紹介します。
①ブラッシングをしておく
ブラッシングをする目的は、歯垢を落としておくだけではなく、歯ぐきが赤く腫れている場合の腫れを抑える目的もあります。
スケーラーを使用した歯石の除去は、歯ぐきの腫れがひいてから行ないましょう。
②スケーラーを消毒する
歯石を取るためのスケーラーは、インターネットなどで購入することができます。
菌が付かないように、まずは、スケーラーを煮沸消毒してきましょう。
③取りやすい部分から始める
取りやすい場所としては、下の前歯の表面がおすすめです。
ポイントは、薬指で持ち手がグラつかないように固定することです。
このようにすることで、スケーラーが滑って歯肉を傷付けづらくできます。
そして、指の屈伸運動だけで、軽くなぞるように引いて歯石を取るようにしましょう。
必ず鏡をしっかり見ながら行ないましょう。
④しっかりすすぐ
歯石の除去が終わったら、水でしっかりと口をすすいで流しましょう。
殺菌作用のある洗口剤を使用するとさらに良いです。
スケーラーのご紹介!歯石の除去を正しい使い方で行なおう
ご家庭で自分で歯石を除去する場合におすすめのスケーラーをご紹介します。
【ホームケア お家で手軽にヤニ取り&歯石とりスケーラー ミラー&歯垢染色タブレットセット】
こちらは、ネットショップの「お口の専門店」にて取り扱いのある商品です。
先端の種類が違う2本のスケーラー付きです。
歯の裏側や取りにくい部分用と歯面を行ないやすい幅広い刃のスケーラーの2本です。
使用する場所に合わせてスケーラーを換えましょう。
また、両側に刃があると、慣れない方はケガをしやすいため、片刃になっています。
付属品として、ミラーもありますので、歯の裏側までチェックできます。
歯垢染色剤のタブレットが1錠付いていますので、まずは、タブレットを口に含み、軽く水ですすぎ、付属のミラーでチェックしながら始めてみましょう。
「初心者でも安心なスケーラー」と謳われていますが、実際に使用する際は、先ほどご紹介したスケーラーの正しい使い方で行なうようにしてみてください。
スケーラーの正しい使い方をしても起こり得るデメリット
スケーラーの使い方をお伝えしましたが、自分で歯石を取る際に起こる恐れのある注意点もあります。
スケーラーを使用する前に、次のようなことも知っておいた方が良いでしょう。
●歯ぐきにダメージを与える
自分で歯石を取ろうとすると、かえって歯石を歯ぐきの中に押し込んでしまう場合も考えられます。
それが原因となり、歯ぐきが下がってしまう・炎症が起き強い痛みが出る恐れもあります。
スケーラーは、先端がとても鋭いので、歯ぐきを傷付けないように細心の注意が必要になります。
●歯石が付きやすい
スケーラーを使用して歯石を除去した後は、歯の表面は細かい歯石が残ってざらつきがあります。
そのため、そのままにしていると、歯石はまたすぐに付いてしまうものです。
歯科医院では、それを防ぐために、歯石を除去した後に専用のクリーニング器で表面を整えています。
●虫歯になる可能性もある
スケーラーは先述したように、先端が鋭いので、エナメル質を傷付けてしまうと、そこから細菌が侵入して虫歯になる恐れもあります。
その他、自分で除去を行なっている際に、汚れと思い込んで虫歯にスケーラーをあててしまうことにより、虫歯を悪化させてしまうという場合もあるとされています。
自分で歯石を取る場合は正しい使い方を守ろう!
スケーラーを使った歯石除去を自分で行ないたい方は、デメリットもあるということがおわかりいただけたでしょうか。
それでも自分で取りたいという方は、ここでご紹介した注意点を守りながら行ないましょう。
もし、やっぱり自分で取るのに自信がないと思った方は、一度、歯科医院で診てもらうことをおすすめします。