舌のひび割れは何が原因!?ひび割れの対処法はあるの?
お口のトラブル 2018.12.01舌のひび割れは炎症や口臭の原因に?
舌のひび割れには、れっきとした病名があり「溝状舌(こうじょうぜつ)」といいます。
ひび割れといわれるように、舌に複数の溝ができる病気です。
溝状舌はほとんどが自覚症状がなく、鏡で自分の舌を見て気づくことが多いです。
その溝は、人によってさまざまであり、軽度の溝から断裂を思わせるほどの深くて大きい溝ができることもあります。
また、この溝状舌は65歳以上の年配や男性に比較的多く見られる病気です。
ひび割れによって、深刻な問題が起こることは少ないですが、舌に溝ができることで、汚れが溜まりやすく不衛生な状態になりやすいです。
それにより、炎症や口臭などが起こりやすいとされています。
溝状舌になってしまった場合は、炎症や口臭を防ぐためにも、口内を清潔に保つ必要があります。
では、この舌のひび割れは一体何が原因なのでしょうか。
次に原因について見ていきましょう。
舌のひび割れの原因は?
舌のひび割れには、主に2つの原因が考えられます。
1つは先天性のもので、遺伝などにによって生まれつきできてしまうケースです。
とくにダウン症候群の方はできる割合が高く、約80%にひび割れが見られるといわれています。
残念ながら先天性の溝状舌の治療法は今のところなく、舌を清潔にするしか対処法はありません。
もう1つに後天性のひび割れがあります。
これは、慢性炎症や外傷、舌の粘膜を作るときに必要なビタミンb12不足が主な原因といわれています。
また、唾液が少なくなるドライマウスによって、ひび割れの症状が出ることもあります。
通常、唾液は私たちの口内を清潔にして潤滑や殺菌作用をしてくれる大切なものです。
しかし、この唾液が減少してしまうと、口内が乾燥状態になるため雑菌が繁殖しやすく、口臭や炎症などの問題も引き起こす可能性も高くなります。
さらに、舌に汚れが溜まることで、軽度の味覚障害になることもあります。
このように、舌のひび割れは炎症や口臭などのトラブルが発生することがありますので、しっかりとケアしていく必要があります。
舌のひび割れのお手入れ方法
先ほどお伝えしたように、舌のひび割れは口臭や炎症を招く原因になります。
そのため、しっかりとケアし、口内を清潔にする必要があります。
舌のケアとしては、舌ブラシを使うのが一般的ですね。
通常の歯ブラシは舌の表面を傷つける恐れがありますので、かならず舌専用のブラシを使ってケアしていきましょう。
また、1日1回を目安に、汚れが溜まりやすい寝起きの朝に行うとよいでしょう。
舌ブラシを使うときは、優しく奥から舌の先に向かうようにブラッシングしていきます。
そのとき、溝の部分を念入りにブラッシングして、溝に溜まった汚れを落としましょう。
ただし、ゴシゴシと強くこするようなやり方ですと、舌を傷つけてしまいますので、あくまでも優しく軽い力で行ってください。
使用後のブラシはよく水で洗い流し、通気性のよい場所で保管をしておきましょう。
濡れたままブラシを保管してしまうと、そこから雑菌が繁殖しやすくなります。
せっかく、舌をケアするためのブラシが雑菌だらけになってしまったら、誰でも使いたくありませんよね。
また、舌のケアは「汚れたらする」ではなく、普段からケアすることで舌の汚れが付着しにくくなりますので定期的にケアしていきましょう。
ドライマウスが原因でひび割れが発生した場合の対処法①
唾液が減ってしまうことで、口内が乾燥するドライマウス。
ドライマウスになると、舌のひび割れが悪化して痛みを伴うこともあります。
では、ドライマウスが原因でひび割れが起こっている場合、どのように対処すればよいのでしょうか。
●マウスピースやマスクなどで乾燥を防ぐ
寝ている間に口呼吸になってしまう方は、マウスピースやマスクなどで口内が乾燥することを防ぎましょう。
●アルコール・カフェイン・ニコチンの摂取を減らす
普段からよくお酒やタバコ、コーヒーなどを好んで摂取している人はこれらの摂取を控えることをおすすめします。
上記の3つには、どれも利尿作用があるため脱水症状を引き起こす可能性があります。
脱水症状は、ドライマウスの原因にもなりますので、摂りすぎには注意しましょう。
●水分を摂取する
60キロの成人男性が1日の中で排出する水分は、尿や便、汗や呼吸など全てを含めおよそ2.5リットルもの水分を排出するといわれています。
つまり、排出してしまうこの2.5リットル分を摂取する必要があるということです。
また、水分を摂るときは、一度に大量の水を飲まず、コップ1杯程度の水を数回に分けて摂りましょう。
ドライマウスが原因でひび割れが発生した場合の対処法②
続いて、ドライマウスが原因でひび割れが発生した場合の対処法をお伝えします。
●よく噛む
よく噛むということは、唾液線が刺激され、ドライマウスの改善に繋がります。
また、普段からあまり噛まずに食事をしている人は、顎の筋肉が衰え唾液が出にくくなるといわれています。
そのため、食事の際はよく噛んで食べるように意識しましょう。
根菜類や玄米などは必然的に噛む回数が増えるので、これらを食事に取り入れるのもおすすめです。
また、噛むことでは、間食にガムもよいですね。
●唾液腺をマッサージする
唾液の分泌を促すためには、マッサージも有効です。
唾液腺は、耳の下と舌の付け根(顎下)、顎のエラから約3センチ内側にあります。
この場所を軽く指で押すだけでも、唾液の分泌を促してくれる作用があります。
暇なときに、このツボをマッサージしてみてください。
舌のひび割れが悪化して痛みを伴う場合の対処法
では、ドライマウスが原因でひび割れが悪化して、舌に痛みが伴うときはどのように対処していけばよいのでしょうか。
もし、痛みが強く食事もままならない、という状態であれば我慢せず医療機関に見てもらうようにしましょう。
医師によっては、消火剤が含まれるうがい薬などを処方してくれることもあるようです。
また、炎症で痛みが出ているときは、歯が舌に当たるだけで痛みを感じることもあります。
この場合は、マウスピースで歯を覆うのもおすすめの対処法です。
炎症が落ち着くまで、しばらくマウスピースを装着して様子をみましょう。
家でできる応急処置としては、口内炎の薬をひび割れ部分に塗るという方法もあります。
口内炎薬が、ひび割れの炎症をガードして、痛みを和らげてくれる効果があります。
舌の痛みに悩んでいる方は、これらの対処法で痛みを和らげていきましょう。
舌のひび割れはお手入れをしっかりと
ひび割れが発生することで、私たちに起こる問題はほとんどないといわれています。
しかし、口臭や炎症の原因にもなりやすいため、常に清潔に保つように心がけましょう。
また、ドライマウスが原因でひび割れを発症している場合は、唾液の分泌を促してあげるよう、水分を摂取したり、よく噛んだりと普段から意識することが大切です。