口腔内が乾くのはドライマウスかも!保湿剤の種類や選び方
お口のトラブル 2019.01.19唾液は口腔内でこんな役割をしている!
唾液は「口腔内の守り神」ともいわれていて、私達の口腔内を常に保護してくれています。
それでは唾液には、主にどんな働きがあるのか見ていきましょう。
1.口腔内の水分となってくれることで、食べ物を飲み込みやすくしてくれます。
2.雑菌の繁殖を抑える働きがあるとしています。
3.食べ物を噛んで、残ったカスや外から入ってきた雑菌を洗い流す「自浄作用」が期待できます。
4.唾液に含まれている消化作用が、食べ物の消化を助けているとされています。
普段生活を送っていて、唾液を意識することはあまりありませんが、1日におおよそ1.5ℓもの唾液が出ているといわれているのです。
唾液の出てくる場所は、耳の下・顎の下・舌の下、それから口の中の粘膜にある小唾液腺からです。
唾液の役割やどこから出てくるのかなどを知ったところで、唾液が少なくなってしまう原因や、口腔内の保湿剤の種類などもお伝えしていきます。
唾液が少ない?その原因は?
前項では唾液がとても大切な役割を果たしていることがわかりましたが、唾液が何らかの原因によって分泌量が少なくなることがあります。
唾液の少なくなるこの状態のことを「ドライマウス」としていますが、どうしてこのような症状があらわれてしまうのでしょうか。
原因を1つずつ見ていきましょう。
・噛む回数が少ない。
唾液は、顎の筋肉を動かして食べ物を噛むと分泌されますが、近年ファストフードが日常化して食事の時間が短縮し、噛む回数が少なくなる傾向にあり、それが唾液の分泌量に影響しているともいわれています。
・加齢によって、唾液線の機能が低下しているため。
・薬や放射線治療によって起こる副作用
・喫煙、飲酒などによって生活習慣が乱れている
・就寝時に口で呼吸をしている
また、これら以外にも原因はありますが、複数の要因が重なって起こることも多くあるといわれています。
しかも、口の渇きを放置したままにしておくと、口臭が強くなったり、口腔内に菌やウイルスが増殖しやすくなったりします。
そうなれば、虫歯や風邪などにもかかりやすくなってしまう可能性も高くなります。
そのため、できるだけ口腔内は常に潤っている状態にする必要があります。
次項からは、口腔内の保湿剤の種類などをお伝えしていきます。
口腔内の保湿剤の種類は?
普段、肌が乾燥しないよう、日常的に保湿剤を使う人もいることでしょう。
保湿剤を肌にぬると、乾燥していた肌がたちまち潤いますね。
それと同じように、口腔内が乾くのを防いだり潤わせたりするために、保湿剤を使うと症状が緩和されるケースもあるのです。
保湿剤は主に3つの種類がありますので、それぞれどのようなものかご説明していきます。
1、スプレータイプ
口腔内にスプレーをするタイプとなっているので、手軽に使用することができます。
また、使い方が簡単なことから、介護シーンでも使用しやすいといえます。
他にも、「夜に口腔内が乾いているけれど、水分補給をしたらトイレが近くなってしまう」という場合にも、ベッドサイドに置いておけば安心ですね。
2、ジェルタイプ
口腔内の粘膜に密着してくれて、保湿している時間が長時間続くとされているのが、ジェルタイプの保湿剤です。
重度のドライマウスの症状の緩和に使用されるケースもあり、医師も勧めることが多いタイプとされています。
3、マウスウォッシュタイプ
口腔内を洗浄しつつ、うるおいも与えてくれるとても便利なタイプです。
普通のマウスウォッシュに比べて、トロっとしているのが特徴です。
それぞれの保湿剤の使い方を種類別に見てみよう!
前項では、どのような保湿剤があるのか、種類やその特徴をお伝えしました。
ここでは、それぞれの保湿剤の一般的な使用方法を見ていきましょう。
1、スプレータイプ
歯磨きやうがいができない時、外出時などに口腔内へ直接スプレーします。
また、コップの中に少量の水を入れ、スプレーを数回プッシュし希釈してマウスウォッシュとして使用する方法もあります。
2、ジェルタイプ
清潔にした指の先にジェルを適量取り、口腔内全体に広げるようにしながら塗布します。
他にも、通常の歯磨き粉と同じように歯ブラシなどに適量取り、ブラッシングする方法もあります。
3、マウスウォッシュタイプ
通常のマウスウォッシュと同じように、口をゆすいで使用します。
それぞれの保湿剤の使用方法はわかりましたが、実際にどんなことを踏まえて保湿剤を選んだらよいのでしょうか。
保湿剤を何種類か併せて使ってみよう!
いくつか種類がある保湿剤を選ぶ上で大切なのは、「使用するシーン」と「乾燥のレベル」にあわせることでしょう。
また、一種類だけでなく、前項でお伝えしたそれぞれの保湿剤の特徴などを踏まえ、複数の種類を上手に併用するのもよいでしょう。
複数の種類の保湿剤の使いわけの例を挙げるとすれば、日中はスプレータイプを使用し、夜寝る前はジェルタイプを口腔内に塗布するといったものです。
また、継続できるものを使用することも大切です。
使用感が自分の好みでなければ、毎日続けることが難しくなります。
味や感触など、好みのものを選ぶとよいでしょう。
これまでお話ししてきたように、保湿剤を使用して口腔内に潤いを与えるのはよい方法といえます。
しかし、咀嚼回数を増やすことを意識してみたり、口呼吸を改善するなど、自分で意識的にドライマウスの改善に向けていくことも必要といえます。
口腔ケアを毎日意識することで、ドライマウスの症状が緩和されるケースもあります。
オススメの口腔内の保湿剤
最後に、スプレータイプ・ジェルタイプ・マウスウォッシュタイプそれぞれの種類の保湿剤で、オススメの製品をご紹介をしていきます。
【スプレータイプ】
●川本産業:マウスピュア 口腔ケア スプレー ほのかな甘味
液体を誤嚥しにくくするために、適度に粘性のあるスプレータイプの保湿剤です。
●アサヒグループ食品(和光堂):オーラルプラス 口腔用スプレー うるおいミスト
口の中に拡散しやすいように、独自のスプレーノズルを採用しています。
味は、レモン・アクアミント・無香料の3種類あります。
【ジェルタイプ】
●ルピナス:スマイルハニー はちみつジェル
はちみつの香りがほんのりと感じられ、レモンのさやかさもプラスされた美味しい味の保湿ジェルです。
●アース製薬:バイオティーン オーラルバランスジェル
保湿力と持続性が高い製品で、キシリトールも配合されているので歯に優しいです。
【マウスウォッシュタイプ】
●ルピナス:キララデンタルリンス ぶどう味
ぶどうのフルーティーな味と香りで、フレーバーの刺激で唾液を出しやすくもしてくれます。
●ティーアンドケー:ペプチサル ジェントル マウスウォッシュ
ノンアルコールで刺激が少なく、口の中を優しく洗浄でき、うるおいをキープしてくれます。
口腔内が乾くと感じたら
ドライマウスは咀嚼回数が少なかったり、口で呼吸していたりなど、些細なことから起こるとされています。
しかし、そのまま放置していたら、虫歯や歯周炎になりやすくなったりなど、他の口腔内のトラブルの元になってしまう可能性も少なくありません。
自分にあう保湿剤を選んで上手に取り入れながら、ドライマウスのケアをしてみてください。