虫歯予防にフッ素の塗布は有効!食事後の歯磨きも大切!
歯磨き粉 2018.10.06フッ素の働きとは?食事の後には口腔ケアを!
まず、フッ素の働きからお話ししていきます。
フッ素は虫歯予防の効果が期待できることは、よく知られるようになってきました。
具体的に、フッ素にはどのような効果があるのかご説明します。
①歯の強化
フッ素が歯に付着すると「フルオロアパタイト」という、安定した結晶の構造を持つようなります。
また、ミュータンス菌(虫歯菌)は、食事をした後の食べかすなどを食べ、それによって「酸」が代謝されます。
フッ素を付着させることで、その「酸」に溶かされにくい、丈夫な歯になるとされています。
②抗菌作用
フッ素自体に抗菌作用があるといわれており、また、ミュータンス菌からできる「酸」を作る工程を阻害する働きもあるとされています。
③再石灰化の促進作用
フッ素は、唾液の中のカルシウム・リン酸を歯に付着させてくれます。
そうなることで、初期の虫歯であれば予防することできるともいわれています。
次に、フッ素を子供に塗布するとよい、といわれている理由についてお話ししていきます。
フッ素を塗布するとよい理由
大人だけでなく、子供にもフッ素を塗布することはよいとされているのには、どんな理由が挙げられるのでしょうか。
それは、乳歯や、完全に生え終わるまでの永久歯は柔らかいためです。
歯の質が柔らかいと、食事の後などにミュータンス菌が食べかすなどをエサにして「酸」を作り出し、それによって柔らかい歯はあっという間に溶かされ、虫歯になってしまいます。
そのため、乳歯の生えかけ・永久歯が完全に生えきるまでの期間は、フッ素を塗布して強い歯を作るとよいとされているのです。
また、年を重ねるにつれて、歯茎は衰えやすく、歯の根元が見えてしまうこともあります。
その場合にもフッ素でのケアは有効とされており、むき出しになった歯の根元を強くし、虫歯になりにくく歯の質を強いものに変えてくれます。
フッ素の塗布はどうやるの?
乳歯や永久歯にフッ素を塗布することが、虫歯を作りにくくすることに繋がるということがお解り頂けたでしょう。
それでは、歯医者でどのようにしてフッ素が塗布されるのでしょうか。
歯科でおこなわれる基本的なフッ素の塗布の方法をお伝えします。
【フッ素の塗布方法】
1、歯面が汚れているとフッ素の吸収がされにくいため、歯垢などが付いている場合は、歯を綺麗に清掃してからおこないます。
2、歯が綺麗になったら、フッ素を塗布する専用ブラシを使って、ジェル状のフッ素を歯面全体に延ばすように塗布していきます。
3、口の中に溜まった唾液を吐き出して、終了です。
所要時間は大体10分程度で終わります。
また、味は、青りんごのような酸っぱい味なので、嫌がる子供も少ないとされています。
ちなみに、大人のフッ素塗布の方法は、スポンジでできたフッ素専用のマウストレーを使用し、3分程度保持しておこないます。
食事の後の歯磨きも大切ですが、歯医者で定期的にフッ素を塗布してもらうことも虫歯予防として、効果が期待できるでしょう。
食事やうがいに注意!フッ素の塗布の際に気を付けること
歯医者でフッ素を塗布してもらう際に気を付けることがあります。
それは、食事やうがいを30分程度は控えるということです。
その理由は、フッ素を塗布すると歯の表面で化学反応が起こります。
その際に「フッ化カルシウム」というものができ、この物質が歯のエナメル質とゆっくり反応し、歯の質を強くしてくれます。
しかし、フッ素を塗布した後に、食事やうがいをしてしまうことによって、この物質が歯の表面から流れてしまいます。
そうなれば、フッ素を塗布したことで得られるはずの虫歯予防の効果が、最大限に得られなくなってしまいます。
しかし、誤って食事やうがいをしてしまったとしても、完全に効果がなくなってしまうわけではありません。
また本来、フッ素の塗布は保険適応外とされていますが、13歳未満で、虫歯予防の指導を定期的に受けているのにもかかわらず、虫歯がたくさんある子供に関しては、保険を適応させることができます。
保険が適用される年齢別の虫歯本数は、次の通りです。
・0~4歳で乳歯が1本以上虫歯
・5~7歳で乳歯が3本以上、永久歯が1本以上虫歯
・8~10歳で永久歯が2本以上
・11歳~12歳で永久歯が3本以上
このような場合に限られます。
フッ素中毒を引き起こすとされるフッ素の摂取量は?
基本的に、フッ素の配合された製品を正しい方法で使用していれば、体に影響することはありません。
しかし、多量に摂取してしまえば、中毒症状を引き起こす可能性はもちろんあります。
一般的にフッ素の中毒症状が現れるとされている摂取量は、体重が10㎏の子供に対し20mgとなっています。
海外であればフッ素の錠剤がありますが、日本にはありません。
ちなみに、日本のフッ素塗布に使われる薬剤の場合、1本飲んでも達することができない量といわれています。
それでは、フッ素の中毒症状とは、どんな症状なのでしょうか。
【フッ素の中毒症状】
・腹痛
・下痢
・痙攣
このような症状が挙げられます。
食事の後の歯磨きや歯医者でのフッ素塗布など、正しくフッ素配合の製品を使用していれば中毒症状は出ないといえます。
しかし、生後数か月の乳児が誤飲してしまえば、中毒症状があらわれる可能性も十分にあり得ます。
子供の手の届かない場所に、歯磨き粉を保管するようにしましょう。
食事の後の歯磨きはフッ素配合の歯磨き粉を使おう!
これまでの内容からすると、フッ素を正しく取り入れれば、安全に虫歯予防に役立てられるとご理解頂けるでしょう。
フッ素を歯医者で定期的に塗布することも大切ですが、食事の後はしっかりと歯磨きをおこない、日頃から歯を清潔にすることが最も重要です。
そこで、乳児・幼児別に、オススメのフッ素配合の歯磨き粉をご紹介します。
【乳児にオススメの歯磨き粉】
●ピジョン:親子で乳歯ケア ジェル状歯磨き
歯が生え始めの子供にピッタリの歯磨き粉で、歯磨き後のうがいが要らないタイプです。
味も、キシリトール・イチゴ・ブドウの3つあり、月齢の低い子供でも美味しく歯を強くできると人気です。
●ライオン:クリニカKid’s ジェルハミガキ
大人の歯磨き粉でも人気の高い「クリニカ」シリーズの、子供用のジェル歯磨き粉です。
ジェルのテクスチャーが柔らかいので、スッと口の中で広がり、含まれているフッ素がいきわたりやすくなっています。
【幼児にオススメの歯磨き粉】
●花王:クリアクリーンキッズ
クリアクリーンシリーズの代名詞ともいえる「ソフト顆粒」がしっかりと入っています。
このソフト顆粒は、歯の隙間でくだけつつ、しっかりと歯垢を押し出してくれ、きちんと汚れを落としてくれます。
●ライオン:チェックアップこども
歯医者で販売していることが多い歯磨き粉で、ドラッグストアで見つけることは難しいかもしれませんが、大手通販サイトなどでは取り扱いがあるので、そちらで購入することもできます。
低発砲で刺激も少ないので、乳児用歯磨き粉から切り替える際の歯磨き粉としてもオススメです。
フッ素は虫歯予防に有効
フッ素をただ塗布していれば、虫歯予防になるわけではありません。
日頃から細部まで歯磨きをし、歯垢を取り除いてあげることが大切です。
また、長時間にわたって食べ物を口にしているのも、虫歯を作る原因になります。
食べた後は歯を磨く習慣を付けて、乳歯から永久歯まで健康に保ちましょう。