歯磨き粉で有名なクリニカ!含まれている研磨剤の懸念とは?
歯磨き粉 2018.08.29研磨剤はクリニカ以外の歯磨き粉にも!その成分について
私達が習慣的な歯磨きをする上で、ほとんどの方が歯磨き粉を使っています。
クリニカは勿論、現在流通している歯磨き粉の大半には、「研磨剤」が含まれています。
歯磨き粉の成分表を見てみると、「研磨剤」としての記載はなく、「清掃剤」と明記されていることが多いです。
例えば、クリニカの成分表では、清掃剤として「無水ケイ酸」という成分が記載されており、その成分が研磨剤として配合されています。
また、クリニカ以外の歯磨き粉にも、以下の成分が研磨剤として含まれています。
・無水ケイ酸
・重質炭酸カルシウム
・リン酸水素カルシウム
・リン酸水素ナトリウム
・炭酸カルシウム
これらの成分の違いは、研磨剤としての研磨力にあります。
例えば、無水ケイ酸は研磨力が強く、その一方で、炭酸カルシウムは研磨力が弱めになっています。
ただ、冒頭でも述べたように、近年では研磨剤の歯に対する影響を懸念する声も少なくなく、研磨剤が入っていない歯磨き粉も販売されています。
では、研磨剤の役割とは何でしょうか?
研磨剤のメリット・デメリットについて、次項で詳しく見ていきましょう。
歯磨き粉クリニカに含まれている研磨剤!メリット・デメリット
研磨剤には、歯の表面を滑らかにすることで、歯ブラシだけでは落としきれない、歯のエナメル質(表面)に付着した着色汚れを除去する効果があります。
前述したように、クリニカを始めとする歯磨き粉のほとんどには、この研磨剤が含まれています。
では、研磨剤のメリット・デメリットについて以下にまとめます。
【メリット】
・歯のエナメル質の着色を落とす
・タバコのヤニ、コーヒーなどのステイン汚れも落とす
【デメリット】
・歯のエナメル質を傷つける場合がある
歯の着色汚れには、タバコのヤニやコーヒーの着色などがあり、いわゆる「ステイン」と呼ばれています。
研磨剤には、それらの頑固なステイン汚れを落とす、強力な研磨力があるため、ホワイトニング効果も期待ができます。
しかしながら、その強力な研磨力が、返って歯のエナメル質を少なからず傷つける恐れもあります。
それについて、次項で詳しく見ていきましょう。
歯磨き粉クリニカの研磨剤でエナメル質に傷がつく?
研磨剤には、歯のステイン汚れを落とす効果があることが分かりましたが、それと同時に、場合によってはエナメル質を傷つけることもあります。
では、歯のエナメル質が傷ついてしまうと、どのようなことが起きるのでしょうか?
それを知るために、まずは、歯の3つの構造について見てみましょう。
・エナメル質:歯の表面を覆っており、体の中で一番硬い組織
・象牙質:エナメル質の内部にあり、エナメル質より柔らかい
・歯髄神経:象牙質の中にある、神経や血管が通る部位
エナメル質は、歯の表面を覆っている硬い組織ですが、その内部には「象牙質」があります。
「象牙質」の中には、歯髄神経が通っているため、仮にエナメル質が磨耗してしまうと、神経に刺激が伝わりやすくなる「知覚過敏」を起こす可能性があるのです、
ただし、上記にあるように、エナメル質は体の中で最も硬い組織であるため、普通の歯磨きをしている分には簡単に傷つくことはありません。
つまり、通常の力で歯を磨く上では、クリニカなどの歯磨き粉を使っても問題がないと言えます。
例えば、習慣的に電動歯ブラシを使ったり、強い力でゴシゴシと歯磨きをしてしまうと、研磨剤と力によってエナメル質は磨耗される場合があるので、注意が必要です。
研磨剤が無配合の歯磨き粉とは?知覚過敏への対策に
先に述べたように、クリニカなどの研磨剤が含まれた歯磨き粉は、知覚過敏の懸念があることをお話ししました。
エナメル質の磨耗だけではなく、知覚過敏や歯周病である場合、研磨剤が入った歯磨き粉は、歯や歯肉に対して刺激が強すぎることがあります。
そのため、近年では、研磨剤が含まれていない歯磨き粉も登場しています。
例えば、ウエルテックが販売している「コンクールジェルコートF」は、研磨剤が含まれていない歯磨き粉で、歯を傷つける心配がありません。
高濃度フッ素も配合されているため、歯磨き粉は勿論、洗口剤としても活躍しています。
また、コンクールジェルコートFは、多くの歯科医院でもおすすめされており、実際に、歯科クリーニングの一環として使用している歯医者もあります。
しかしながら、研磨剤が無配合の場合、少なからずデメリットも出てきます。
それについて、次項で詳しく見ていきましょう。
研磨剤がないデメリットとは?研磨力のない歯磨き粉について
前述したように、研磨剤が含まれていない歯磨き粉は、歯や歯肉に対するダメージの心配はありません。
しかしながら、研磨力がないために、歯のステイン汚れを落とす効果がどうしても弱くなっています。
そのため、落としきれない汚れによって、歯の黄ばみなどの着色が生じることがあります。
また、前項でご紹介した「コンクールジェルコートF」には、「塩酸クロルヘキシジン」という歯の着色を誘発する性質を持っているために、更に歯の着色の懸念があります。
もし、歯のステイン汚れが気になる方は、クリニカなどの研磨剤が入っている歯磨き粉を使うのが良いでしょう。
また、仮に歯の着色が生じてしまった場合は、歯科医院で歯面クリーニングを受けることも検討してみてください。
歯の健康維持のために!正しい歯磨き方法
研磨剤の有無を決めるのは、自分の歯の健康状態を管理する上では大切なことです。
また、それ以上に、普段の歯磨きのやり方が非常に重要です。
では、推奨されている歯磨きについて、4つポイントをご紹介していきましょう。
①歯磨き粉の量は、ブラシの3分の1程度
歯磨き粉のつけすぎは、歯のエナメル質を傷つける恐れがあります。
②力を入れすぎないように磨く
日常的にゴシゴシと強く磨いてしまうと、エナメル質が磨耗されてしまいます。
毛先がしなるくらいの、適度な力加減で歯を磨きましょう。
③歯磨き時間は3分
歯科医院で推奨されている歯磨き時間は3分です。
長い時間、ゴシゴシと歯を磨いてしまうと、エナメル質にも負担になります。
だらだら歯を磨かずに、1本1本丁寧に歯を磨くことが大切です。
④スクラビング法の歯磨き
「スクラビング法」とは、歯ブラシを歯に垂直に当て、横に小刻みに磨いていく方法で、歯科医院の歯磨き指導でも推奨されています。
特に、知覚過敏や歯周病の方には、このスクラビング法がおすすめされています。
以上が、歯の健康を維持するために、おすすめされている歯磨き方法です。
研磨剤入りのクリニカであってもなくても、上記の歯磨き方法は、日頃から心がけていくことが大切です。
歯磨き粉を見直してみよう
歯磨き粉の研磨剤には、歯の頑固なステイン汚れを落とす一方で、エナメル質を傷つけてしまう恐れがあることが分かりました。
特に、普段から強い力でゴシゴシと磨いている方は、エナメル質の磨耗に注意が必要です。
研磨剤が無配合の歯磨き粉も販売されているため、自分の歯の健康状態に合わせながら、歯磨き粉を見直してみるのはいかがでしょうか。