汗と服の意外な関係とは?汗臭い原因は服にあった?
汗 2019.08.26汗にはこんな種類が?臭いだけが汗じゃない!
皆さんは汗についてどれぐらい知っていますか。
「汗なんて暑い時に出て、臭いだけの厄介者だ」
「服が濡れて気持ち悪いヤツ」
そんな風に思っていませんか。
ここでは、汗の役割と種類についてご紹介していきます。
まず汗の役割についてです。
汗の役割は主に体温の調節です。
汗を分泌することで、皮膚から蒸散する際の気化熱を使い体温を一定に保ちます。
また、皮膚の表面で皮脂と合わさることで、皮脂膜を作り皮膚を守っています。
汗の種類は3つあります。
一つ目に、温熱性発汗があります。
これは、体が熱くなった時に、体温の上昇を防ぐために出る汗です。
次に精神性発汗です。
これは緊張している時や、動揺などで精神的負担がかかった状況で出る汗です。
学校や仕事場でプレゼンを行う前など、嫌な汗をかいたことはありませんか?
その時の汗は精神性発汗によるものだったのかもしれません。
最後に味覚性発汗です。
これは、辛い物、レモンなどの酸っぱい食べ物を食べた時に出る汗です。
汗の役割は知っている方もいたと思います。
しかし、汗に種類があったのはご存じでしたか。
このように、汗は多くの場面で分泌されていることがわかりましたね。
服が臭う!その原因は汗にあった?!
先ほど汗には種類があることをお伝えしました。
しかし、汗腺の種類によっても汗に違いがあります。
まず汗腺とは何かですが、汗腺は汗を分泌する腺で、2種類存在します。
一つ目に挙げるのはエクリン汗腺です。
エクリン汗腺はほぼ全身に存在する汗腺で、体温調節や腎臓の機能を助けたり、皮膚の乾燥を防ぐはたらきがあります。
エクリン汗腺から分泌される汗の99%が水分で、ほとんど臭いはありません。
残りの1%は塩分やミネラル、アミノ酸なども少し混ざっています。
次にアポクリン汗腺です。
アポクリン汗腺は思春期以降にはたらく汗腺で、わきの下や肛門の周りなど、特定の場所にしか存在しません。
アポクリン汗腺からの汗には粘度があり、白濁しています。
この汗にはタンパク質やアンモニア、糖、鉄分が含まれており、臭いの原因となります。
元々、アポクリン汗腺から汗のニオイは性的に異性を惹きよせるなど、動物におけるフェロモンに似たはたらきがあったと考えられています。
男性の体臭は女性の方が感じ取りやすくなっているそうです。
粘度がある汗が服につくとなれば、密着感が気持ち悪いですよね。
しかし、この汗にも役割が存在していたのです。
このように、汗腺によっても汗の種類が存在しています。
体から汗のような臭い発生!?その原因は服にもあった
これまでに汗の種類をご紹介してきました。
ここでは、なぜ汗臭くなってしまうのか、その原因について考えていきましょう。
一つ目に細菌の増殖、繁殖があります。
汗に含まれているミネラルやアミノ酸などの成分が、細菌の増殖に使われます。
そして細菌が増殖することで、嫌な臭いを放つ原因になります。
アポクリン汗腺は元々湿りやすい場所に存在するので、細菌の増殖には適した環境なのです。
次に汗腺機能の低下があります。
汗腺は汗をろ過する機能があり、皮膚表面にでるまでの間にミネラルなどの成分を体の内側に再吸収する機能があります。
しかし、ろ過機能が飽和すると再吸収できなかったミネラルが汗として出てしまいます。
これにより細菌の増殖を手助けしてしまうことになり、臭い発生となるのです。
三つ目に、服自体に原因があります。
洗濯したのに、服が臭いといった経験はありませんか。
それは服を洗濯しても汗や皮脂が落としきれていないことで、細菌の増殖を招いているのです。
このように、一口に汗臭いと言っても様々な原因があるのです。
服だけじゃない!食生活にも要注意
服はしっかり洗っているのに汗臭くなってしまう。
汗対策はしているのに臭う。
このような悩みがある方は少なくないと思います。
そのような方は、一度食生活を見直してみるとよいかもしれません。
実は汗臭さには、食べ物も原因となることがあるのです。
臭いの原因となってしまう食べ物には、脂っこい物、肉類、アルコールが挙げられます。
さらに糖質の不足なども原因とされています。
まず、好物という方もいるであろう脂っこい物、肉類に注目してみましょう。
脂っこい物に含まれる脂質は、体の中で酸化されやすいです。
脂質が酸化した過酸化脂質は、加齢臭発生を招くと言われています。
肉類にはタンパク質が多く含まれており、タンパク質を分解する過程でアンモニアを産生します。
それが汗の臭いの原因となるのです。
次にアルコールです。
アルコールは肝臓でアセトアルデヒドに分解されます。
毒素であるアセトアルデヒドは、身体から生臭さを発生させかねません。
最後に糖質制限ですが、痩せようとして糖質をあまりとらないようにしている人に多い現象です。
糖質をあまり摂らずにいると、エネルギーを脂肪に頼るようになり、脂肪を分解する際に生じるケトン体が臭いの原因となってしまうのです。
以上の中で、自分の食生活にあてはまるものはありましたか。
少しでも当てはまるものがあったなら、意識して少しずつ改善を図ってみましょう。
その臭い実はまずい!何らかのサインかも
汗は本来あまり臭いません。
しかし、「服についた汗の臭いが気になる」「運動した後の臭いが気になる」など、汗臭いと感じてしまう人は少なくないと思います。
実は、汗臭いことは何らかのサインである場合も考えられるのです。
ここでは身体と汗臭さの関係についてご紹介していきます。
汗が甘酸っぱいような臭いの人は、糖尿病の可能性があります。
インスリンというホルモンが正しく機能していないため、糖をエネルギーに変換できません。
したがって、脂肪を分解する際にケトン体を発生させます。
先ほども出てきましたが、ケトン体からは甘酸っぱい臭いがします。
その臭いが汗に混ざって出てきてしまうのです。
次に、鼻を突くようなアンモニア臭がする場合、肝臓のはたらきが低下している可能性があります。
肝臓でタンパク質が分解される際にアンモニアが生じますが、肝臓はこれを無害な尿素に変換します。
しかし肝臓が弱っていると、この機能がはたらかなくなりアンモニアが体内に残ります。
それが血液中から汗となり、汗からアンモニア臭がするようになるのです。
次に、腐敗臭がする人は腎臓や腸の機能が落ちている可能性があります。
胃や腸などの機能が落ちると、消化機能も低下します。
消化しきれなかった食物は、腸内で腐り臭いを発生させます。
この臭いが汗からでることで、体臭に表れるのです。
最後に、加齢臭は生活習慣病の可能性があります。
加齢臭の原因はノネナールという物質が体内で生成されることで起こります。
ノネナールは脂質などからできています。
脂質の中でもLDLコレステロールが酸化されることで血管内に蓄積され、動脈硬化などを引き起こしかねないのです。
このように、汗臭さが何らかのサインを示している場合もあります。
少しでも気になるものがあったら、医療機関に受診しましょう。
汗臭さにはこれだ!4つの臭い対策
これまでに、身体から汗臭さが生じる原因を見てきました。
ここではその臭いについての対策を4つご紹介していきます。
一つ目に、汗をかいたらこまめにタオルで拭くことです。
細菌が汗を分解し、臭いを発生させるのに1時間かかると言われています。
こまめに拭くことでこれを防げます。
二つ目に抗酸化成分を含むものを食べることです。
トマトやほうれん草やニンジンは抗酸化成分を多く含み、脂質の酸化を和らげることで臭いを抑えてくれます。
三つ目に服についた汗をしっかり洗い流すことです。
服についた汗や皮脂を取るには、洗剤を弱アルカリ性の洗剤に変えてみる方法があります。
皮脂などが酸性なので、弱アルカリの洗剤を使用し中和させることで、これらの成分が落としやすくなります。
最後に酸素系漂白剤で浸け置きすることです。
漂白剤には塩素系と酸素系がありますが、酸素系漂白剤で30分から60分浸けることで、衣類の繊維から皮脂を溶出することができるのです。
このように、汗の臭いには様々な対策がとれます。
汗の臭いで悩んでいる方は試してみてはいかがでしょうか。
汗臭さの原因は様々!原因を見つけて対策しよう!
様々な汗の種類、汗臭さの原因やその対策についてご紹介させていただきました。
思っているよりも、汗臭さの原因が多かったのではないでしょうか。
原因は一つではないかもしれませんので、自身の原因を見つけ、対策をすることで、汗の問題は改善できるでしょう。
自分に合った対策で、汗の臭いに困らないような生活を送りましょう!