奥歯や親知らずを抜いたら歯茎に穴!もしやドライソケット?

お口のトラブル 2018.12.15

親知らずの抜歯をした後は、ぽっかり歯茎に穴があくため「ちゃんと塞がるのかな?」と不安に感じる人もいるかもしれません。

また、痛みを生じると、「この痛みはいつまで続くのだろう」と考える人もいることでしょう。

そこで今回は、親知らずや奥歯、その他の歯を抜歯した後になりやすいドライソケットのお話と、その対策などをお伝えしていきます。

親知らずや奥歯などを抜いた後に起こる痛みの原因

親知らずは他の奥歯などと違い、大体20歳前後に生えてくることがあり、人によっては1本も生えてこない人や、4本ではなく3本や2本など所々生えている人もいます。

しかし、歯ブラシがいき届きにくいことや、曲がって生えていて生活に支障をきたしていれば抜歯が必要という場合もあります。

しかし、親知らずの抜歯のイメージは「怖い」「痛い」などで、親知らずの抜歯を躊躇する人もいるかもしれません。

それでも、食生活を送る上でしっかり食べ物を噛むことができないとなると、嚙み合わせの不調だけではなく、消化に影響がでたり、唾液の分泌が少ないことで、口内のトラブルになりかねないとされています。

しっかり食べ物を噛むためにも、噛むのを阻害していたり、生活に支障をきたしている親知らずは「抜いた方がよい」と判断する歯科医師もいます。

しかし、一概には必ず抜歯する方がよいとは言い切れず、親知らずの扱い方は歯科医師によっても様々です。

親知らずをいざ抜歯をした後、大体2~3日位の間は、人によってかなり顔が腫れてしまうケースもあります。

しかし、この腫れは血行をよくし炎症反応を起こすことで治癒させるために必要な反応のため、冷やすと逆効果ともいわれています。

また一方では、冷やすことで痛みや腫れが落ち着くという考えもあるので、抜歯をしてもらった歯科医師の指示に従うようにしましょう。

麻酔が効いている2時間程度の時間は、ただ単に奥の方の歯茎に穴が開いているだけで痛みは感じない人が多いですが、麻酔が切れた後は、徐々に痛みが現れることもあります。

その場合、痛み止めなどでコントロールをすることもあります。

奥歯など大臼歯を抜いた後の穴が激痛?ドライソケットとは

理由があって歯を抜歯し、その後数日間経過しても痛みが全く引かないということが稀にあります。

むしろ、「歯を抜いてもらった時よりもだんだん痛くなっている気がする…」そのような症状があるのであれば、それは「ドライソケット」の可能性も疑うべきだといえます。

ドライソケットとは、抜歯をした後にできた歯茎の穴がなかなか塞がらず、顎の骨が露出してしまっている状態のことをいいます。

本来であれば、抜歯をした後にできる「血餅」という血の塊が穴を覆って、その上を伸びてきた皮膚が覆うことで穴は塞がるとされています。

しかし、様々なことが引き金となり、穴が塞がらずぽっかりとあいたままになっていて、そこに食べ物のカスや汚れなどが穴に入り込み、痛みを引き起こすと考えられています。

また、ドライソケットは、親知らずや奥歯などを抜歯した後によく起き、100人に4人程度にみられる症状とされています。

ドライソケットになっている可能性のある症状

親知らずを抜いたにも関わらず、ずっと痛みを生じているなら、ドライソケットをまずは疑ってみましょう。

ここでは、ドライソケットで生じる症状をお伝えしていきます。

【ドライソケットの症状】

・親知らずや奥歯などの大臼歯を抜いた後よりも、2~3日経過してからの方が痛みが増した。

・親知らずや奥歯などの大臼歯を抜いた後、一週間経過したが痛みが引くことはなく、むしろ増している。

・特に飲食をしていないのにも関わらず、ズキズキと抜いた部分に痛みを感じる。

・飲んだり食べたり、風が当たったりなど、些細な刺激ですら加わるととても痛い。

・傷口である歯茎の穴が、赤黒い色をしておらず、白っぽい色をしている。

以上のことに当てはまるのであれば、ドライソケットかもしれません。

しかしなぜ、ドライソケットになってしまうのでしょうか。

その原因を次項でご説明します。

穴のあいた歯茎の中で固まった血は大切!

それでは、ドライソケットになってしまう原因をご説明していきます。

大きな原因として挙げられるのが「血餅が作られない」ためです。

抜歯をした後は、親知らずや奥歯などどの場所の歯でも、ガーゼなどを噛むのが一般的とされていますが、この意味は、止血と同時に血餅を作ることができるとされているためです。

しかし、何度もうがいや口をゆすぐようなことをしてしまったりすると、せっかく作られ始めた血餅も剥がされて、一緒に流れ出てしまうことがあります。

他にも、抜歯した部分に触ったりすることも原因とされています。

抜歯した直後の歯茎は、ぽっかりと穴があいています。

「今どんな状態になっているんだろう」と、気になって舌や指で触ってしまいたくなります。

そのような刺激が加われば、血餅をはがしてしまうことに繋がります。

一度血餅が剥がれると、再び血餅ができるまで更に時間が掛かるケースもあるので注意が必要です。

歯茎が再び出血の恐れも!喫煙・飲酒も注意!

血行を促進してしまうこともまた、ドライソケットの症状を招く恐れがあるとされています。

お酒や運動、長時間の入浴は体内の血の巡りをよくし、血を止めにくくしてしまう可能性があります。

また、飲物を飲むという行動は、奥歯近辺にある穴に圧力をかけてしまう恐れもあり、それによって血餅が剥がれてしまうこともあります。

一方で、タバコは逆に血の巡りを悪くしてしまう傾向にあります。

血の巡りが悪くなると、そもそも血餅を作るために必要な血液が出にくくなることで、血餅が作られにくくなりドライソケットを招きやすくなります。

血の巡りがよすぎても悪すぎても、どちらにせよ抜歯をした後の歯茎にはよくないといえるでしょう。

血餅ができたら、極力刺激しないで安静にしておくことが大切だといえます。

奥歯近辺の歯茎が激痛?!ドライソケットにできる対応は?

しかし、前項のことに気を付けていたとしても、ドライソケットになってしまう可能性はゼロとはいい切れません。

抜歯をした後、2日、3日と経過するにつれて痛みが増してきて、「ドライソケットかもしれない」と感じた時、どうしたらよいのでしょうか。

ドライソケットになってしまった時の対処方法をお伝えします。

●処方された痛み止めを服用しよう

抜歯をした際、大体の歯科医師は痛み止めを処方することが多いです。

処方されている痛み止めを飲んで、薬の力を頼るのも1つの方法といえるでしょう。

●体を休めよう

ドライソケットだけでなく、歯茎などの状態と体調は密接な関係にあるとされており、親知らずや奥歯などの抜歯をした際は、体や心に大きな負担が掛かっていると考えられています。

そのため、抜歯をする際は体の調子がいいタイミングでしてもらったり、しっかり休養の取れるタイミングを見計らって計画することも大切といえます。

他にも喫煙者であれば、普段よりもタバコを控えるようにしましょう。

また、歯科での治療であれば、再び血餅を作るために穴のあいた歯茎に傷を付けたり、塗り薬で経過を観察するなど、歯科医師によっても様々です。

まずは、ドライソケットが疑われる場合は、歯科医師に相談するようにして、適切な処置を受けるようにしましょう。

なるべくなら防ぎたいドライソケット

親知らずがあることで生活に支障をきたしているから抜歯をしたとしても、その後にトラブルがあるかもしれないと考えると怖いですね。

しかし、抜歯の後にうがいをし過ぎないことや、飲酒・喫煙なども控えると、ドライソケットの症状を起こさずに済むかもしれません。

ドライソケットになってしまったとしても、慌てずに歯科医師に相談し、状態に合った治療をしてもらうことが大切です。

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