口腔内に血豆が突然できた!これって何?潰してもいいの?
お口のトラブル 2018.12.03血豆とはどんな状態か?
そもそも血豆とはどんな状態のことを表すのかをお話ししていきます。
血豆は、皮膚もしくは粘膜の下にある毛細血管が切れ、血が皮下に流れ込んだ状態です。
つまり、皮膚の外に血は出ておらず、内出血で止まっている状態で、血豆を覆っている皮膚に針を刺したり傷を付ければ、血は表に流れていきます。
この血豆ができる主な原因として考えられるのが、色々な衝撃や外傷によるものが殆どといわれています。
例えば、ドアなどに手を挟む・靴ずれ・何かにぶつかったなどが挙げられるでしょう。
こういった些細なことで、簡単に血豆はできてしまいます。
しかし、突然口腔内にできる血豆とは、いったい何が原因なのでしょうか。
血豆についてある程度わかったところで、次は口腔内の血豆についてお話ししていきます。
口腔内に血豆が突然できるのは噛んでしまったから?
口腔内に血豆ができてしまう原因は、その他の体に血豆ができる原因と同じで、衝撃や外傷などが原因とされています。
口腔内に与える衝撃として一番ありがちなのは、「口腔内を噛んでしまう」ことが挙げられるでしょう。
歯は、時に数百キログラムもの力を発揮することがあるともいわれています。
その力で頬の内側や舌などを噛んでしまったら、血豆ができるのは当然だといえるでしょう。
また、歯で噛んでしまう以外にも「歯ぎしり」が原因となって、血豆ができている可能性もあります。
起床時に「突然血豆ができている」という経験のある人もいるかもしれません。
就寝時は、口腔内を噛んでしまったことに気が付きにくい上に、歯ぎしりをしていることにも気が付かないことが多い傾向にあります。
もしも、家族などに「歯ぎしりをしている」といわれたら、歯ぎしり対策に使用するマウスピースの活用を検討してみましょう。
親知らずで頬の内側に傷が付く?!
前章で挙げた原因の他にも、親知らずが原因となって、頬の内側をはじめ、口腔内に血豆を作ってしまっている可能性も考えられます。
親知らずは、人によって生えない場合もありますが、大体18歳から生えるとされており、遅い人で40歳くらいに突然生えてくるケースもあります。
生えるタイミングと同様に、生え方や歯並びも人それぞれで、真っすぐに生えてきたり、斜めに生えてしまったり、時には歯肉に埋まったままで、レントゲンなどを使えば確認することができるという場合もあります。
親知らずが生えてくると、頬に歯が当たることがあり、それが血豆を作る衝撃になっています。
そのため、生えてくる方向があまりよくない場合、歯科では抜歯を勧めることが多いとされています。
もしも親知らずが頬に当たって違和感を感じていたり、血豆ができてしまうなどの問題があれば、一度歯科医師に相談してみるとよいでしょう。
口腔内に血豆が突然できるその他の原因
口腔内に血豆ができる原因は、このようなことも挙げられます。
・食べ物によって血豆ができる
食べ物を食べているだけで、特に口腔内を噛んでしまったわけでもないのに「血豆ができていた」というような経験はありませんか。
その原因は、「食べた食べ物によって口腔内に傷を作ってしまった」という可能性が考えられます。
主に、おせんべい・揚げ物などの衣・ポテトチップス・春巻きなど歯ごたえのあり、尖った部分があるような食べ物です。
これらの食べ物の尖った部分で口腔内に衝撃をくわえてしまい、血豆となってしまうことがあります。
「突然血豆ができた」と考える人もいるようですが、尖った部分が刺さっても、人によっては気が付かないことも多いとされています。
・ビタミン不足
野菜や果物などに多く含まれているビタミンB2やビタミンCが不足していると、血豆はもちろん、口内炎もできやすくなるといわれています。
・嚙み合わせがよくない
嚙み合わせがよくないと、頬の内側を噛んでしまう頻度が高くなり、血豆ができてしまう可能性も高くなるとされています。
嚙み合わせが気になるようであれば、歯科医師に相談してみるとよいでしょう。
突然血豆ができたけど潰しても大丈夫?
それでは、口腔内に血豆ができてしまった場合、どうしたらよいのでしょうか。
血豆ができてしまった時の対処の方法をお伝えしていきます。
まず、大前提としていえることが、潰さないことです。
血豆の大きさがあまりに大きいサイズであれば、口腔内に違和感を感じることも多いので、いじりたくなったり潰してしまいたくなりますね。
血豆を潰す方法としては、針を刺したり、指や舌でつついてなどが挙げられるでしょう。
しかし、やぶれた部分から細菌が入ってしまう可能性も少なくありません。
基本的に血豆は放置しておけば、2日から3日で体内へ吸収され、いつの間にか治っているケースが多いとされています。
そのため、潰さないでそのままにしておくようにしましょう。
もしも、食事などをしていて突然血豆が潰れてしまった場合は、口の中をすすいで、血豆になっていた部分に血が残らないようにし、もう一度口をすすぎましょう。
口の中を極力清潔に保ち、他の口腔内のトラブルを作らないようにすることが大切といえます。
また、噛んでしまったことで血豆ができた場合は、少し冷えた水を口の中に含み、ぬるくなったら吐き出すということを繰り返しましょう。
この工程を行うことで、炎症が鎮まるといわれています。
口腔内を含め粘膜や皮膚の健康によいとされる食材
口腔内に血豆が突然できて、正しい対処をすることも大切ですが、普段摂取している食べ物の栄養を見直してみるのもよいといえます。
前項でも少し触れましたが、口内炎や口腔内の血豆には、ビタミンB2やビタミンCがよいとされています。
それぞれのビタミンがどのような働きをもつとされているのか見ていきましょう。
・ビタミンB2
ビタミンB2は「発育のビタミン」とも呼ばれており、脂質の代謝を助ける他に、皮膚・髪・爪などの再生に働きかけ、成長をうながしてくれるといわれています。
また、ビタミンB2は粘膜を保護する働きがあるとされ、口角炎や口内炎、血豆などの予防にも効果が期待できます。
・ビタミンC
ビタミンCの働きは、肌の真皮細胞が活発に働くように手助けをしてくれます。
また、皮膚・粘膜・血管・細胞間の結合を強くしてくれるので、歯茎や皮下からの出血などを防いでくれる働きもあるとされています。
このことから、ビタミンB2やビタミンCは、血豆ができないようにするのに効果が期待できるといえるでしょう。
主に、ビタミンB2やビタミンCが多く含まれている食材は以下のようになっています。
●ビタミンB2が多く含まれている食材
(野菜)しめじ・マイタケ・モロヘイヤ・とうみょう
(果物)アボカド・レモン・ゆずの皮・オレンジ
●ビタミンCが多く含まれている食材
(野菜)赤ピーマン・芽キャベツ・パセリ・ブロッコリー
(果物)アセロラ・すだちの皮・キウイ・イチゴ
口腔内に血豆ができやすい人は、ビタミンB2やビタミンCを意識しながら、バランスよく食事をするのが大切といえるでしょう。
血豆ができても正しい処置をしよう
血豆ができてしまう原因や、それに対する予防方法、血豆ができてしまった時の対処方法なども併せてお伝えしました。
血豆は「放っておけば治る」とされています。
そのため、無理に刺激をしないでいることが大切といえます。
また、血豆だと思っていても、口腔内の疾患の可能性もあるので、気になる人は一度医師に相談するとよいでしょう。