歯は白いのに…歯茎が黒いのはどうして?その原因と対処法
お口のトラブル 2018.11.28歯茎は健康のバロメーター
歯をしっかりとケアしていても、歯茎まで入念にケアしている人はあまりいないのではないでしょうか?
歯茎は口内の健康の状態が表れる、目印ともなります。
それでは、健康な歯茎とそうでない歯茎は一体どんな特徴があるのでしょうか。
【健康な歯茎】
・変色や着色のない赤ちゃんの歯茎のような綺麗なピンク色
・キュッと引き締まっている
【健康ではない歯茎】
・歯茎の色が赤く、もしくは赤黒く変色している
・歯茎が腫れぼったく、磨くと出血することがある
・歯茎が下がってきている
・歯茎が黒ずんでいる
これらの不健康な状態を放置していてはいけません。
口の中がすでに何らかのトラブルがあり、進行している可能性が高いのです。
ここからは、特に歯茎が黒い原因とその対処法を確認していきましょう。
歯茎が黒い原因とは?①生活習慣
歯茎が黒い原因の一つとして考えられるのが、生活習慣の乱れです。
食生活や運動習慣などの生活習慣が乱れてしまうと、血流が悪くなってしまいます。
歯茎が黒くなっているのは、血流が悪くなっている証拠です。
また、喫煙による影響も非常に大きくなります。
健康な歯茎は毛細血管が透けてピンク色となっています。
しかし、喫煙による一酸化炭素によって血行不良になると、毛細血管内に流れる血が少なくなり、それによって歯茎が黒ずんでくるのです。
また、喫煙すると体内のビタミンCが消費されます。
ビタミンCは色素を沈着させるメラニンを抑える働きをもつので、喫煙によりビタミンCが足りなくなると、歯茎の黒ずみも起こりやすくなるのです。
そして、長年の喫煙によりタールやニコチンの有害物質が歯茎にしみこんで沈着してしまうこともあります。
喫煙や運動などの生活習慣は、全身の健康にも直結するものです。
歯茎での異変を感じたら、ぜひ、自分自身の生活習慣を振り返ってみましょう。
歯茎が黒い原因とは?②歯周病
歯茎が黒くなる原因は、生活習慣以外にもいくつか挙げられます。
まずは歯周病です。
初期の歯周病は、歯茎が赤く腫れている状態ですが、それが進行してしまうと赤紫色~黒く変色してしまいます。
特に、歯茎の内部が黒ずんでいたら、歯周病が進行しているサインです。
歯茎の奥のほうまで歯周病が進行してしまうことにより内部で炎症が起き、歯茎から出血して歯垢と血液が混ざることで黒い歯石となり、歯茎が黒ずんで見えるのです。
歯周病は歯茎の変色だけではなく、より悪化してしまうと最悪歯を失ってしまう可能性もあります。
また、歯周病は糖尿病や心臓病などの他の病気のリスクも高まります。
前の項でも触れた喫煙は、歯周病にも悪影響を及ぼすともいわれています。
悪化する前に、しっかりとケアに取り掛かるのが一番です。
歯茎の変色のほかにも、歯茎が下がってきている、歯磨きの時に出血する、口臭がきつくなったなどの項目に当てはまる場合には歯周病を疑い、早めに歯科医で受診しましょう。
歯茎が黒い原因とは?③その他
他にも歯茎が黒くなる原因があるので、ご紹介します。
まずは、被せ物や差し歯の金属の影響です。
被せ物などで使用した金属が長期間歯茎に接触することで、溶け出してしまいます。
それが歯茎に染み出して色素が沈着することで、歯茎が黒くなってしまうのです。
金属の色素が歯茎に沈着してしまい、黒ずんで見えることを「メタルタトゥー」といいます。
セラミックの差し歯なども歯自体は白いのですが、その内側に金属が使用されているので、その影響が考えられます。
次に、歯の神経が死んでいる場合です。
口や歯を強く打った衝撃から歯の神経が切断してしまう場合や、虫歯などが進行して歯の神経を抜いて治療されることがあります。
歯の神経が死んでしまうと、歯自体が黒ずんでしまいます。
歯だけではなく、歯の根元も黒ずんでしまうため、歯茎も黒く見えてしまうのです。
「歯茎が黒い」という状態は同じでも、原因はいくつかあります。
原因によって対処法が変わってきますので、しっかりと自分の状態を把握し、歯科医に相談するのがおすすめです。
黒い歯茎への対処法①専門医での治療
ここからは、黒ずんだ歯茎を改善していく方法をご紹介しますが、原因によって対処法が異なるので注意しましょう。
まず、タバコなどの影響によるメラニンの沈着への対処として挙げられるのは、「ガムピーリング」です。
歯茎に沈着した色素を、薬剤やレーザーなどで取り除く治療法となります。
喫煙によって歯茎が黒ずんでいった人や、歯のホワイトニングをして口元をきれいにしたい人におすすめの方法です。
薬剤で行うガムピーリングをケミカルピーリングともいい、色素が沈着した薄皮を剥がし、数回の施術で新たなピンク色の歯茎になっていきます。
レーザー治療法のレーザーピーリングは、皮下にあるメラニン色素を選択的に除去して皮膚を活性化し、黒い歯茎からピンク色へとよみがえらせていきます。
ガムピーリングは保険がきかず自費治療となります。
そして、歯周病が進行して歯茎が黒ずんでいる可能性がある場合は、一刻も早く歯科医を受診して治療を始めましょう。
深刻な歯周病の場合、最終的には歯を失ってしまったり、糖尿病や心臓病へもつながるリスクがあります。
気づいた段階でしっかりと自分の歯を守っていきましょう。
また、被せ物などの金属によるメタルタトゥーへの対処としては、金属の入っていない土台や被せ物をすることで予防はできますが、一度変色した歯肉を完全に元通りにすることは難しいようです。
これ以上悪化しないために、差し歯や被せ物を金属以外の素材に変更するのも一つの方法です。
メタルフリー治療を掲げるクリニックに相談されるのもおすすめです。
黒歯茎への対処法②自分自身でできるケア
歯科医での専門的な治療のほかにも、自分自身で毎日行えるケアもとても大事です。
ここでは、自分で意識して取り組めるケアをご紹介します。
まず、歯茎を健康に保つためには、規則正しい生活やバランスの取れた食生活などの生活習慣が重要です。
これは歯茎黒いからというだけではなく、全身の健康に関わり、毎日健やかに過ごしていくために必要なものですね。
また、丁寧なオーラルケアを心がけて、口内を整えていきましょう。
歯と歯茎の間を丁寧にブラッシングして口内を清潔にすることで、虫歯や歯周病の原因となる歯垢を除去し、口内トラブルを予防できます。
正しいラッシングに加えて歯茎マッサージを行えば、歯茎の血流もよくなっていきますので、ぜひ取り組んでみてください。
そして、喫煙者の方は可能な限り禁煙を心がけていきましょう。
喫煙から生じるリスクは、歯茎の色だけではなく、それこそ歯周病や生活習慣病などへも影響していきます。
口内の健康は全身の健康に密接に関わっています。
自分自身の生活習慣を見直すことで、歯茎の健康も、全身の健康も守っていきたいですね。
歯茎の黒ずみは体のサイン!しっかりと対処しよう
歯茎が黒くなってしまうのには、いくつかの原因があります。
どれもすぐに解決できるものではなく、自分自身の体と向き合わなければ対処できないものばかりですね。
原因によって対処方法も変わってくるので、歯茎の状態が気になるようなら一度専門医で診察するのがおすすめです。
歯科医とも相談しながら、歯茎に現れた体のサインをキャッチし、健康に向けてケアに取り組んでいきましょう。