歯ブラシの洗い方をご紹介!中性洗剤は使えるの?
歯ブラシ 2018.11.14歯ブラシの汚れの例と解決法
毎日使っている歯ブラシを、観察したことはありますか?
歯ブラシの汚れとして、以下の例が挙げられます。
・歯ブラシの付け根に何か溜まっている
色が白の場合は歯磨き粉の落とし忘れ、色が黄色の場合は歯垢や細菌の塊の可能性、色が赤・黒の場合はカビが疑われます。
歯ブラシがそのような状態になっている方は、歯磨きを終えて、ササッと歯ブラシを水にくぐらせているだけで済ませてはいませんか?
この場合の洗い方は、ブラシの付け根まで水を行き渡らせ、指や爪で付着した汚れをはじいて落とします。
汚れが取れにくい場合は、楊枝を使うとよいでしょう。
もし、ブラシ部分にぬめりを感じる場合は、殺菌・消毒の表示がある手洗い用の洗剤を使い、優しく揉み洗いをして、よくすすぐことでぬめりが落ちます。
そのあとは清潔な布などで水分を拭き取り、ブラシ部分を上にして、風通しのよいところで乾燥させましょう。
きちんと乾燥させないと、カビや雑菌の繁殖してしまいますので注意をしてください。
・ブラシの毛先がうっすら変色している
毎日、歯の表面の歯垢をかき取っているため、ブラシについた細かい傷に汚れが付着し、溜まっている可能性があります。
また、ブラシの毛先が変色するほど使い込んでいる場合、既に毛先に張りがなく、十分に歯間や歯周ポケットを磨けなくなっているかもしれません。
その場合は、新しい歯ブラシの購入をおすすめします。
歯ブラシの汚れ落としに中性洗剤は使えるの?
歯ブラシの汚れを見つけたら、あなたはどのように洗いますか?
お箸やスプーンと同じように口に入れるものなので、中性洗剤を使う方がいるでしょう。
中性洗剤は食器の素材を傷めにくく、手肌に優しいという特長があります。
そして、除菌の効果が表示されている中性洗剤は、除菌効果が期待されます。
しかし、歯ブラシの汚れを落とすことを考えると、除菌では落とせる汚れに限界があります。
前述したように、歯ブラシの付け根の汚れにはカビが繁殖しやすいです。
そして、カビは除菌では抑えることができないのです。
カビを抑えるには、滅菌か消毒が必要になります。
また、お箸やスプーンなどの食器類に洗い残しがあると、変な味がしますよね。
元来、中性洗剤は口に入れることを考えて作られているわけではありません。
そして、表面がなめらかではないものや、歯ブラシの付け根のように水分が入り込むものを洗うことには適していないのです。
そのため、歯ブラシの付け根を洗うことはおすすめしません。
次項では、水を使った洗い方をご紹介します。
歯ブラシの洗い方~中性洗剤ではなく水を使って洗おう~
前述のとおり、私たちと身近な存在である中性洗剤は、歯ブラシには使わない方がよいことがわかりました。
「結局、どう洗えばいいの?」となってしまいますね。
ここからは基本のキ、水での洗い方をご紹介します。
①まず、歯磨きを終えたら流水で歯ブラシをすすぎます。
②この時に歯ブラシの付け根の汚れ、付着物はすべて落とします。
歯磨き後の歯ブラシには、歯磨き粉や食べかす、歯垢が付着している状態です。
すべて流水で洗い流す方法が1番ですが、コップなどに水を溜め、その中でブラシの汚れを指と爪を使って落としてから、仕上げに流水ですすぐ方法もあります。
③しっかり歯ブラシをすすげたら、乾燥させます。
このとき、清潔な布やキッチンペーパーで水分を拭き取っておくと、乾きが早まります。
まだ歯ブラシケースやキャップには仕舞わず、しっかり乾燥させてから仕舞ってください。
また、乾燥させる際にはブラシ部分を上にして、立ててある状態にし、他の人の歯ブラシのブラシ部分とは接触しないようにさせましょう。
ここで、簡単に殺菌ができる乾燥方法もご紹介します。
それは、ベランダや窓際で干すことです。
ベランダや窓際では、紫外線殺菌と乾燥が一気にできて、一石二鳥ですね。
紫外線が多い時間帯、午前10時~午後2時にベランダや窓際の紫外線があたる場所に置いておきましょう。
歯ブラシの洗い方~中性洗剤よりもよく落ちる重曹で洗おう~
水だけでは歯ブラシを洗った気になれない方向けに、「重曹」を用いた歯ブラシの洗い方をご紹介します。
カビは、酸性のもの(歯ブラシの汚れでは歯垢など)を栄養にして繁殖します。
「重曹」は中性洗剤と違ってアルカリ性なので、酸性のものに対して中和作用が期待されます。
そうすることで、歯ブラシの汚れに含まれる酸性を中和させ、カビを落とすことができます。
【重曹水の作り方】
《用意するもの》
・水または42℃前後のお湯 100ml
・食用の重曹 小さじ1杯
・使っても大丈夫なコップ 1つ
アルカリ性を高めたいときは、70℃前後のお湯を用意しましょう。
水または42℃前後のお湯100mlに、食用の重曹を小さじ1杯分を入れてよく溶かせば、重曹水のできあがりです。
次は、出来上がった重曹水を使って、歯ブラシを洗いましょう。
①水洗いを終えた歯ブラシを用意します。
②重曹水に、歯ブラシのブラシ部分を20分ほど浸けます。
③重曹水から出し、歯ブラシをよくすすいでから、乾燥させます。
また、家に重曹が見当たらない方は、「洗口液」がおすすめです。
殺菌効果の表示があるものを使い、歯ブラシのブラシ部分を数十分浸してから、よく水洗いしましょう。
歯ブラシを傷める可能性がある洗い方
歯ブラシをきれいにするには、「とにかく歯ブラシの汚れと菌、どちらも落とせばいいだろう」という考えになる方が多いでしょう。
そして、汚れと菌に関する身近な洗浄方法といえば、熱湯・煮沸消毒、台所用漂白剤を用いた除菌が思い浮かびます。
しかしこれらの方法は、歯ブラシには適していない洗い方にあてはまるのです。
理由とともに見ていきましょう。
【熱湯・煮沸消毒】
多くの方が、対象物に熱湯をかけて消毒、煮沸したお湯に入れて消毒といった方法を実践したことがあるのではないでしょうか。
しかし歯ブラシの材質は、耐熱温度が80℃以下までのプリプロピレンやナイロン、アクリルで作られています。
汚れをきれいにしようと熱湯をかけたら、歯ブラシが変形してしまったということが起きるので、熱湯・煮沸消毒はやめましょう。
【台所用漂白剤を用いた除菌】
食器の黒ずみ、しみ、茶しぶを落としたり、布巾、まな板の除菌ができます。
そして、台所用漂白剤は除菌だけれど、強い洗浄力が見込めますよね。
しかし、販売されている台所用漂白剤は、自分で薄める必要があります。
そのうえ取り扱いが難しく、手間がかかります。
また、中性洗剤と同じく、台所用漂白剤も口に入れることを考えて作られているわけではないので、台所用漂白剤を用いた除菌はやめましょう。
「滅菌・消毒・除菌」とは?
前項までに歯ブラシの洗い方をお伝えしました。
その中でもふれましたが、菌を無害化するには除菌では足りず、滅菌・消毒が必要です。
この除菌、滅菌、消毒の違いがあやふやな状態の方がほとんどだと思います。
そこで、除菌、滅菌、消毒についてお伝えします。
菌に対する作用の強さの順番は、「滅菌>消毒>除菌」となります。
・滅菌
薬や熱などを使って細菌を死滅させ、無菌状態を指します。
潜んでいる場所全体の微生物の生存確率が、100万分の1以下の状態になることで滅菌状態といえます。
「殺菌」と似ていますが、滅菌は全滅を示しており、殺菌にはどの種類の菌をどのくらい死滅させるか定義がないため、違う意味になります。
・消毒
人体に有害な物質を除去、無害化させることを指します。
滅菌と似ていますが、すべての細菌を死滅させるのではなく、細菌を無害化させるため、違う意味になります。
消毒方法には、煮沸、紫外線、薬などが用いられます。
・除菌
細菌を取り除いて減少させることを指します。
菌を死滅させたり、無害化させる働きはなく、物理的に菌を排除することが除菌です。
除菌製品は、洗剤、漂白剤、ウェットティッシュなどがあります。
歯ブラシを清潔に保つためによく洗って乾燥させよう!
歯ブラシの汚れにはカビや歯垢が付着しています。
汚れを落とすには除菌では十分に落とせず、滅菌か消毒をする必要があります。
私たちの身近に中性洗剤がありますが、除菌までしか効果が期待できません。
よく水洗いをしてから、ベランダや窓際で乾燥させることで、紫外線殺菌も同時に行えます。
また、重曹にはカビの好物である酸性のものを中和させて、カビを抑える働きがあります。
普段から歯ブラシを清潔に保ちましょう。