身体を潤す皮脂は酸化する!時間と共にトラブルの原因に

皮脂 2019.07.23

皮脂は皮膚、毛髪を潤し乾燥から守る役目を担っています。

その成分は、脂肪酸やコレステロールで構成され手のひら、足底を除いた全身に分布しています。

しかし、過剰に分泌された皮脂を長い時間放置していると、酸化により肌のトラブルや体臭の原因となりかねません。

このように身体に大切な働きをする皮脂も、きちんとしたケアを心がけないと、思わぬ肌トラブルに見舞われます。

皮脂とはどんな働きをするのかまた、成分は何か、そしてトラブルの種類と体臭予防についてご紹介していきます。

皮脂は皮膚を守る大切な働きをし、酸化分解で皮脂膜を作る

「皮脂」といえば「ベタベタ」や、きれいに洗濯してタンスにしまっていた筈のワイシャツの襟が黄ばんでいたなど、良いイメージがありません。

しかし、毛穴から分泌された皮脂は汗と混ざり合い、皮膚に常駐する細菌により時間経過とともに酸化分解され、「皮脂膜」になります。

「皮脂膜」は肌に潤いと柔軟性、弾力性を与え、異物や細菌が皮膚内へ侵入するのを防ぐほか、熱を伝えにくく、暑さ寒さから守る働きがあるのです。

まず、肌の水分保持に必要な皮膚表面の「角質層」を「皮脂膜」で覆い、水分の蒸発や外部の刺激から守っています。

「皮脂膜」の主成分は中性脂肪(トリグリセリド)で、皮膚の表面に常駐する細菌により酸化分解され、肌を弱酸性に保ち雑菌の繁殖を防ぎます。

そして、この「皮脂膜」の働きで角質層の水分の蒸発を防ぎ、潤いのある健康な肌の状態を保つのです。

また、時間が経過した古い角質層は自然に剥がれ落ちますが、皮脂膜は角質層が余計に剥がれ落ちないようにする働きもします。

頭皮の匂いの原因、皮脂の過剰な分泌と時間経過による酸化

皮膚のほか、毛髪にも潤いを与えてくれる皮脂ですが、分泌量の過剰または、洗髪の仕方が不適切であると古い皮脂が残って不快な臭いの元になります。

皮脂は分泌されてから時間が経つと酸化が始まり、酸化した皮脂が頭皮に常駐する細菌に分解され「ノネナール」となります。

そして、皮脂の分泌量に比例して頭皮に常駐する細菌も増え、酸化した皮脂が分解され「ノネナール」も増えて臭いは強くなるのです。

また、酸化した皮脂は頭皮にも刺激を与えかゆみを起こし、そのまま放置していると「脂漏性皮膚炎」を発症する可能性があります。

原因の一つは洗髪過剰です。

必要な皮脂まで落とすと皮脂量を調節する頭皮の皮脂量が足らないと判断し、過剰に分泌してしまいます。

また、ドライヤーの使い方の誤りで頭皮の乾燥を招いたり、洗髪後に髪の自然乾燥で長時間頭皮を乾燥させたりすると、皮脂の過剰分泌がおこります。

皮脂はストレスに長時間さらされても過剰分泌し酸化する

皮脂の過剰分泌は日常生活からも影響を受けます。

それは、ヒトは長時間ストレスにさらされるとアドレナリンを分泌するからです。

アドレナリンは皮脂分泌を増やす作用があり、ストレスにさらされている時間に比例し、皮脂分泌量も増加します。

そして、余分に分泌され酸化した皮脂が、頭皮に常駐する細菌により分解され「ノネナール」となり臭いを発生します。

特に、30代からの働き盛り世代は仕事、子育てによるストレスにさらされています。

男性は皮脂の分泌量も多く、適切なケアを怠ると30~40代は「オヤジ臭」、40代~「加齢臭」といわれ、はからずも周囲に迷惑をかけることになります。

ただし、女性は、女性ホルモンに含まれる「エストロゲン」により皮脂の分泌が抑制され、体臭は比較的強調されません。

また、忙しさにかまけての睡眠不足も注意が必要です。

睡眠不足の状態は、脳の神経伝達物質「セロトニン」が不足し感情のコントロールに問題を起こします。

その結果、些細なことがきっかけで落ち込み、悩みを長期に抱えストレスが溜まり、アドレナリンが分泌され、皮脂の過剰分泌を招くという悪循環になります。

皮脂過剰分泌と酸化の関係・薄毛の原因は男性ホルモン

皮脂腺の数は頭皮に多く分布しており、次に顔のTゾーン(額、鼻、鼻横)、胸、背中、腕、脚の順になり、皮脂が1日1~2g分泌されています。

そして、皮脂は頭皮の保湿や毛髪細胞の保護、乾燥によるフケの発生を抑制し、頭皮表面を弱酸性化に保ち雑菌の発生を防ぐ働きをしています。

ただし、皮脂が正常な量だけ分泌されていれば良い働きをしますが、皮脂が過剰に分泌されるとトラブルの原因になりかねません。

過剰に分泌された皮脂を長時間放置し、酸化による頭皮環境の悪化が、男性の薄毛の原因とされています。

確かに過剰に分泌された皮脂は、毛髪の成長に多少の影響をあたえるでしょう。

しかし、皮脂を過剰に分泌させ、薄毛の原因になる働きをするのは男性ホルモンです。

まず、男性ホルモンにより頭皮の皮脂分泌量が増加し、髪や頭皮がベタベタし頭皮のコンディションが悪化します。

そして、男性ホルモンに含まれる物質の「テストステロン」が体内に分泌され、体内細胞内の酵素により分解され「ジヒドロテストステロン」に変化します。

「ジヒドロテストステロン」が毛髪の成長を阻害し、過剰分泌の皮脂と合わせて薄毛の原因となり得るのです。

皮脂が多いと酸化でベタベタ、皮脂欠乏症は痒くてカサカサ

皮脂の過剰分泌による酸化も困りますが、「皮脂欠乏症」という皮脂の分泌が減少する皮膚のトラブルについてお伝えします。

これは、皮膚の表面の脂と水分が減少し、肌が「カサカサ」に乾燥する現象です。

高齢に伴う皮脂腺の退化により発症し、特に女性の方が早い年代で症状が確認され、空気が乾燥し始める秋から冬に時間をかけて症状が進み始めます。

真冬が最もひどい症状になりますが、夏になると症状が軽くなることもあり、治癒するケースもあるのです。

発症は手足、特に膝から下によくみられ、皮膚のヒビ割れや、皮膚の剥がれ落ちの症状と痒みを伴います。

痒さを我慢できずに頻繁に掻き続けていると、炎症を伴う湿疹になります。

痒みが強くなるタイミングは血液循環が良くなる夕方から夜にかけてが多く、暖房の効いた部屋、入浴、布団に入って身体が温まることが要因です。

軽い「皮脂欠乏症」は病気ではなく、歳を重ねることによる自然な現象ですが、症状が軽いうちにスキンケアをしておくことが大切です。

皮脂の酸化による体臭や肌のトラブルは時間との勝負

毛髪、肌のケアに関してはお化粧を落とすこともあり、おしなべて女性はしっかり意識し、日々の営みとして習慣化しています。

これは、肌に付着した皮脂が時間経過と共に酸化し、肌荒れ、臭い等のトラブルを招くリスクを知っているからです。

最近、男性も洗髪を含むスキンケアに関して、関心が高くなりつつあります。

それは、女性と比較して皮脂腺が多く、皮脂の分泌が多い男性にはとても良い意識変革です。

なぜなら、男性には男性ホルモンの関係で年代別に異なる体臭があるからです。

20代までは汗を多くかく(特に脇汗)ので「酸っぱい臭い」、30代からは後頭部、うなじに移り「使い古しの油の臭い」、40代からは「枯れ草の臭い」などです。

また、薄毛の原因や頭皮の臭いなども男性ホルモンの影響が大きく作用します。

ホルモン分泌に関して調整することはできませんが、抜け毛・薄毛を予防するには頭皮環境を日頃から意識し、しっかりとケアをするようにしましょう。

また、皮脂の成分は油なので水でさっと流すだけでは十分に落ちません。

就寝前にシャワーやお風呂を使い、ボディソープやシャンプー、洗顔フォームで余分な皮脂を落とし体臭管理に努めましょう。

肌を保護する皮脂と上手に付き合い、快適な肌生活を送ろう

皮脂は肌を快適なコンディションに保つため、必要不可欠な存在でした。

肌を快適なコンディションに保つためには、日頃からの体調管理が大切になり、ストレス、睡眠不足等による皮脂の分泌異常を抑えます。

また、古くなった皮脂を長時間放置せず、日々シャワーまたは入浴し、洗髪、洗顔、そして身体を清潔にすることも大切になります。

強い体臭は周囲へ迷惑をかけますので、肌のコンディションをしっかり保ち、快適な生活を送りましょう。

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