汗がアルカリ性、酸性に偏るのはなぜ?その原因と体臭の関係

2019.07.19

運動で流す汗や、車でのドライブ中危険な場面に遭遇し、恐怖や、緊張した時にかく「冷や汗」。

発汗するのは一緒でも、発汗後の気分や流れ出た汗の感触「さらさら」、「べたべた」に雲泥の差が出ます。

また、汗をかくと汗臭さが気になり、体臭の悩みを抱えている方もいらっしゃいます。

それは、食習慣や精神的影響等により、また、汗の性質に「アルカリ性」・「酸性」があり、体臭の強弱に違いをだしています。

なぜ汗をかくのか、性質が「アルカリ性」・「酸性」になる原因と体臭の関係について、ご紹介します。

汗の機能と性質、「アルカリ性」及び「酸性」と体臭の関係

汗はスポーツやお風呂に入っているとき特に認識しますが、学校、オフィスで椅子に座っていても発汗しています。

それは、恒温動物の人間が体温を一定に保つために必要な機能です。

特に、脳は熱に弱く、体温約37度(平熱)から1~2度上がると体がだるいや、頭がボーっとする等の症状がみられます。

そして、風邪やスポーツ等で体温が上昇すると、血液から一旦ミネラル分や水分が汗腺に入り、ミネラル分は再度、血液に吸収され水分と塩分だけが汗として排出されます。

その水分が蒸発した気化熱により体温をさげ、適正体温や健康を維持する大切な働きを担っているのです。

しかし、現代は汗臭さや、体臭に関するトラブルとしてとらえられており、「汗をかく」ことに抵抗感すらあります。

また、汗には「アルカリ性」及び「酸性」の性質があります。

性質の違いは汗臭さや体臭にどのような影響があるのか、また、対処法について次章からご紹介していきます。

汗腺の正常な働きでサラサラ汗は酸性に!雑菌・匂いを防ぐ

汗腺は全身に分布している「エクリン腺」や、わきの下・外陰部等の特定な部位に存在する「アポクリン腺」の2種類あります。

そして「エクリン腺」からでる「エクリン汗」や、「アポクリン腺」からでる「アポクリン汗」はどちらも無臭です。

無臭の汗に何故臭いが発生してしまうのか、それは前章で触れた汗腺の働きにより、「酸性」と「アルカリ性」に分別されるからです。

それでは、「エクリン腺」(汗腺)による、汗の調節機能を例にご紹介しましょう。

まず体温が上昇すると、血液から汗腺へミネラル分と水分が入ります。

その後、汗腺内のミネラルを血液に再吸収し、水分とわずかな塩分を汗として排出します。

排出された水分は蒸発し皮膚に残るのはわずかな塩分だけになり、「サラサラした良い汗」となります。

これは汗腺の働きが正常な状態で、汗は「酸性」です。

「サラサラした良い汗」は水に近い成分のため蒸発がはやく、体温調節が速やかで、発汗後肌にわずかな塩が残るため弱酸性の状態を保持します。

本来、健康な肌は弱酸性の状態を保ち、雑菌や肌の常在菌の繁殖を防ぐメカニズムになっています。

汗をかかない生活は汗腺の働きが衰える!?汗をかいて改善を

前章でご紹介したとおり、汗腺が正常に働いていると「サラサラした良い汗」(酸性)です。

しかし、働きに異常がでると「ベタベタした悪い汗」(アルカリ性)になってしまいます。

一旦血液から汗腺へ入ったミネラル分が再吸収されず水分と一緒に排出され、肌にミネラル分が残るため蒸発しにくく体温調節に支障が出ます。

そして、ミネラル分が残る肌はアルカリ性に傾き、雑菌や常在菌の繁殖を招き汗臭さの原因になります。

では、何故「ベタベタした悪い汗」になってしまうのでしょうか。

それは、空調が良く効いた環境の生活環境やオフィス勤務、普段適度な運動をせず汗をかく機会が少ないことが背景にあります。

こうした生活習慣が続くと、汗腺機能が衰える可能性があるのです。

すると、汗をかいてない汗腺に老廃物や、角質が溜まってしまいます。

老廃物や角質が溜まって機能が衰えた汗腺から、ミネラル分と一緒に排出され、雑菌等を繁殖させ汗臭さの原因となります。

その他、肉中心に偏った食事や、過度なアルコール背摂取等も体臭に悪影響を及ぼします。

肉のタンパク質は体内でアミノ酸になり、その一部がアンモニアとなります。

また、アルコールは分解されるとアセトアルデヒドになり、肉のアンモニアと同様に毛穴から排出され体臭の原因になります。

精神的要因の緊張汗は「アポクリン腺」から発汗!その時の性質はアルカリ性

仕事でプレゼンテーションしたり、人前で挨拶をしなければならない等、精神的なきっかけで顔や手のひら、脇等に汗をかいた経験は一度や二度あるかと思います。

このような汗は「緊張汗(精神性発汗)」といわれ、体温維持と関係のない汗です。

一方、運動時等、体温調節のためにかく汗は「温熱性発汗」といい、ほぼ酸性で無臭です。

この「温熱性発汗」は体温や皮膚温の温度情報、また、運動時には筋肉からの情報を脳内の体温調節中枢が受け取り、発汗の命令をだします。

そして、手のひらや足の裏を除いたほぼ全身のエクリン腺から発汗します。

しかし、運動時等「温熱性発汗」をしている最中、精神的に緊張することがあります。

そんな時、更に全身の発汗も増え、また「アポクリン腺」がある手のひら等にも汗をかき、文字通り「手に汗を握る」状態となります。

また、「アポクリン腺」は脇の下に集中的に存在し、毛根から分泌しアルカリ性となり、個々人特有の匂いを発生させます。

アポクリン汗は毛根から発汗!アルカリ性だとワキガの原因に

汗腺「アポクリン腺」は身体のほとんどの部位に分布する「エクリン腺」と異なり、限られた一部分だけに存在します。

ほとんどが「脇の下」に存在し、残りごく少量が外陰部等の特定部位に存在します。

そして、「アポクリン腺」から出る「アポクリン汗」も無臭です

しかし、「アポクリン汗」は毛根部分から分泌され、毛根に付着した皮脂やタンパク質と一緒に分泌されます。

すると、皮膚の常在菌により分解され「アルカリ性」となり、体臭として知覚されます。

そして、「アポクリン腺」は体温調節ではなく、本来仲間としての認識や、異性を引き付けるためのフェロモンとしての体臭を発生させる役割を持っています。

この脇の下から発生する匂いの程度により「ワキガ」として不快に感じ、忌み嫌われることもあります。

特に「匂い=不潔」のイメージの傾向がある日本では、体臭を個性と捉えづらいところです。

もしもワキガが気になるようでしたら、市販に多種多様のニオイケアアイテムが販売されております。

是非、ご自分に合った対策をみつけ、汗の酸性化を促し防臭に努めましょう。

運動で汗腺機能回復!「良い汗・酸性」と「悪い汗・アルカリ性」

人間関係や仕事でストレスを抱え、また、運動不足やエアコンが効いた環境に身を置き、日常的に汗をかくことがないと汗腺機能が衰えてしまいます。

すると、アルカリ性の「ベタベタした悪い汗」をかき、不快な体臭を発する原因になります。

そこで、酸性の「サラサラした良い汗」をかくため、汗腺機能回復を図ります。

汗腺トレーニングとして有効なのは、有酸素運動(ジョギング・ウオーキング)です。

生活に取り入れ、2~3週間つづけると汗腺の機能を回復させます。

また、食習慣において肉類に偏った食事をしていると、動物性タンパク質が体内でアンモニアに分解されます。

このアンモニアが肝臓で処理しきれないと汗の匂いの原因になり、また動物性タンパク質は皮脂の分泌を促し加齢臭を誘発します。

加齢臭対策には抗酸化作用のビタミンC、血液をアルカリ傾向とし乳酸の発生を抑止する梅干しや海藻類、乳酸菌で腸内環境を整えます。

汗腺を活発にし、汗臭さと無縁な健康生活へ

「汗=匂い」のイメージがあり、とにかく厄介に感じている方は少なくないでしょう。

しかし、汗には体温の上昇に対処し、特に熱に弱い脳を守る役割があります。

汗が体温を一定に保ってくれているおかげで、身体の機能が正常に働き健康に過ごせるのです。

ただ、生活習慣によって汗腺が衰えると、体臭トラブルに発展しかねません。

適度な運動習慣を心がけ、体臭を適切に管理し日々さわやかに過ごしましょう。

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