歯磨きは電動歯ブラシと手磨きどちらが良い?2つを徹底比較
電動歯ブラシ 2020.05.12電動歯ブラシと手磨きはどちらがおすすめ?増える電動歯ブラシのユーザー
習慣的に日々行う歯磨きと言えば、歯ブラシを使って磨く「手磨き」がメジャーな歯磨き方法ですよね。
しかし近年では、高い機能性を備えた電動歯ブラシに移行する方も多く、その使いやすさがユーザーの心をがっしり掴み高評価の口コミが広がっています。
また、歯科医院でも電動歯ブラシを販売していることが多く、歯科専売品であることから使用したいと思われる方も少なくありません。
特に、目が回るように日々を忙しく過ごす現代人にとって、手軽にできる電動歯ブラシはニーズの高い歯磨きアイテムと言えるでしょう。
ただ、そこで気になるのは、実のところ電動歯ブラシと手磨きはどちらが効果的なのかということです。
確かに、電動歯ブラシのほうがしっかり磨ける印象がありますが、しかしそれは漠然としたイメージでしかありません。
それを知るために、まずは電動歯ブラシとはどのようなものなのか、その機能からメリット・デメリットを詳しく見ていきましょう。
高機能を持つ便利な電動歯ブラシ!歯磨きの駆動方式は3種類
まず、ひとくちに電動歯ブラシといっても、大きく分けて3つの駆動方式があります。
①回転式
内臓されたモーターにより、ヘッドが回転運動(2000~7500回転/分)することで歯に付着した食べカスやプラーク(歯垢)を取り除きます。
手磨きのように磨く動作は必要なく、歯に沿って動かすだけで汚れを除去していきます。
また、音波式や超音波式よりも回転数は少ないですが、回転による歯への振動が大きいため、3つの中では最も磨ける実感が強いでしょう。
②音波振動式
音波振動(3~4万Hz/分)によってプラークを除去するだけでなく、細菌のつながりをも断ち切ることでプラークが付着しづらい口腔環境に導きます。
中には、音波に加えて高速水流を発生させてプラークを落とすタイプもあります。
回転式と同様に、歯に沿って動かすことでプラークを除去していきます。
③超音波振動式
超音波振動(100~150万Hz/分)を発生させてプラークを破壊し、取り除きます。
音波式に比べ、振動回数が多い一方で振動は非常に微細なため、ブラシを当てるだけではプラーク除去効果は望めません。
手磨きによる歯磨きと同様に、左右に磨く動作が求められます。
以上のように、駆動方式の違いによりそれぞれ特徴が変わってきます。
電動歯ブラシだからどれも同じわけではないため、種類や違いをよく理解することが大切です。
手磨きと比べる電動歯ブラシのメリットとは?
電動歯ブラシの種類が分かったところで、さらに手磨きと比べたときの詳しいメリットについてお話ししていきましょう。
まず、電動歯ブラシの一つ目のメリットは、口内全体の均一なプラーク除去効果が望めるという点です。
手磨きによる歯磨きの場合、歯を磨く力加減や動作はその人自身のブラッシング技術が大きく影響し、磨き方によっては部位ごとに除去のムラが出ることがあります。
しかし、電動歯ブラシでは、部位に応じてブラシを正しく当てることができれば、ムラのなく均一にプラークを除去することが期待できます。
これは、力のない子どもや高齢者など、老若男女問わずにオーラルケアが望めるということで、高齢社会に直面する日本では重宝されるメリットでしょう。
使用者のブラッシング技術に大きく頼ることのない点は、電動歯ブラシ特有の魅力と言えますね。
ただし、後述しますが、基本的なブラシの当て方ができていることが前提ですから、ただ手放しに電動歯ブラシに任せてしまえば効果的なプラーク除去は望めないでしょう。
また、二つ目のメリットは、何といっても2分程度の短時間で済ますことができる点です。
手軽に短時間で磨けることは、特に時間が惜しい朝には大変助かりますよね。
前述したように、忙しい現代人には非常に魅力的な手軽さと言えるでしょう。
手磨きと電動歯ブラシはどちらが歯磨きでより効果的?
手磨きと比較した電動歯ブラシの魅力を詳しくお話ししてきましたが、結局、手磨きと電動歯ブラシはどちらのほうがしっかり磨けるのでしょうか。
メリットを見ると、電動歯ブラシの良さはサポート機能による「手軽さ」であって、必ずしも手磨き以上にプラークが除去できるわけではありません。
そもそも、歯磨きの目的はプラーク除去ですから、つまるところは、手磨きであっても電動歯ブラシであっても、しっかりプラークさえ落とすことができればどちらでも良いというわけです。
したがって、手磨きで十分なプラーク除去ができている方であれば、このままの手磨きで問題ないでしょう。
一方、手磨きがうまくできず磨き残しが出てしまう方、歯磨きに手軽さや時短を求める方は、手磨きよりも電動歯ブラシのほうがおすすめでしょう。
ただし、電動歯ブラシの使い方では、前述したように「ブラシの当て方」がポイントになります。
では、それについて次項で詳しく見ていきましょう。
電動歯ブラシは正しい使い方をしてこそ効果的!ブラシの当て方
電動歯ブラシで効果的なプラーク除去を望むには、使い方の肝となる「ブラシの当て方」を押さえる必要があります。
と言うのは、実際に電動歯ブラシを使っている方の中には、間違った当て方によって歯が摩耗してしまったり、歯茎が炎症を起こしたりなど、口腔状態が悪化しているケースが少なくないからです。
せっかくきれいに歯磨きするための電動歯ブラシが、かえって口腔環境を悪くしてしまっては本末転倒ですよね。
まず、ブラシの当て方で大切なことは、強く押し当てることはせずに、やさしい力でブラシを移動させるということです。
電動歯ブラシには、回転・振動させることでパワフルにプラークを落としていく機能があるため、さらに使用者が力を入れて磨こうとする必要はありません。
毛先が広がらない程度の力で軽く当てることを心がけましょう。
また、通常の手磨きと同様に、歯の部位に応じてブラシの当て方を変えることも忘れてはいけません。
歯面や噛み合わせを磨くときは、歯面に対して垂直に、歯と歯茎の間(歯頚部)は45度の角度でブラシを当てます。
斜めにブラシを当てることで、歯周ポケットに溜まった汚れを効果的に掻き出すことができるでしょう。
電動歯ブラシでも手磨きでも!歯磨き後は補助道具による仕上げをしよう
電動歯ブラシでも手磨きでも、しっかり磨けていればどちらでも良いことが分かりましたが、実は両者ともに、ブラシによる歯磨きだけでは口内全体の60%程度しか磨けないと言われています。
そもそもオーラルケアでは、全体の80%のプラーク除去ができていれば、虫歯や歯周トラブルを予防できるとされています。
つまり、電動歯ブラシであっても、歯磨きだけでは理想的なオーラルケアとしては不十分と言えるわけです。
そこで併用が求められているのが、デンタルフロスや歯間ブラシです。
まず、デンタルフロスは、フロスによって歯間に入り込んだプラークを取り除く補助道具で、電動歯ブラシや手磨きでは届かない汚れをしっかりカバーすることができます。
一方、歯間ブラシは、歯と歯茎の間に大きな隙間ができている場合に使用します。
いずれも市販で手軽に入手できるため、電動歯ブラシや手磨き後の仕上げとして一度使ってみることをおすすめします。
自分に合ったやり方で歯磨きをしよう
電動歯ブラシと手磨きは、正しい使い方・磨き方さえできていればどちらであっても十分なオーラルケアが望めるということが分かりました。
現段階で、手磨きで健康的な口腔環境を維持できているのであれば、そのまま手磨きで問題ないでしょう。
もし、忙しい日々で手軽に歯磨きをしたいのであれば、電動歯ブラシに頼るのも良いでしょう。
また、自宅で高齢者の介護をしている場合も、電動歯ブラシは大いに活躍しますから、検討してみても良いかもしれませんね。