舌が汚れるのは理由がある!歯ブラシを使ったケアはNG!?
歯ブラシ 2019.12.16舌の汚れの正体は「舌苔」!なぜ舌苔はできる?
歯ブラシで歯を磨いている最中、ふと自分の舌を見たときに、汚れがついていることってありませんか?
この汚れを「舌苔(ぜったい)」といいます。
色は白や黄色、ときには緑や黒い苔のような色をしていることもあります。
ではこの舌苔は、なぜできるのでしょうか。
舌苔は、食べかすや口内から剥がれ落ちた粘膜細胞、虫歯菌などの細菌などでできています。
舌苔は少なからず誰にでもあるもので、舌全体がピンク色を帯びており、舌苔が薄く白っぽい色をしているものなら心配する必要はありません。
しかし、問題なのは舌全体が真っ白になってしまったり、黄色っぽかったり、分厚く覆われている場合です。
これほどの舌苔ができてしまうのは、さまざまな原因がありますが、特に多くの原因として考えられるのは、唾液の分泌量が少ない人や、常に口呼吸をしている人などです。
唾液の分泌量が少なかったり、口呼吸がクセになったりしている人は、口内が乾燥しやすくなります。
すると、舌表面がひび割れを起こしたり、唾液がねばねばとべたついたりします。
いわゆるドライマウスの状態ですね。
ドライマウスになると、細菌が増殖しやすくなり舌苔が増える傾向にあるのです。
では、舌苔が増えるとどのような問題が出てくるのでしょうか。
毎日歯ブラシで歯を磨いているのに口臭が!それは舌苔が原因かも!
毎日歯ブラシで歯をしっかりと磨いているのに、口臭が気になるという方は、もしかしたら舌に原因があるのかもしれません。
先述したように、舌苔は正常の範囲内でしたら問題ありませんが、黄色や黒い色をしている場合や、分厚く全体を覆うような場合、口臭が発生しやすくなります。
舌苔には細菌が含まれていますが、この細菌は食べかすや粘膜細胞などに多く含まれるタンパク質をエサにしています。
そして、細菌はこれらを分解するときにガスを発生させ、このガスが口臭の原因になるといわれています。
舌苔がたくさん付着している人は、他人から口臭を指摘されたことがあるかもしれません。
口臭は自分でも分かりにくいため、周りに指摘されて始めて気づく人も多いでしょう。
そのため、日ごろから舌もケアする習慣をつけていくことをおすすめします。
ただし、舌苔を取り除く際はいくつか注意しなければならないポイントがあります。
間違っても、歯ブラシを使って汚れを取り除くのは避けてください。
その理由は次に解説していきましょう。
歯ブラシを使ったケアはNG!舌の汚れは何で取る?
舌の汚れが目立ってきたら、しっかりとケアしてあげましょう。
舌をケアすることは、口臭予防に繋がります。
ただ、ケアをする上でいくつかの注意点があります。
まず、歯ブラシを使って舌の汚れをごしごしと擦り取るような方法は避けてください。
歯を磨くついでに、舌を歯ブラシでケアしてしまう人も中にはいらっしゃるかもしれませんが、どんなに柔らかい歯ブラシでも、舌を傷つけてしまう恐れがあるためです。
舌は他の粘膜に比べると、熱さや痛みに鈍感な部分がありますが、実際は非常にデリケートな場所です。
そのため、歯ブラシを使ったケアは避けるようにしてください。
舌の汚れを取るのには、やはり専用の舌ブラシの利用をおすすめします。
舌ブラシは、歯ブラシのようにブラシがついているものやヘラのような形をしているものなど、その種類もさまざまです。
舌の汚れに応じて選んでみましょう。
舌ブラシの種類や特徴は?
舌ブラシで舌の汚れを掃除するときは、汚れに応じて舌ブラシを選ぶことが大切です。
ここでは、舌ブラシの種類や特徴をご紹介していきます。
●ブラシタイプ
歯ブラシのようにブラシがついているタイプは、ブラシ繊維が溝深くまで入り込むため舌苔を効率よく掻き出します。
舌の汚れが気になるという方は、このブラシタイプがおすすめです。
ただし、ブラシタイプは舌の奥深い溝まで入り込む分、やりすぎは禁物です。
そのため、力加減に注意してください。
加減が難しいという方は、なるべくブラシ部分が柔らかいものを選ぶとよいでしょう。
●ヘラタイプ
へラタイプの舌ブラシは、舌の表面の汚れをそぎ落とすのに効果的です。
基本的に柔らかい素材(シリコン製など)でできているものが多いため、舌を傷つける心配が少ないです。
舌の汚れが軽い場合は、このへラタイプがおすすめです。
ただし、あまりに柔らかいものを選ぶと、汚れを除去する力が弱く、望んでいた効果を得ることができない可能性もあります。
適度に硬さのあるものを選ぶとよいでしょう。
●ブラシとヘラのダブルタイプ
ブラシとへラが両方備わっているダブルタイプの舌ブラシもあります。
ブラシで掻き出した汚れをヘラが集めて除去するため、効率的に舌磨きができるでしょう。
ただし、ヘラとブラシがついていることでヘッド部分が大きく分厚くなるため、舌の奥のほうが掃除しにくいことがあります。
舌の汚れは歯ブラシではなく舌ブラシを!使い方は?
舌の汚れをケアするときは、歯ブラシではなく舌ブラシを使用していきます。
ここでは、舌ブラシの使い方を解説していきましょう。
●使い方
舌苔は舌の中央や奥につきやすいです。
まずは、舌の中央に水で濡らした舌ブラシを当て、奥から手前にブラシを引いてみましょう。
その際、決して力を入れすぎないように注意してください。
前にもお伝えしたように、舌苔が気になるからといって力いっぱいゴシゴシ擦ってしまうと舌を傷つけてしまう恐れがあります。
また、舌に傷や潰瘍があるときは舌ブラシの使用はやめましょう。
奥から手前にブラシを引いたら、その都度水でブラシを洗い流します。
この作業を5回ほど繰り返し、最後にブラシを洗い、口をゆすぎます。
舌ブラシは1日に何度も行う必要はありません。
1日のうち一回を目安に、舌ブラシでケアを行ってみてください。
舌苔を溜めない!できることは?
これまでお伝えしたように、口臭の原因は「舌」にあることが多いです。
舌のケアを歯ブラシで行ってしまう方も多いようですが、舌を傷つける恐れがあり、荒れたり痛みがでたりすることもあります。
舌のケアは、できるだけ専用の舌ブラシを使用して行うことをおすすめします。
また体質によって、舌の汚れがつきやすい人とそうでない人がいます。
汚れがつきやすい人は特に、できた舌苔を取り除くケアだけでなく、舌苔を溜めない環境を作ることも大切です。
では、舌苔を溜めないためにどのようなことを行えばよいでしょうか。
●鼻で呼吸をする
前述したように、口呼吸の人は口内が乾燥しやすくなるため、舌苔ができやすくなります。
できるだけ鼻で呼吸をするように意識してみましょう。
●唾液の分泌を促す
唾液は、口内環境を整える重要な役割を果たします。
そのため、唾液の分泌を促すことができる「すっぱい食べ物」を意識して摂取してみてください。
レモンや梅干などを口にすると唾液がたくさん分泌されるため、舌苔を抑えることに繋がります。
●よく噛む
咀嚼回数にも注目してみましょう。
咀嚼回数は一口30回といわれています。
現代の人は咀嚼回数が少なく早食いの傾向にあります。
食事の際、しっかりと噛むことで唾液が分泌され、舌苔の発生を抑えることに繋がります。
また、硬い食べ物を意識して食べることでも咀嚼回数を増やすことができます。
舌のケアは舌ブラシで行おう!
口臭の原因になる舌苔。
舌苔は誰にでもあるものですが、黄色っぽい色をしていたり、全体を覆うようなものは注意が必要です。
舌苔のケアには舌ブラシを使用しますが、舌は意外にデリケートな部分ですので力加減には注意してください。
また、根本的な解決策としては唾液の分泌量を増やすことも大切です。
ケアや生活習慣を見直して口臭を予防していきましょう。