歯磨き粉はどう選ぶ?フッ素入りを使って子供の歯を健康に

歯磨き粉 2019.09.20

歯磨き粉を毎日使っている方は多いと思いますが、歯磨き粉をつける量は気にしているでしょうか?

歯磨き粉をつけ過ぎると泡で口の中がいっぱいになってしまい、思うように歯が磨けないことが多いようです。

口の中はスッキリするかもしれませんが、磨き残しがあっては困ります。

記事では、歯磨き粉をつける量や使い方の注意点などについて解説します。

そもそも歯磨き粉を使い始めるタイミングは?

子供の歯磨き粉選びやフッ素について見ていく前に、まずは子供が歯磨き粉を使うタイミングやそれまでの過程についておさらいしておきましょう。

まず、口腔ケアは、歯磨きを習慣づけるために歯の生え始めからスタートしますが、子供の乳歯列が完成するのは、子供の成長にそれぞれ差はあれど、おおむね2~3歳頃です。

乳歯列が完成したタイミングで、赤ちゃん用から子供用歯ブラシにステップアップしていきます。

では、子供用歯ブラシと同時に歯磨き粉もスタートすれば良いのかというと、そうではありません。

と言うのも、歯磨き後のうがいがうまくできないうちは、歯磨き粉を誤飲してしまうことがあるため、まずはぶくぶくうがいの練習をしなければなりません。

ぶくぶくうがいは、おおよそ3歳で約半分、4歳で約75%の子供ができるようになると言われています。

したがって、歯磨き粉はぶくぶくうがいができるようになってから使い始めるようにしましょう。

子供用の歯磨き粉の特徴は?選び方のポイント

うがいがうまくできるようになったら、いよいよ歯磨き粉を使って歯磨きをしていきます。

もちろん、歯磨き粉は子供用のものを選ぶ必要がありますが、そもそも子供用の歯磨き粉にはどのような特徴があり、どんなことをポイントに選べば良いのでしょうか。

子供用の歯磨き粉についてよく理解し、子供に合った歯磨き粉を選べるようにしましょう。

・フレーバー

大人用の歯磨き粉は、歯周ケアに合わせて爽快感のある成分が含まれており、子供にとっては「辛い」と感じるフレーバーです。

一方、子供用の歯磨き粉には、イチゴ味やメロン味など、子供が使いやすい甘い香味を使用していることが特徴です。

子供が好きなフレーバーを選ぶことで、歯磨きを嫌がらずに積極的にできるように促します。

・研磨剤が未使用

一般的に、大人用の歯磨き粉の多くには研磨剤が含まれており、歯の着色やステイン汚れを落とす効果があります。

しかし、研磨剤は汚れを落とす力が強い分、歯を摩耗するリスクもあるため、エナメル質が薄いやわらかい子供の乳歯には使用しません。

そのため、子供用の歯磨き粉には研磨剤が未使用となっています。

・発泡剤が未使用

発泡剤は磨く際に泡立たせるものですが、泡立つことで磨けた気になってしまい、磨き残しが多くなります。

また、泡立ってしまうと、歯の汚れが見えづらいこともあり、子供用の歯磨き粉には発泡剤が使われていないものが多いです。

・誤飲しても問題ない

大人用も同様のことが言えますが、子供用の歯磨き粉はさらに健康面への配慮がされているため、多少誤飲しても問題ありません。

以上の子供用歯磨き粉の特徴からも分かるように、子供に合わせてつくられています。

ただし、念のために、研磨剤・発泡剤の未使用については選ぶ際に確認することをおすすめします。

では次に、気になるフッ素入り歯磨き粉について見ていきましょう。

歯磨き粉のフッ素に心配の声も!歯のフッ素について

近年では、歯磨き粉に配合されているフッ素を危険視する声もあり、子供の歯磨き粉に使うことを不安に思う方もいることでしょう。

歯のフッ素について知るためには、単体のフッ素と歯のフッ素の違いを知る必要があります。

まず、単体のフッ素とは、非常に強い酸化作用を持つ猛毒で、このイメージが歯のフッ素と混同する方も少なくないでしょう。

しかし、歯磨き粉や歯医者の処置に使われるフッ素とは、正しくはフッ素とナトリウムが化合したフッ化ナトリウムであり、単体のフッ素とはまるで異なるフッ化物です。

元素が他の元素と化合し、全く異なる化合物に変化することは、言うまでもなく学校で教わってきましたが、例えば二酸化炭素が毒性の強い一酸化炭素に変化するように、そのモノはまるで違ってくるということを理解しておきましょう。

また、日本中毒情報センターによれば、少なくともおよそ3gのフッ化ナトリウムを飲み込みさえしなければ、身体上の危険性はありえないとされています。

3gのフッ化ナトリウムというと、高濃度フッ素歯磨き粉2本分にあたる非現実的な量なので、過剰に心配する必要はないでしょう。

ただし、それでも歯磨き粉や歯科治療でのフッ素について不安があるという方は、歯科医院で相談することをおすすめします。

歯に対するフッ素の効果!虫歯予防には欠かせない働きが

子供用の歯磨き粉の大半は、大人用のものと同様にフッ素が配合されていますが、フッ素濃度が子供に合わせて製造されています。

では、フッ素には具体的にどのような効果があるのか、3つに分けて見ていきましょう。

①歯の再石灰化を促進

そもそも虫歯とは、虫歯菌が口内の食べカスから酸を作り、それが歯の表面を溶かして歯を蝕みます。

酸によって歯からカルシウムイオンやリン酸イオンが溶け出すことを「脱灰(だっかい)」と言いますが、フッ素にはこの溶け出した物質を再び歯に戻し、修復する「再石灰化」を促す働きがあります。

②酸の抑制

歯垢から虫歯菌が生産する酸を抑制する働きがあります。

③歯を強く、丈夫にする

酸に弱い歯のエナメル質を、強く溶けににくく修復してくれます。

以上のように、フッ素には虫歯菌が作り出す酸を抑制することに加え、歯を強く、丈夫に修復する効果が望めるのです。

特に、子供の乳歯は永久歯に比べるとエナメル質が薄く、酸への抵抗力が弱い特徴があります。

そのため、フッ素入りの歯磨き粉を使うことで、歯を虫歯から守ることが望まれます。

子供用の歯磨き粉選び!フッ素濃度のチェック

前項では、歯磨き粉に含まれるフッ素の効果について詳しくお話ししてきました。

ただ、フッ素入り歯磨き粉とはいっても、商品によって含まれているフッ素濃度は様々です。

虫歯予防の重要性を考えると、フッ素濃度はできるだけ高いほうが良いですが、歯磨きやうがいがうまくできない子供は、その分、誤飲が多くなるため、その点を考慮して歯磨き粉選びをする必要があります。

まず、歯磨き粉のフッ素濃度はppmという単位で表されます。

一般的に、4歳未満は500ppm、6歳以上は1000ppmのフッ素濃度が推奨されています。

逆に、フッ素濃度が400ppm以下になってしまうと、効果的な虫歯予防が望めなくなるため注意が必要です。

また、実際に歯ブラシにつける量は、2歳以下は切った爪くらいの量、3~5歳は5m以下を目安にすると良いでしょう。

とは言え、フッ素入りの歯磨き粉を誤飲してしまっても、前述したように、健康被害はまず起こりえないので安心してください。

子供用歯ブラシの選び方も大切!歯磨きに意識を向けさせよう

これまでに、フッ素入り歯磨き粉の効果からその選び方について見てきましたが、歯磨き粉以外にも歯ブラシの選び方も大切です。

歯ブラシ選びの1つ目のポイントは、子供のお気に入りのキャラクター歯ブラシを選ぶことです。

特に、「歯磨き=怖い、嫌い」と認識してしまっている子供には、シンプルで無機質な歯ブラシよりも、好みのキャラクターが入っているものを選ぶと、歯磨きへの嫌悪感を和らげることができるでしょう。

また、子供が歯磨きと積極的に向き合えるように、実際に売り場で見て選ぶとより歯磨きへの取り組みが高まります。

そして、2つ目のポイントは、毛先がやわらかいタイプの歯ブラシを選ぶことです。

歯磨きが慣れない子供の多くは、口内に触れる異物感・不快感から、感覚的に歯ブラシを拒絶する場合があります。

そのため、毛先が固いものよりも、やわからいタイプを選ぶことで、口内への刺激を和らげることをおすすめします。

以上の2つのポイントを参考に、子供と一緒に歯ブラシ選びをしてください。

フッ素入り歯磨き粉は強い味方

子供の乳歯は、永久歯よりも虫歯に弱く、一旦虫歯になると広範囲に広がる傾向があります。

そのため、フッ素入り歯磨き粉は、虫歯になりやすい乳歯には欠かせない虫歯予防の必須アイテムと言えます。

ただし、フッ素が入っているからといって、虫歯にならないわけではありません。

フッ素の効果を過信せず、毎日丁寧な歯磨きを子供に習慣づけさせましょう。

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