虫歯大国日本!歯の健康から考えるオーラルケアの重要性とは

虫歯予防 2019.09.14

子どもの頃から習慣としている歯磨きは、健康な歯を使い続けるための大切なオーラルケアです。

ところが、そんな習慣とは裏腹に、日本は欧米諸国と比べると虫歯が極めて多いことをご存知でしょうか。

しかし、近年ではオーラルケアの重要性が見直され、「歯科予防」の考え方が大きく取り上げられるようになりました。

そこでこの記事では、オーラルケアとは何なのか、その重要性についてスポットを当てていきます。

日本はなぜ虫歯が多い?欧州と比べるオーラルケアへの意識

戦後、目まぐるしい発展により世界に貢献してきた日本は、先進国であるにもかかわらず、欧米と比べると虫歯や歯周病の罹患率が際立って高い傾向にあります。

「先進国なのになぜ」と考える方も少なくありませんが、欧米と日本の虫歯格差には、日本の医療保険制度が欧米よりも充実していることが挙げられます。

例えば、アメリカでは歯1本の虫歯治療に10万円前後の高額な治療費がかかるため、国民は虫歯にならないための「歯科予防」の意識が極めて高いと言えます。

一方で、歯科治療を受けやすい日本では、その分、虫歯になってから治療を始める考え方が多く、虫歯になる前から予防する「歯科予防」の意識が高くありません。

ただこれは、日本人が欧米人よりも歯磨きをしていないという意味ではありません。

厚生労働省の調査によれば、磨き方はどうあれ、少なくとも70%の人が1日2回以上歯を磨いているというデータが出ています。

では、なぜ日本が依然として虫歯大国なのかというと、やはりオーラルケアへの意識や質が圧倒的に低いことが挙げられます。

つまり、習慣として身に付いていても、磨き方の内容や意識が伴っていないことを意味しているのです。

しかし近年、日本でもオーラルケアの重要性が声高に主張されており、予防歯科の指導が積極的に行われるようになりました。

では、オーラルケアとは具体的にどのようなものなのか、次項から詳しく見ていきましょう。

オーラルケアとは?歯磨きだけでは汚れはケアできない

そもそもオーラルケアとは、歯ブラシやデンタルフロスなどで口腔内を清潔に保つことを指します。

歯磨きの習慣が小さい頃から身に付いていることもあり、オーラルケアは毎日しっかりできていると思っている方も多いことでしょう。

しかし、実は、歯ブラシだけでは口内のプラーク(歯垢)を完全に除去することは難しく、全体のおよそ60%ほどしか落とし切れていないことが分かっています。

つまり、歯ブラシによる歯磨きだけで終わらせている場合、残りの40%の汚れはそのまま口腔内に放置されていることを意味するのです。

このようなオーラルケア不足による症状は、口臭が気になったり、口の中が粘ついたり、歯茎から出血するなど、普段生活している中で気付かされることがあります。

これらの症状に思い当たる方は、オーラルケアと改めて向かい合い、歯磨きの方法を見直すことが求められます。

オーラルケアとどう向き合う?予防歯科の重要性とは

では、オーラルケアに対して、私たちはどのような考え方で向き合っていくべきでしょうか。

歯磨きなどのオーラルケアを考えるとき、その根本として「予防歯科」の重要性を知る必要があります。

予防歯科とは、前述のとおり、虫歯になる前の予防を重視する考え方を指します。

つまり、虫歯になってから歯と向き合うのではなく、虫歯にならないようにオーラルケアをしていくことが求められます。

予防歯科のポイントとしては、まず、自分で行う「プラークコントロール」が挙げられます。

プラークコントロールとは、オーラルケアによって虫歯や歯周病の原因となるプラークを除去することですが、前項でお話ししたように、歯ブラシだけでは口内のプラークを全て取り除くことは困難です。

そこで、歯ブラシの届かないプラークをカバーするのが、デンタルフロスなどのオーラルケアアイテムです。

オーラルケアアイテムで効果的なプラークコントロールを

オーラルケアアイテムには様々なタイプが登場していますが、プラークコントロールの代表的なものとしては、デンタルフロスと歯間ブラシが挙げられます。

まず、デンタルフロスとは、虫歯ができやすい歯と歯の間のプラークを取り除く補助道具です。

種類には「糸巻きタイプ」と「ホルダータイプ」があり、フロスを歯間部に入れることでプラークを除去します。

また、歯間ブラシとは、歯と歯茎の間に溜まったプラークを取り除く細長いブラシで、虫歯よりも歯周病予防に適したアイテムです。

デンタルフロスは年齢問わず使用することができますが、一方で歯間ブラシは、歯と歯茎の間が広い部分に使用されるため、40代以降の高年層向けとして推奨されています。

これらのオーラルケアアイテムを併用することで、全体の80~90%のプラークが除去できるというデータも出ていることから、予防歯科のプラークコントロールには欠かすことのできないアイテムと言えます。

また、歯ブラシとデンタルフロス、歯間ブラシ後の仕上げとして、デンタルリンスでうがいをすると、より効果的に口内の細菌活動を抑えることができます。

いずれのアイテムも市販で入手することができますが、歯科医院で販売されているアイテムのほうがよりおすすめされます。

補助道具は歯磨きができてこそ!歯磨きのタイミングと時間

前項では、オーラルケアアイテムを併用したプラークコントロールについてお話ししてきました。

デンタルフロスなどの補助道具の使用は、あくまでも歯磨きがしっかりできてこそ意味があります。

まず、歯磨きに大事なのは、タイミングと時間です。

歯科予防の考え方として、歯磨きのタイミングは朝晩の2回、かける時間は少なくとも3~4分間が必要だと言われています。

特に、歯磨きは夕食後、就寝前が重要であり、朝にできなくても、少なくとも夜は磨くことが推奨されます。

と言うのも、睡眠中は抗菌・自浄効果のある唾液量が一気に減少する時間帯でもあるため、口内の細菌が活発に動き出します。

そんなとき、食べカスが歯や歯の間に残っていると、それをエサに虫歯菌がどんどん繁殖し、プラークが形成される温床となるのです。

また、歯磨き時間をかけすぎるのも、歯にとって良いとは言えません。

日々の歯磨きは、意外と歯の表面にダメージとして蓄積され、特にゴシゴシと磨いてしまうと摩耗によってしみるなどのトラブルが生じる可能性があります。

したがって、歯磨きは少なくとも3~4分間、朝晩の2回行えるのが望ましいでしょう。

早期発見と歯科予防に徹底する!定期検診の重要性とは

オーラルケアの根本である予防歯科では、プラークコントロールの他に歯科医院での定期検診も大きなポイントです。

歯科医院と言えば、口腔内に何らかのトラブルを感じた際に、治療目的に通うイメージが多いことでしょう。

しかし、歯科医院の通院とは、ただ治療のためだけのものではありません。

虫歯になる前に、子どもはもちろん、大人になってからも継続して定期的な歯科検診を受けることで、自分の歯の状態や歯磨き状況を常に把握することができます。

例えば、人によって虫歯のかかりやすさや原因は異なります。

また、普段からしっかり歯を磨いていても、自分の磨き方は正しいのか、どの程度のプラークが磨けているのかは自分では分かり得ません。

そこで、歯のプロである歯科医師や歯科衛生士に自分の歯の状況を見てもらった上で、歯磨き指導や歯石除去、クリーニング受けることができれば、虫歯や歯周病のリスクをぐんと下げることができるはずです。

また、口腔トラブルの早期発見が望め、重症化する前に早期治療ができる一石二鳥のメリットもあります。

トラブルを感じる前に、数か月に一度のペースで検診に訪れることをおすすめします。

日頃のオーラルケアを見直して

オーラルケアは、歯ブラシだけで口腔ケアを行うことではありません。

デンタルフロスなどの補助道具をプラスし、徹底したプラークコントロールができてこそのオーラルケアです。

また、補助道具で効果的なオーラルケアを図るために、時間やタイミングにも意識してみてくださいね。

コンプレックスなく明るい未来を。株式会社ソーシャルテック

RANKING

人気記事