前歯の詰め物が取れそう!原因は何?放って置いても大丈夫?
虫歯予防 2019.08.31前歯の詰め物が取れそうな原因は?
なぜ治療して治したのに、前歯の詰め物が取れそうになるのかご存知ですか?
患者さんの中には、「治療したからもう大丈夫!」と思って、安心している方が多くいます。
しかし、1度治療して削った歯は治療していない歯に比べて、虫歯になりやすく大きな力が加わると、前歯の詰め物が欠ける事もあります。
治療で削る度に、歯はもろくなり寿命が縮んでしまいます。
前歯の詰め物が、取れそうになる原因は次のとおりです。
①前歯の詰め物の下で虫歯になっている
詰め物の下で、また虫歯になる事があります。
その場合接着した場所が剥がれやすく、前歯の詰め物が取れる原因となるのです。
②噛み合わせが強い
詰め物をした歯の噛み合わせが強いと、接着はしていても大きな力が加わり、取れる事があります。
③詰め物をする時の清掃と乾燥が十分でない
これは、歯科医師・歯科衛生士の技術の問題です。
歯を削って詰め物をする時は、洗浄・清掃・乾燥をします。
これらが十分にされていないと、前歯の詰め物が取れやすくなるのです。
④窩洞が取れやすい形
窩洞とは、歯を削ったときの形です。
虫歯の部分を除去した後、詰め物が取れにくい形に窩洞を歯科医師が整えます。
窩洞の形が悪いと、詰め物が取れやすくなります。
⑤前歯の詰め物が古い
詰め物は、一生持つわけではありません。
古い詰め物は、接着剤が溶けて取れる事があります。
前歯の詰め物が取れそうになる前に、少しでも当てはまる原因がありそうでしたら、歯医者さんで診てもらって下さい。
前歯の詰め物が取れそうな時の前兆は?
前歯の詰め物は、急に食事中などに取れる事があります。
しかし、取れる前に前兆もあるので、見逃さないで欲しいと思います。
では、詰め物が取れそうな時の前兆をご説明します。
①詰め物の隙間が開いた感じがする
詰め物が取れかかって、自分の歯と詰め物の間に隙間が開いている状態です。
②詰め物をしている歯がしみる
神経が残っている歯の、詰め物が取れそうな場合は、刺激が直接伝わるので歯がしみます。
③噛むと痛みがある
取れかかっている詰め物は噛むとずれるので、その度に刺激が伝わり痛みがあります。
このような事が少しでも当てはまれば、詰め物が取れそうになっているサインです。
前歯は、食べ物を噛みきる時に使う大切な歯です。
前歯の詰め物が、取れそうな前兆がある時に無理して使うと、詰め物が取れるだけではなく、残っている歯が欠けたり割れる原因にもなります。
詰め物が取れそうな前兆がある時は、見逃さずに直ぐに歯医者さんへ行きましょう。
前歯の詰め物が取れそうな時はどうしたら良いの?
詰め物が取れそうな前兆や原因がある時は、歯医者さんへ行く事が一番良いのですが、忙しくて直ぐに行けない場合は、どうしたら良いかご説明します。
大切なのは、詰め物が取れそうな時には、その歯を使わない事です。
食べにくいと思いますが、別の歯で食べて食べ物は小さく切って、かじりつく事の無いようにしましょう。
硬い食べ物は控えて、柔らかい食べ物を選んで下さい。
神経が残っている歯は、刺激が伝わりやすくなっているので、極端に熱い物・冷たい物はやめましょう。
歯にくっつきやすいガムやキャラメル、飴も気を付けなくてはいけません。
詰め物が取れて来院する患者さんで、1番多いのは食べ物を食べていて、詰め物が取れる方です。
前歯の詰め物が取れそうな時は、食事を控えたり十分に注意して食べる必要があります。
取れそうな前歯の詰め物を放置するとどうなる?
取れそうな詰め物は、外れかかっているので、隙間から汚れや細菌が入ります。
入った汚れは、歯ブラシやうがいでは取れないので、詰め物の下で虫歯になる事が多くあります。
特に注意して欲しいのは、神経を取っている歯の、前歯の詰め物です。
神経を取っているので、痛みが無く虫歯になっているか、分からないままになります。
詰め物が取れかかっていると、気が付いた時には大きな虫歯になっていて、最悪の場合抜かなくてはならない場合もあります。
また、取れかかっている詰め物は、汚れが入り込むため、口臭の原因にもなるのです。
狭い隙間に、汚れがずっと入ったままなので、細菌が繁殖して臭いにおいがします。
口臭は自分では分かりづらいので、知らないうちに話し相手を、不快にしている事があるのです。
そして、隙間に入った汚れがお口の中に常にあるので、食べ物と一緒にその汚れを知らないうちに、飲み込んでいる事になります。
汚れがずっとお口の中にある事は、誤嚥性肺炎の原因にもなりかねません。
取れそうな詰め物の対処法
取れそうな前歯の詰め物は、歯医者さんで対処してもらいます。
自分ではどうすることも出来ない部分ですので、ちょっとした違和感があればすぐに歯科医院で診てもらいましょう。
流れとしては、状態をチェックするためにレントゲンを撮影します。
医院によっては取らない場合もあります。
その後、取れそうになっている詰め物の具合を判断して、適切な処置を施していくのが一般的な流れです。
また、詰め物には大きく分けて2種類あります。
1つ目は、コンポジットレジンという材料を削った歯に詰め、可視光線という特殊な光を当てて硬化させるのです。
コンポジットレジンでの詰め物は1日で終わります。
2つ目は、型取りをして削った歯に、詰め物を接着する方法です。
1回目に歯を削り、型取りをします。
型取りをした模型をもとに、歯科技工士が詰め物を作ります。
詰め物は、保険内だと銀歯になり、保険外だとお値段は高くなりますが、白くできるので見た目は気になりません。
2回目に来院したときに、詰め物を接着して終わりになります。
虫歯が大きかったり、治療する歯が多い場合は、回数が多くかかります。
前歯の詰め物が、取れそうにならないよう注意する事は?
前歯の詰め物が取れそうになっては、見栄えが悪くなって大変です。
食べ物は思うように食べられないし、痛みが出る事もあるので、詰め物が取れないように気を付けなくてはなりません。
治療した歯は、一生持つわけではなく、定期的なメンテナンスが大切になります。
詰め物が取れてしまえば、患者さん自身も気が付きますが、取れそうな詰め物は自分では気が付きにくいのです。
知らないうちに、取れかかった隙間から汚れが入りこんで、虫歯や歯周病にもなる恐れがあります。
中途半端についている詰め物ならば、取れてしまった方がよっぽど良いのです。
長く取れそうな詰め物を、知らないで放置しておくのは、歯の寿命を大きく縮めます。
鏡で詰め物を見ても、取れそうになっているか分からないので、定期的に歯医者さんにメンテナンスに行く事を大切にして欲しいと思います。
詰め物をした時こそメンテナスを!
上記で述べたように、前歯の詰め物が取れないようにするには、メンテナンスが1番大切です。
日本は先進国の中でも、歯に関する意識が低く80歳では多くの方が、入れ歯になっているのが事実です。
歯の先進国のスウェーデンは、多くの人が80歳で20本の歯が残っています。
この差は、日本人がメンテナンスに対する意識が低い事が、原因と考えられます。
前歯の詰め物が、取れそうになる前に定期的なメンテナンスに是非、通って下さい。