大臼歯、小臼歯の大切な役割!抜歯後は食事にどう影響する?

歯科矯正 2019.05.15

大臼歯、小臼歯は各々第1、第2にわかれ上下合わせ16本生えています。

通称、奥歯といわれる歯の数ですが、永久歯28本中半分以上を占めているのです。

食事時の食物をよくかみ砕いたり、すり潰すことにおいて重要な役目を果たしています。

この奥歯(大臼歯・小臼歯)について、他にある大切な役割や、抜歯時の食事摂取時にどんな影響があるのかご紹介します。

永久歯へ生え変わりは食事に苦労!小臼歯・大臼歯の名称とその役割

永久歯へ生え変わった時を思い出してみてください。

乳歯がぐらぐらして噛むと痛みがあり、食事を摂るにも苦労したことを覚えているのではないでしょうか。

生え変わる時期ですが、5~6歳頃で下あごの前歯、次に上あごの前歯が生え変わるといった流れが多くあります。

実はこの時期、見た目ではわかりませんが奥歯、第一大臼歯(六歳臼歯)も生え変わりを始めています。

臼歯とは歯列の一番奥に生えており、ほぼ平らな臼状をした食べ物をすり潰す役割を担っている歯です

手前から奥に向かい小臼歯、大臼歯と生えています。

そして、「第一・第二」小臼歯、「第一・第二・第三」大臼歯と呼ばれています。

大臼歯は第三までありますが、この歯が通称「親知らず」です。

第一大臼歯は奥歯の中で一番噛みつぶす力が強くまた、歯をしっかり噛みしめた時、咬みあう高さを決め、保持していく役割を担っています。

もしも、第一大臼歯を抜歯等で失う事があると物を噛む力は激減してしまいます。

そして、抜いた部分の影響により周囲の歯が移動を始め、噛み合わせに悪影響を及ぼします。

食事以外で小臼歯の働きは?抜歯後処置を放置でトラブルに!

奥歯の名前で通っている大臼歯ですが、文字通り大きい臼歯でしっかり物を噛んだり、すり潰す役割があります。

そして、小臼歯は前歯(中切歯)で噛みきった食物を、大臼歯へ送り込む中継約として大切な役目を担っています。

また、もう一つ、小臼歯が食事以外で果たしている役割があります。

それは下あごの動きを調整していることです

頭蓋骨に固定されている上あごと違い、下あごは顎関節や側頭骨で繋がっているだけでとても不安定です。

そこで、前歯は下あごが前に出るのを一定の位置でガードしており、サイドの動きは犬歯、小臼歯や大臼歯が安定させています。

食事などで物を噛むと下あごは些少ですが後ろに下がり、その時に噛みあう歯は第一小臼歯だけなのです。

そして、それ以上下あごが後方にいかないようストッパーの役目と、下あご保護の役割を担っています。

また、第一小臼歯が噛み合って、下あごの安定と歯のかみ合わせ全体の基準になります。

基準点がないと顎関節がずれたり、炎症を起こすことになるので大切な役目です。

何らかの原因で第一小臼歯が抜歯され、抜けたままにしておくと上記したトラブルに合う確率が増えてしまいます。

小臼歯の働きは重要!食事とストレス発散に一役買っている

食事において、噛む力が大臼歯ほど強くない小臼歯ですが、前章のとおり大切な役目がありました。

そしてもう一つ、日々の生活や、仕事上のストレスを発散するためにも一役買っています。

それは、「歯ぎしり」です。

俗に、「歯ぎしり」をする、というとあまり良い意味にとれませんが、ストレス発散の手助けをしています。

私たちは就寝中、無意識に歯を食いしばることでストレスを解消します。

もちろん、過度(歯が削れや、抜歯するほど)の歯ぎしりは、マウスピースを使用する必要がありますが、適度な歯ぎしりは、憂鬱、不安を解消するためには必要です。

また、因果関係ははっきりしませんが、飲酒、喫煙は「歯ぎしり」の症状悪化に影響するといわれます。

適度にストレス発散をサポートし、少しおかしな表現ですが、「良い歯ぎしり」をするために第一小臼歯が大切な役目をしています。

その役目は、第一小臼歯によってあごが不必要に後ろに下がるのを防ぎ、それにより適した「歯ぎしり」ができるのです。

審美歯列矯正に伴う小臼歯を抜歯する理由や食事時の痛み

現在の審美歯列矯正は、前歯が大臼歯や小臼歯等に押され歯列からはみ出した歯並びを直す治療です。

歯並びが悪くなる原因の一つは、歯列から歯がはみ出てしまうことです。

なぜ歯列からはみ出すのかというと、あごが小さく、歯が並びきらないためです。

そして、スペースを作るため歯を抜くことになりますが、どの歯を抜歯するか問題になります。

やはり、審美上肝心な前歯「中切歯・側切歯・犬歯」は抜歯できませんし、大臼歯はあごの奥にあり、そこまで歯を動かすことも大変手間がかかります。

そこで、一番効率よく歯を動かせる、犬歯の後ろ(第一小臼歯)が抜歯の対象になります。

第一小臼歯を抜歯後に矯正用ワイヤーで調整しますが、ワイヤー装着時当初は歯が動くことで食事時や、歯を噛みあわせるだけでも痛みを伴うのです。

大切な役目の小臼歯を抜いてしまうので、下あごの安定や、顎関節を保護する役目は犬歯になるよう歯列矯正します。

親知らず抜歯後のトラブル、痛みが続く「ドライソケット」

小臼歯や、大臼歯を抜歯するケースはどんな時でしょうか?

やはり、「親知らず」のトラブルで抜歯するケースが多くなります。

前歯等の根は一本ですが、小臼歯は2本、大臼歯・「親知らず」の根元は3本です。

そして、根が深く、横に曲がって生えることが多い「親知らず」を抜歯すると、ポッカリ大きな穴が空きます。

大きな穴は開きますが抜歯中の痛みは麻酔が効き、あまり気になりません。

そして、抜歯後の麻酔切れについても、痛み止めを飲みある程度抑えられます。

通常、抜歯後、日ごとに痛みが抑えられ回復に向かいます。

ところが、数日たっても痛みが治まらず、それも強い痛みの症状が続く場合があるのです。

そのようなときに疑われるのは、「ドライソケット」の可能性があります。

抜歯後空いた穴に血の固まり「血餅(けっぺい)」が蓋をして徐々に穴をふさいでいくのですが、その穴がふさがらず骨もむき出しのままになってしまう症状です。

ドライソケットになると食事時、空いた穴に食べ物がつまったりしますので、歯科医院での消毒や、食後に口中をしっかりゆすぎ清潔に保たなければなりません。

ドライソケットの回復までは、個人差はありますが約1ヵ月位かかります。

小臼歯・大臼歯・親知らずを抜歯!回復まではどんな食事を摂る?

小臼歯・大臼歯・親知らず等抜歯後の空いた穴を、血餅が蓋をしてキズの回復を図ります。

そして、抜歯後のキズの治癒を促すには血液が必要なのです。

血液を作るには十分な栄養を食事により摂取し、体中に十分栄養がいきわたらないと抜歯後のキズの回復もままなりません。

そして、抜歯治療直後の麻酔効果が残っている間は、痛みや熱さを感知できませんので2~3時間空けてください。

その状態で食事を摂ると気づかないうちに口腔内のヤケドや、噛むといったトラブルに見舞われることがあるからです。

麻酔効果が切れてからの食事ですが、抜歯当日は治療痕が新しく蓋の役目の「血餅」が取れないよう、柔らかいおかゆ・雑炊や、刺激が少ない食べ物を摂るよう心がけます。

その後、数日間は徐々に元の食事メニューに戻していきますが、食物の硬さに注意し味付けにも注意しましょう。

抜歯後どうしても食欲がでない場合もあります。

しかし、前述のとおり抜歯後のキズの治癒には血液が必要になります。

メニューに工夫を凝らし栄養豊富な食事を摂ることを、心がけてください。

大切な役目を持って生えている前歯、奥歯を生涯のお供に!

歯は当たり前にのように生えているため、日頃これと言って意識していません。

あえて意識するのは、歯痛の時、とても苦しむことで日頃の手抜きの歯磨きを反省するくらいですね。

しかし、それぞれ大切な役目を持ち私たちの健康を陰で支えてくれています。

「歳を重ねたから歯を失うのは仕方ない」とあきらめず、日頃から丁寧なブラッシングを心がけ、失うことなく生涯のよきパートナーにしましょう。

コンプレックスなく明るい未来を。株式会社ソーシャルテック

RANKING

人気記事