歯ブラシの硬さはどう選ぶ?硬め・ふつう・柔らかめの特徴
歯ブラシ 2020.04.26自分に合った歯ブラシは硬め・柔らかめ?口腔状態に合わせた選び方
習慣的なオーラルケアでは、正しいブラッシング方法ばかりが注目されがちですが、自分の口腔状態に合った歯ブラシの硬さ選びも忘れてはいけない大切な要素です。
と言うのは、たとえ習慣的にしっかり歯磨きをしていても、自分に合っていない歯ブラシを使っていれば、口腔内にとって良くないトラブルを招きかねないからです。
つまり、良かれと思ってやっていたことが、かえって口腔状態を悪化させるリスクがはらんでいるのです。
例えば、ブラッシング圧の強い磨き方で硬めの歯ブラシでゴシゴシ磨けば、歯の表面や歯茎を傷つけてしまい、知覚過敏や歯茎下がりを引き起こす可能性があります。
また、歯肉が健康で頑固なプラーク(歯垢)がつきやすい口腔状態の場合、柔らかめの歯ブラシでは虫歯予防に適う十分なプラークを落とすことが難しいでしょう。
このような口腔トラブルを防ぐためには、まずは自分の口腔状態を知り、自分に合った歯ブラシの硬さを選ぶ必要があります。
オールマイティに磨ける「ふつう」の歯ブラシ!健康的な口腔状態の方に
前述したように、自分に合った歯ブラシが「硬め」なのか「柔らかめ」なのか知るためには、まずは自身の口の中の状態を把握することが先決です。
自分の口の中がどのような状態なのかは、目で見たところで素人にはなかなか分かりませんが、特に歯医者にかかることもなく健康的な口腔状態である場合は、「ふつう」の硬さがおすすめでしょう。
メーカーによっては、ふつうは「M(ミディアム)」と表記されています。
毛先の硬さがふつうの歯ブラシは、正しい磨き方ができている限りでは、歯や歯肉を傷めることなく、効率良くプラーク除去が望めます。
3種類の硬さの中では、最もバランスが良くオールマイティに磨ける歯ブラシと言えるでしょう。
ただし、それはあくまで正しいブラッシングができていることが前提です。
前項の例で挙げたように、普段からゴシゴシと力強く歯磨きをしている場合は、ふつうの硬さでは歯や歯茎に負担をかけるリスクが考えられます。
そのため、自身の歯磨きのやり方を見直すか、歯ブラシを柔らかめにして歯や歯茎へのダメージを軽減することが望ましいでしょう。
「柔らかめ」の歯ブラシで負担を軽減!歯周トラブルに悩む方に
オールマイティに磨けるふつうの歯ブラシに続いて、「柔らかめ」の歯ブラシについて見ていきましょう。
「S(ソフト)」とも表記される柔らかめの歯ブラシは、敏感な歯や歯肉を配慮したやさしい毛先が特徴です。
主に歯肉の炎症や歯根の露出、出血などで悩まされている口腔状態を指し、比較的重い歯周トラブルに悩んでいる方に向いています。
柔らかめの歯ブラシでは、しっかり磨いてプラークを除去するというよりも、デリケートな口腔内へのダメージを緩和しつつ、歯や歯肉の境目を磨くことに重点が置かれています。
つまり、虫歯予防よりも歯周トラブル予防向きと言えます。
そのため、硬めやふつうの歯ブラシに比べると、プラーク除去能力に劣るでしょう。
また、歯周トラブルに悩んでいる方は、すでに歯医者にかかっている方も多いと思います。
歯医者では、治療を兼ねて正しいブラッシング指導を行って口腔状態の改善を図りますが、その一環として歯ブラシの硬さについても言及してくれるはずです。
後述しますが、歯医者で販売されている歯ブラシの中には、より重度の歯周トラブルに配慮したさらに柔らかめのタイプもあるので、診療の際に聞いてみるのも良いでしょう。
「硬め」の歯ブラシはあまりおすすめされない?多くはふつうか柔らかめ
では、柔らかめの歯ブラシに対して、「硬め」の歯ブラシはどうでしょうか。
「H(ハード)」とも表記される硬めの歯ブラシは、磨き心地がしっかりしているため、爽快感を得たい方、中でも男性に選ばれやすい硬さです。
しかし、結論から言うと、硬めの歯ブラシが推奨されるケースはほとんどなく、多くはふつうか柔らかめが使われることが一般的です。
と言うのも、硬めの歯ブラシは毛先がハードなぶん、プラーク除去能力には長けていますが、歯の表面や歯肉を傷つけやすく、かえって口腔トラブルを引き起こしかねません。
つまり、硬めの歯ブラシを使用する場合は、歯や歯肉が健康的なことはもちろん、歯の部位ごとに毛先の硬さを考慮した、高いブラッシング技術が求められるというわけです。
そうでない以上は、リスクの高い硬めの歯ブラシではなく、無難にふつうの硬さを選ぶほうが賢明でしょう。
ただし、普段からブラッシング圧が弱めの方には、小さい力でもプラークを落とせる硬めの歯ブラシがすすめられることもあります。
6種類もの硬さを選べる歯ブラシも!歯科専売品のタフト24
これまでに、硬め・ふつう・柔らかめの歯ブラシの特徴や選び方について詳しくお話ししてきました。
一般的に販売されている歯ブラシは、硬め・ふつう・柔らかめの3種類がほとんどですが、前述でも少し触れたように、実はさらに硬さが細かく分けられた歯ブラシもあります。
それは株式会社オーラルケアがプロデュースする、歯科専売品の「タフト24」です。
タフト24では、実に6種類もの歯ブラシの硬さがラインナップされており、様々な口腔状態に対応したケアが可能になっています。
中でも、歯周トラブルに悩む方には、柔らかめのS(ソフト)に加え、SS(スーパーソフト)、ESS(エクストラスーパーソフト)といったよりデリケートな口腔状態を考慮した硬さが揃っています。
歯周トラブルだけではなく、抜歯後や手術後の口腔内にも対応することができます。
さらに、ふつう(M)の他にも、MS(ミディアムソフト)というやや柔らかめのタイプもあり、ブラッシング圧が強い方に推奨されています。
歯科専売品なので、歯医者の受付で販売されていることが多いですが、詳しくはかかりつけの歯医者に問い合わせてみてください。
また、ネット通販でも販売されているので、気になる方はチェックしてみてみましょう。
硬め・柔らかめ以外にも注目したい!材質や毛先の形状もチェック
オーラルケアのための歯ブラシの選び方では、硬めや柔らかめといった歯ブラシの硬さ以外にも注目すべき点があります。
それは、歯ブラシの材質や毛先の形状です。
【材質】
まず、一般的に出回っている歯ブラシの95%は、その材質がナイロン製と言われています。
ナイロン製の歯ブラシは、吸水性が低いぶん、速乾性と耐久性に優れたおすすめの材質ですが、ナイロンよりも柔軟性・弾力性・耐久性が優れているのが、PBT素材(飽和ポリエステル樹脂)です。
PBT素材は、タフト24をはじめとする歯科専売品に使用されています。
普通に歯磨きをするうえでは、ナイロン製で十分ですが、より良いものを使いたいという場合は、PBT素材の歯ブラシを使うことをおすすめします。
【毛先の形状】
歯ブラシの毛先の形状は、主にラウンドカットとテーパード(山切りタイプ)の2つの種類がメジャーですが、一般的にはラウンドカットの形状が推奨されます。
まず、先端が細くなっているテーパードは、歯と歯の間や歯周ポケットのプラークを落としやすい形状ですが、歯面のプラークをしっかり捉えることが難しく、ブラッシング時に毛先が寝てしまうデメリットがあります。
それに対し、ラウンドカットは毛先がフラットなため、歯面に接する面積が広く、力を均等にかけられる特徴があります。
歯面のプラークをしっかり捉えて除去できるラウンドカットは、テーパードに比べて磨き残しを少なくすることができるでしょう。
以上のように、材質でも形状でも様々なタイプがあるので、よく特徴を知って選ぶことが大切です。
より良い歯磨きにつなげるために
歯磨きはただ磨けば良いというわけではなく、使っている歯ブラシの選び方から注目することが大切です。
中でも、歯や歯肉に関わる歯ブラシの硬さは、安直に磨き心地だけで決めるのは避けたほうが良いでしょう。
それぞれの特徴をよく知り、自分の口腔状態に合わせた硬さを選ぶことができれば、より良い歯磨きにつながるはずです。