保育園での歯磨き指導はどう行う?子どもと楽しく歯磨きを

虫歯予防 2019.09.11

好奇心旺盛の子どもたちに、興味のない歯磨き指導を行うのは一苦労ですよね。

歯磨きは歯の健康にとっては大切でも、子どもにとってはただ退屈で、楽しくない時間だと思う子もいることでしょう。

そのような子どもたちにどのように歯磨き指導をすれば良いのか、悩んでいる保育園もあるのではないでしょうか。

この記事では、子どもたちが家庭でも歯磨きができるような、保育園での歯磨き指導についてお話していきます。

保育園の歯磨き指導はなぜ大事?子どもの歯を健康に維持することとは

保育園は、手洗いや食事のマナーなど、サポートをしながら生活習慣を身に付けさせる場でもありますが、食後の歯磨きもその一つです。

保育園での歯磨き指導は、小学校にあがるまでに歯磨きを習慣づけさせる貴重な時期であるため、いかに子どもたちに歯磨きの大切さを伝えるかが重要になってきます。

ではまず、そもそも歯の健康が子どもにとってなぜそれほど大切なのかをお話していきましょう。

①よく噛む力を育てる

歯が健康だと、食べ物をしっかりよく噛んで食べることができます。

胃での消化・吸収を促すことに繋がり、育ち盛りの子どもに十分な栄養を行き渡らせる役割を果たします。

また、よく咀嚼することで、脳の発育を活性化し、顎の健康な発達に繋げていきます。

②おいしさを味わって感じる

よく噛むことで食べ物をおいしいと感じることができ、その楽しみが食欲となって子どもの体を健康につくっていきます。

子どもの味覚や食べ物の好みも、噛んでこそ出てくるものです。

③正しい発音を育てる

歯が生えそろうと、子どもはより多くの言葉を習得し、発音を身に付けていきます。

しかし、歯の健康状態が良くないと、正しい発音をすることができず、話す力を育てることができなくなってしまいます。

以上のように、子どもの歯の健康を保つことは、子どもの心や体の大きな発育に繋がっているのです。

歯磨き指導を行う上で知っておきたい!子どもの乳歯の特徴は?

前項では、子どもの発育に歯の健康が重要な役割を果たしていることをお話しましたが、これは、それだけ子どもが虫歯になりやすいということを意味しています。

そもそも、生まれたての赤ちゃんは、その口内にミュータンス菌(虫歯菌)を持っていません。

しかし、身近な親とのコミュニケーションによって、親から子どもへ虫歯菌が移ります。

子どもの口内に移った虫歯菌は、糖分を多く含む食べカスを栄養にして、歯を溶かすもととなる歯垢をつくっていきます。

特に子どもの乳歯は、永久歯と比べるとエナメル質が薄く、柔らかい特徴があるため、一度虫歯になると短い期間で重篤になる傾向が顕著です。

また、虫歯になった歯だけに限らず、隣接する両隣の歯に渡って広範囲に広がりやすいことも、乳歯の虫歯の特徴です。

このような虫歯になりやすい乳歯の特徴は、保育園で歯磨き指導を行う前提として、理解しておくべきポイントです。

健康な乳歯は永久歯の源に!乳歯の健康維持について

保育園で歯磨き指導を行う上では、乳歯の特徴に加え、乳歯の健康を維持する必要性についても押さえておきたいポイントです。

と言うのも、乳歯が将来的に永久歯に生え変わることを理由に、乳歯の健康が蔑ろにされる傾向があるからです。

「どうせ抜けるから」と考えるのは安直で、実は乳歯が虫歯になることは、生え変わる永久歯にいくつかの悪影響を及ぼすことが懸念されます。

まず一つ目は、永久歯の発育不全を起こす点です。

乳歯の虫歯が進行すると、歯の根っこに細菌が感染することで、その直下に待機している永久歯が発育不全を起こす可能性があります。

例えば、歯の形が変形したり、表面が変色するなど、永久歯の質や形に障害が生じます。

二つ目に懸念される点は、歯並びが悪くなることです。

乳歯は永久歯が生えてくるスペースを確保する役割も担っています。

そのため、万が一、虫歯で乳歯が失われてしまうと、両隣の歯が寄ってきてしまい、結果的に永久歯の生える位置がずれてしまいます。

また、虫歯が痛くなることで噛み合わせが偏り、顎がうまく発達しないケースもあります。

これもまた、歯並びが悪くなる原因の一つです。

以上のように、永久歯をより丈夫に、並びをよりきれいにさせるためにも、乳歯の健康は決して無視できませんね。

保育園の歯磨き指導は工夫して!楽しく分かりやすくをモットーに

これまでに、乳歯の特徴やその健康を守る重要性について詳しくお話してきました。

虫歯の治療や歯を失う大変さは、私たち大人がよく知っているからこそ、子どもによく知ってもらい、歯磨きを習慣づけさせる必要があります。

しかし一方で、子どもは好奇心旺盛であるがゆえに、習慣的に繰り返す歯磨きを退屈な時間と捉えがちです。

特に、一人で歯を磨けるようになると、歯磨きが面倒臭いと思うようになる傾向もあり、磨き方が雑になる子も出てきます。

そんな自由きままな子どもたちに、退屈させない歯磨き指導を行うことは容易ではなく、多くの保育士が悩むところでしょう。

保育園で歯磨き指導をするにあたり、まずおすすめできるのが絵本を読むことです。

歯磨きの大切さや虫歯をテーマにしている絵本を通して、子どもたちに分かりやすく伝えることができます。

また、絵本のキャラクターを見ながら楽しく読み聞かせができるので、子どもが退屈することもありません。

さらに、歯磨きを題材にした動画を、映画感覚で見せるのもおすすめです。

子どもに人気のキャラクターが登場するものもあるので、より興味を持って映像を見てくれるはずです。

「歯磨き=退屈」ではなく、「歯磨き=楽しい、大切」という認識を子どもたち持ってもらいましょう。

保育園で歯磨き指導を始めるタイミングは?

保育園での歯磨き指導は、目を通して歯の大切さを知ってもらうこと、そして楽しみの要素をプラスすることが大切だと分かりました。

では、保育園での歯磨き指導は、いつから始めれば良いのでしょうか。

推奨される理想の時期は、歯が生え始めたタイミングです。

歯が生え始める0~1歳児は、歯も数本しか生えていないため、念入りに歯磨きをする必要はありませんが、これには「食後は歯を磨く」という習慣を身に付けさせる目的があります。

また、生まれて初めて体験する歯磨きは、口内に異物を感じる感触もあるため、子どもが違和感を覚えるケースも少なくありません。

そこで、歯が生え始めた時期に徐々に慣れされていくことで、歯ブラシに対する警戒心も和らげることができます。

歯磨きをする際は、恐怖心を抱かせないように歌や遊びをプラスし、歯ブラシはできればキャラクターものを使うことがおすすめです。

磨くよりも、習慣づけるための練習を始めていきましょう。

保護者への啓蒙と連携も重要

保育園で歯磨き指導を行っていても、家庭で子どもが歯磨きをしていなければ意味がありません。

そのため、子どもへの歯磨き指導は保護者との連携が大変重要です。

共働き世帯も増えている近年では、子どもの歯を管理する意識が疎かになる家庭もあり、歯磨きの時間を確保することもなかなか難しくなっています。

しかし、これまでお話してきたように、乳歯は細菌への抵抗力が弱く、虫歯も重篤になりやすいため、朝晩の歯磨きはしっかり家庭で行ってもらう必要があります。

したがって、保育園で歯磨き指導を始めたタイミングで、保護者には家庭でも歯磨き指導を行うように連携をとることが求められます。

また、保育園での歯磨き時の様子や状況をその都度伝えるようにし、家庭での歯磨きを促すようにサポートすると良いでしょう。

保育園と家庭で協力し、子どもの歯の健康をしっかり守っていきましょう。

工夫した歯磨き指導で歯磨きの意欲を

子どもの歯磨きを習慣化させることはなかなか難しく、子どもの成長に伴って余計にスムーズにいかなくなることもあるでしょう。

しかし、工夫した歯磨き指導で、より楽しく、より分かりやすく伝えることができれば、子どもも積極的に歯を磨く意欲が出てくるはずです。

保護者としっかり連携しながら、子どもに歯磨きの習慣づけをしていきましょう。

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