歯磨きをしないで寝るとどうなる?寝る前の歯磨きは大切!

虫歯予防 2019.09.10

歯磨きは、多くの方が毎日習慣としているオーラルケアです。

しかし、仕事の疲れで歯を磨くのが億劫になったり、遅くまで飲んでそのまま寝てしまうことも少なくありません。

「一日くらい大丈夫だろう」と思っていると、だんだんと歯磨きをしない習慣が身についてしまうこともあります。

この記事では、寝る前に歯磨きを怠るとどうなるのか、そのリスクや歯磨きの大切さについて詳しくお話していきます。

歯磨きは一日何回行う?少なくとも寝る前の夜は歯磨きを!

みなさんは一日に何回歯磨きをしていますか。

多くの方が毎日行っている歯磨きは、人によって一日の回数も異なってきますが、オーラルケアの理想的な回数としては、一日2、3回、食後に行われることが望ましいとされています。

しかし、朝はバタバタしたり、夜は仕事疲れでそのまま寝てしまったりと、なかなか歯磨きをしない・できない方も少なくなく、口腔内の環境が悪化し、口腔トラブルに悩まされるケースもあります。

特に、寝る前の歯磨きは、一日の中で最も大切なオーラルケアと言われており、朝・昼の食後にできなくても、少なくとも夜だけはしっかり歯磨きをすることが推奨されています。

例えば、一日3回の歯磨きを雑にやるくらいなら、夜だけに徹底して行うほうが歯科予防になるとさえ、歯科医院では言われているほどです。

寝る前に歯磨きをしないとどうなる?虫歯になる仕組み

では、歯磨きをしないで寝るとどうなるのでしょうか。

それを知るために、まずは口腔トラブルに繋がる細菌の仕組みを知る必要があります。

まず、口腔内には様々な細菌が棲みついていますが、虫歯の原因となるのは「ミュータンス菌」です。

ミュータンス菌は、食後の食べカスに含まれる糖分をエサにして、歯や舌の表面にネバネバした歯垢(プラーク)を形成していきます。

朝起きた際に、時たま感じる口内のネバネバの正体は、この歯垢です。

歯垢には数億もの細菌が棲みついており、歯磨きをしないで放置してしまうと臭いを放つようになります。

さらに、そのまま放置すると、繁殖した細菌は歯垢の中で酸をつくりだし、歯の表面であるエナメル質を溶かしていきます。

これが虫歯になる細菌の仕組みです。

また、歯垢はおよそ二日も経つと石灰化し、歯茎や歯の間に「歯石」となって硬い固まりとなります。

つまり、虫歯などの口腔トラブルを防ぐには、歯磨きで歯垢を取り除く必要があるのですが、特に夜寝る前が重要視されることには、口内で分泌される「唾液」が大きく関係しています。

それについて、次項で詳しく見ていきましょう。

睡眠中の唾液と歯磨きの関係とは?歯磨きしないで寝るということ

私たちの口の中は、もともと虫歯になりにくい弱酸性に保たれています。

しかし、糖分が含まれる食事をすることで、口内は急激に酸性へと傾きます。

弱酸性の口内はpH7である一方で、酸性に傾いた口内はpH5.5を下回り、細菌が活発に動きやすい環境へと変化していきます。

そもそも、口内から分泌される唾液には、このpHを調整する役割がありますが、身体を休めている睡眠中は唾液がほとんど分泌されません。

朝起きたときに口が乾燥しているのは、そういった睡眠中の唾液の分泌低下が関わっています。

また、唾液にはもともと自浄・抗菌作用もあるため、睡眠中の口腔内はかなり無防備になるということが分かります。

つまり、歯磨きをしないで寝ることは、無防備な睡眠中の口内をさらに危険に晒すということ意味し、虫歯になりやすい環境の手助けをしているこということになるのです。

そのため、寝る前はできるかぎり歯磨きをして、食べカスや歯垢を取り除くことが大切です。

歯磨きをしないで寝ると口臭トラブルにも

歯磨きをしないで寝ることは、虫歯になりやすい口腔環境になることが分かりましたが、歯や歯茎だけではなく、舌苔による口臭トラブルにも繋がります。

舌苔(ぜったい)とは、舌の表面に付着する汚れで、食後の食べカスや細菌、剥離した粘膜細胞などの塊です。

誰しも少なからず舌苔が付着していることが普通で、完全にまっさらない方はいません。

舌がよく動き、自浄・抗菌作用のある唾液で潤っている口腔内の場合、舌の表面は新陳代謝を繰り返すことで健康的な薄いピンク色を保っています。

一方で、体調不良で新陳代謝が低下している場合、その舌苔が分厚くなり、色が付いたり臭いを放つなどトラブルの原因になります。

特に、唾液の分泌量が低下する睡眠中は、歯磨きをしないで寝ると、その分細菌が舌苔内で増殖しやすくなります。

さらに、睡眠中に口を開けて寝ている方は、より口内が乾燥するめ、口臭トラブルに悩まされるケースが顕著と言えます。

歯磨きは時間よりも質が大切!一本一本を丁寧に

これまでに、歯磨きをしないで寝るとどうなるのか、口内細菌の仕組みから詳しくご説明してきました。

このことから、夜だけでも徹底した歯磨きをすることが大切であることが分かりました。

ただし、徹底した歯磨きといっても、ただ時間をかけて磨けば良いというわけではありません。

結論から言うと、歯磨き時間は最低3分とされ、一本一本を丁寧に磨くことが推奨されています。

この3分という時間を短く感じる方も多いかもしれませんが、習慣的に歯を磨く時間が長くなってしまうと、歯の表面であるエナメル質が摩耗される可能性があります。

それに加え、長い時間、強い力でゴシゴシと歯磨きをしてしまうと、よりエナメル質の摩耗は早まり、歯の内側にある象牙質(ぞうげしつ)が露出してしまうことで、知覚過敏に繋がってしまいます。

また、長時間の歯磨きは、歯茎を傷つけてしまう恐れもあることから、歯科予防としておすすめできません。

したがって、歯磨きの時間は最低3分に留め、その時間の中で適切な歯磨きをする必要があります。

3分間の歯磨きをより効果的に!歯科予防の代表的な歯磨き方法は?

では最後に、最低3分間の歯磨きで、汚れを極力残さないための歯磨き方法についてお話していきましょう。

まず、歯科予防におすすめされる代表的な歯磨き方法は、「バス法」です。

バス法では、歯ブラシの毛先を歯と歯茎間に45度の角度であてて磨きますが、ここで重要なポイントは、歯ブラシを小刻みに動かして汚れを落としていくことです。

歯と歯茎の間の汚れを意識し、マッサージするように磨いていくことで、歯科予防に効果的な歯磨きができます。

また、次におすすめされる歯磨き方法は「スクラッピング法」です。

スクラッピング法では、歯ブラシの毛先を歯に対して垂直にあてて磨いていきます。

バス法と同様に、小刻みに動かして一本一本丁寧に磨いていくことがポイントです。

磨く部位によって、バス法とスクラッピング法を使い分けると、より効果的に歯の汚れを落とすことが期待できます。

ただし、いずれも力加減には注意し、ゴシゴシと力強く歯磨きをしないように気を付けましょう。

夜寝る前に、最低でも3分間を上記のような歯磨きに充てることができれば、口腔トラブルを確実に減らすことができるはずです。

寝る前の少しの時間を歯磨きに

歯磨きをしないで寝ることは、睡眠中の無防備な口内をさらに細菌に晒しやすくすることが分かりました。

1日3回できなくても、夜に最低でも3分間、徹底した歯磨きをすることができれば、睡眠中の虫歯菌の活動を抑えることができます。

忙しく疲れた夜であっても、少なくとも3分間の時間を確保して、集中したオーラルケアをしていきましょう。

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