使うなら再石灰化を促す歯磨き粉!子供の歯磨き粉を選ぼう
歯磨き粉 2019.01.21脱灰と再石灰化って何?
口内に潜んでいる歯垢は、人が食事をすることによって取り入れた食べ物の糖質を元にして、酸を作り出します。
その作り出された酸が、歯のエナメル質からカルシウムとリン酸を溶かしてしまいます。
これを「脱灰」といいます。
そして、そのままでは虫歯になってしまうため、唾液が酸を中和させて溶け出したカルシウムとリン酸を、歯の表面に戻す働きをしてくれます。
これを「再石灰化」といいます。
虫歯がなく良好な口内環境の方は、脱灰と再石灰化のバランスがとれている状態です。
一方、脱灰に対して再石灰化が追いつかない状態が続くと、虫歯の原因になってしまいます。
食事後は脱灰しますが、30~40分後くらいには唾液の働きで酸が中和されて再石灰化され、失われた歯の成分が戻ります。
そのため、食べ物を時間を空けずに食べる人の口内では、脱灰はしているけれど再石灰化ができない状態が続いてしまうので、食間を空けましょう。
また、「甘いものばかり食べていると虫歯になりやすい」と聞いたことがある方は多いですよね。
理由は、歯垢が酸を作り出す際に使うのが、糖分だからです。
子供のときに虫歯ができてしまうのは、甘いものが好きな年代であることも原因の1つですね。
子供に歯磨きをしてあげるときは、再石灰化を促す歯磨き粉を使って、口内のバランスを保ちましょう。
再石灰化を助ける習慣を身につけよう!
1日3食、時間を空けて規則正しく食事をすることは、脱灰と再石灰化のバランスを保つのに効果的です。
1日に何回も食事をする人は、1日3食の人に比べて口内が酸性に偏ってしまい、脱灰を促してしまうことになります。
また、寝る前の食事、甘いものの摂取は控えるようにしましょう。
歯の着色汚れには様々な原因がありますが、その1つとして「再石灰化で歯にカルシウムなどが戻る際に、色素成分を一緒に取り込んでしまっているから」ともいわれています。
食事後には必ず歯磨きをして、脱灰の原因の糖質、着色汚れの原因を取り除きましょう。
そして、毎日の歯磨きも重要です。
歯磨きで歯垢を除去することで、脱灰の原因を少なくできます。
奥歯や歯間などの歯垢も、かき出して落としましょう。
使う歯磨き粉は、再石灰化を促すものを使うといいですね。
フッ素、キシリトールなどが再石灰化を促す効果が期待される成分です。
また、このような習慣を子供のときから身に着けられておくと、大人になっても虫歯ができにくくなります。
しかし、子供のときから自覚するのは大変難しいので、周りの大人は子供をサポートしましょう。
どんな歯磨き粉を子供に使えばいいの?その①
歯磨き粉を子供に使いたいけれど、どんな歯磨き粉を選べばよいのか、悩みますよね。
そんな方に、押さえておきたいポイントをご説明します。
・虫歯予防成分が含まれている
虫歯予防の歯磨き粉を使うことで、脱灰を起こす酸を産出する歯垢を落としやすくなったり、歯質の強化が期待できます。
歯垢が多く、脱灰に対して再石灰化が間に合わない口内環境にしないようにしましょう。
歯磨き粉には、虫歯予防に有効な成分がパッケージのおもてに書かれていることが多いです。
おもてに書かれていない場合は、歯磨き粉の裏にある成分表の欄にフッ素である「モノフルオロリン酸ナトリウム」や「フッ化ナトリウム」などが、書かれている歯磨き粉を選びましょう。
また、キシリトール配合の歯磨き粉は、再石灰化の作用がある唾液の分泌を助ける働きがあるのでおすすめです。
・飲み込んでも体への影響が少ない
うがいが上手くできない状態の子供の場合、歯磨き中に泡を飲んでしまうことがあります。
そのことを想定した、安全性が高い歯磨き粉を選ぶ必要があります。
歯磨き粉の中には、影響が出る可能性がある香料や着色料が含まれているものもあります。
しっかり見て確かめて、影響の少ない天然成分のみの歯磨き粉や食品と同じ水準で安全性を確保している歯磨き粉を選ぶようにしましょう。
どんな歯磨き粉を子供に使えばいいの?その②
前述に引き続き、どんな歯磨き粉を子供に使えばよいのか、ご説明します。
・歯磨き粉の味、キャラクター製品に焦点をあてる
歯磨き粉の味は大人になってからも気にするように、子供も敏感です。
フルーツ系の味、飲み物系の味、ほのかな香りがついた歯磨き粉であれば、子供も使いやすく、歯磨きに対して苦手意識を持ちにくくなる傾向があります。
また、パッケージにキャラクターがプリントされた歯磨き粉であれば、歯磨きに対してよい印象を持ち、楽しく歯磨きを行うことができますね。
歯磨きは、楽しく続けることも大切です。
歯磨き粉を買いに行く際は、子供と一緒に選んでみてはいかがでしょうか。
・なるべく研磨剤、発泡剤が含まれてないものを選ぶ
大人用の歯磨き粉のほとんどに、研磨剤と発泡剤が含まれています。
研磨剤としては、炭酸ナトリウムやケイ素など、発泡剤としてはラウリル硫酸ナトリウムなどが成分表に記載されています。
研磨剤は歯の表面を削り、発泡剤は歯磨き粉を泡立たせる役割があります。
子供にとっては、刺激が強い場合があるので、なるべく研磨剤と発泡剤が入っていない歯磨き粉を選びましょう。
また、再石灰化を促す歯磨き粉で子供用の場合、大人に磨いてもらうことが前提で作られている歯磨き粉が多数あります。
そのときは、ジェル状の歯磨き粉やフォーム状の歯磨き粉を選ぶことで、泡立ちにくく透明で、使い勝手がよいですね。
子供におすすめ!再石灰化を促す歯磨き粉
ここからは、子供におすすめの再石灰化を促す歯磨き粉をご紹介します。
【クリニカKid’s ジェルハミガキ】
・味:グレープ香味、いちご香味
・参考価格:305円(税込) 60g
フッ素が配合されているので、歯の再石灰化を促し、歯質を強化して虫歯を予防します。
そして、フッ素以外の成分は食べ物にも使われている成分と同じ成分でできています。
また、キシリトールも配合されており、唾液の分泌を助けます。
泡立ちが抑えてあり、ジェルが透明なので、口内のすみずみまで磨くことができ、子供でも口をすすぎやすいように作られています。
【ピジョン 親子で乳歯ケアジェル状歯みがきぷちキッズ】
・味:キシリトールの自然な甘さ、いちご味、ぶどう味
・参考価格:594円(税込) 50g
こちらの歯磨き粉も、フッ素が配合されているので歯の再石灰化を促し、歯質を強化して虫歯を予防します。
フッ素以外の成分は食品使用成分と同じ成分でできており、キシリトールも配合されているので唾液の分泌を助けます。
発泡剤が入っていないので、汚れを確認しながらすみずみまで磨くことができます。
【テテオ 歯みがきサポート新習慣ジェル】
・味:グレープ味、オレンジ味、ストロベリー味
・参考価格:410円(税込) 30g
こちらの歯磨き粉も、フッ素が配合されているので、歯の再石灰化を促し、歯質を強化して虫歯を予防します。
そして、口の中で酸を作らないキシリトール配合で、唾液の分泌を助けます。
発泡剤、研磨剤、着色料が入っていないので、うがいができない子供でも簡単に口をすすぐことができます。
子供におすすめ!安心して使える歯磨き粉
前述に引き続き、おすすめの子供用の歯磨き粉をご紹介します。
前述と違う点として、これからご紹介する歯磨き粉には「フッ素」が含まれていません。
フッ素による再石灰化を促す力はありませんが、脱灰の元を取り除き、再石灰化に働きかける唾液の分泌を促すキシリトールが配合されています。
キシリトールは食べても問題が無い成分ですが、フッ素は食べる目的の成分ではありません。
うがいができない子供が飲みこんでしまっても、食べ物にも使われている成分と同じ成分なので安心ですね。
【パックス こどもジェルはみがき】
・味:みんな大好きなフルーツ味(オレンジ&グレープフルーツ)
・参考価格:324円(税込) 50g
研磨剤と発泡剤が使われていないので、安心して歯を磨けます。
キシリトールの配合で唾液の分泌を助け、着色はベニバナ色素が使われています。
また、ハーブ精油が使われているため、口内がスッキリします。
うがいがうまくできない子供でも安心して使えるように、食べ物にも使われている成分で作られています。
【ヴェレダ 歯みがき子供用】
・味:スペアミントの爽やかな風味
・参考価格:864円(税込) 50ml
世界50か国で愛されているナチュラルオーガニックブランド、ヴェレダの歯磨き粉です。
穏やかな作用の天然成分を使ったジェル状歯磨き粉で、デリケートな乳歯を優しく磨きます。
合成の保存料、着色料、香料、鉱物油が一切不使用で、スペアミント風味ですがペパーミント油、メントールも含まれていません。
子供のことを考えて歯磨き粉を選ぼう!
人の口内では、常に脱灰と再石灰化が繰り返されていて、両方のバランスを保つことが理想です。
歯垢が多いと脱灰の作用が強くなり、唾液の分泌が多いと再石灰化の作用を促進できます。
また、子供の歯磨き粉を選ぶ際には虫歯予防成分が含まれているか、飲み込んでも体への影響が少ないかなどを確認しましょう。
そして、歯磨き粉に何が配合されているか成分表をチェックしてから、使うようにしてください。