歯茎に食べ物が入る原因は?取り方はどうやるの?
歯茎ケア 2018.12.14歯茎に食べ物が入ったときの応急処置
ポップコーンや殻付きの海老などを食べたときに、歯茎に殻などの硬い部分が入り込み、痛い経験をされた方もいらっしゃるかと思います。
そんなとき、舌を器用に使って取り除ければラッキーですが、なかなか取れずに、歯茎に食べ物が食い込んだままになってしまうときもあります。
取れない場合は歯医者で診てもらう必要がありますが、すぐに歯医者に行けないときもあります。
痛い状態を長引かせないためにも、ご自身でできる対応をご紹介します。
歯茎に食べ物が入ったときの対応方法はこちらです。
・ようじを使う
・ピンセットを使う
・歯を磨く
・スケーラーを使う
いずれの方法もあくまで、その場限りの対応であることを覚えておいてください。
スケーラーとは、金属でできた10cmほどの細い棒の両端に、鍵爪のよう鋭く細い形状をしていて、本来は歯石取りに使われるものです。
スケーラーは薬局でも購入することができます。
スケーラーを使って歯茎に入った食べ物を取る際はくれぐれも口内を傷つけないようにお気をつけください。
歯茎に入った食べ物を取り除けた場合、うがい薬などを使って口をすすぎ、消毒しましょう。
また、いずれの方法も鏡でよく確認しながら、やりすぎないよう注意しましょう。
次項では、「歯茎に食べ物が入るとどうなってしまうのか」についてご説明していきます。
歯茎に食べ物が入るとどうなってしまうのか
歯茎に入った食べ物を取ることができず、そのまま放置してしまうとどうなってしまうのでしょうか。
確認していきましょう。
歯茎に食べ物が入ると、歯茎だけでなく周りの歯肉にも痛みが生じます。
それに加えて、食べ物が入り込んでしまった歯茎に違和感を感じ続けます。
その状態を放置してしまうと、歯茎に入った食べ物に細菌が住みつき、繁殖してしまいます。
その結果、歯茎が炎症を起こす場合があります。
さらに、炎症を放置してしまうと、増殖した細菌が原因で虫歯や歯周病になってしまう可能性もあります。
炎症をおこしたり歯周病にかかったりする以前に、口内が常に違和感を感じている状態なんて嫌ですよね。
「食べ物なら大丈夫」と油断せず、自分で取り除けそうもない場合はできるだけ早く歯医者で診てもらいましょう。
次項では、歯茎に食べ物が入る原因をお話ししていきます。
歯茎に食べ物が入る原因①
ここまでで、歯茎に食べ物が入ると、病気に繋がりかねないことがお分かりいただけたと思います。
では、なぜ歯茎に食べ物が入ってしまうのでしょうか。
原因として考えられるのは主にこれらの2点です。
・歯周ポケットができている
・正しい食べ方ができていない
まず、歯周ポケットについて確認していきましょう。
歯周ポケットとは歯と歯茎の間に数ミリ以上の隙間を指します。
この隙間は、本来健康な方にはなく、歯周病などの歯の病気にかかっている人に見られるものです。
歯周ポケットは、歯周病などが原因で歯茎に弾力が失われていることが多く、そのため、食べ物が入りやすくなってしまうのです。
既に病気になってしまった歯では、食べ物が歯茎に入らないようにすることのほうが難しいでしょう。
そのような方のために、後の項では歯茎に優しい食べ物をご紹介しますので、ぜひそちらも併せてご確認ください。
歯茎に食べ物が入る原因②
前項でお伝えした通り、歯茎に食べ物が入る主な原因は2つあり、1つは、歯周ポケットによるものです。
それでは、歯茎に食べ物が入る2つ目の主な原因を確認していきましょう。
歯茎に食べ物が入る2つ目の主な原因は「正しい食べ方ができていない」ということです。
思い当たる方もいらっしゃるかもしれません。
「正しい食べ方ができていない」とは、食べ物を食べるスピードや噛む回数、などに問題がある可能性がある、ということです。
食べるスピードが速いということは、食べ物がよく噛み砕けていないままの状態でまた新たに食べ物を口に含ませるということです。
そうなれば、口内は食べ物で満たされた状態が続き、歯茎にも食べ物が入りやすくなってしまいます。
食べ物を噛む回数についても、本来は唾液とともに柔らかくなるはずの食べ物も、噛む回数が少ないと、食べ物は硬い状態のままです。
特に硬い食材の場合は噛むだけでも歯茎に入ってしまうことがありますが、食べ物を噛む回数が少なければ、なおさら歯茎に食べ物が入りやすくなってしまいます。
歯茎に食べ物が入る原因を知り、自分でもできる対策をしていきましょう。
歯茎に優しい食べ物を知ろう!
前述のとおり、歯周病などの歯の病気にかかってしまうと、歯茎の筋肉が緩み、歯周ポケットができてしまいます。
歯茎を傷付けないために、口当たりの良い、歯茎に優しい食べ物をご紹介していきます。
【牛乳】
牛乳は飲むだけで、カルシウムやたんぱく質を摂ることができます。
さらに、それらの成分が、口内が酸化するのを防いでくれる効果があるとされています。
口内の酸化を防ぐことにより、歯垢から発生する酸も中和してくれます。
チーズでも同じ酸化防止効果が期待できます。
【根生姜】
根生姜は炎症を抑えてくれる働きがあると言われています。
そのため、歯周病などにより、既に炎症を起こしたり弱ったりしている歯茎の早期回復が期待できます。
すりおろせば、歯茎を傷つける心配はありませんね。
【野菜】
野菜を食べることにより、唾液が大量に分泌され、口内にある細菌を殺菌してくれます。
なぜなら、野菜はよく噛まないと飲み込めない食材だからです。
よく噛むことによって、唾液が分泌されやすくなります。
さらに、野菜は栄養も豊富で、口内を傷つけてしまうほどの硬い野菜はほとんどありません。
生野菜はもちろん炒めた野菜でも同様に、よく噛むことによって唾液の分泌が促進され、口内の殺菌効果が高まります。
歯茎に食べ物が入らないように食べ方を工夫しよう!
前項では、歯茎をはじめとする口内に優しい食べ物をご紹介しました。
しかし、いくら口内に優しい食べ物を食べているからと言って、歯茎に優しい食べ方ができているとは限りません。
ここでは、歯茎に食べ物が入るのを防止する目的と、既に弱っている歯茎をこれ以上傷つけない目的で、「早食い」防止に効果的な工夫をご紹介していきます。
「早食い」防止に効果的な工夫はこちらです。
・スプーンやフォークよりも「箸」を使いましょう
スプーンやフォークは食べ物が取りやすいため、また口にも運びやすいため、箸よりも使う頻度が高い方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、スプーンやフォークを箸に変えるだけで、食べるスピードを落とすことができます。
・噛んでいるときは食べている箸などは置きましょう
噛んでいる最中だけ箸やフォークなどを置くことによって、箸を持ち直す動作が必要になるため、次の食べ物を食べるまでの時間を長くできます。
また、噛む回数は30回噛むのが理想的だそうです。
「ありがとう」と6回言うことで、30回をカウントしやすくなりますのでぜひ試してみてください。
・水やお茶で流しこまないようにしましょう
水分をとりながら食事をすることは大切ですが、口内に食べ物が残ったまま水分はとらないようにしましょう。
口内に食べ物が残ったまま水分をとってしまうと、まだ噛むべき食べ物も流し込んでしまうことになり、食べ物を噛む回数も減り、食べ物を次々と口に運びやすくなってしまうからです。
よく噛んで唾液の分泌を促し、唾液の力で食べ物を飲み込むようにしましょう。
水分は、口内に何も残っていない状態でとりましょう。
歯茎を傷つけないような習慣を身につけよう
食べ物が歯茎に入ってしまうことは偶然の場合もありますが、口内の状態や普段の食事の仕方が原因かもしれません。
歯周病などで既に歯茎が弱っている方は、できるだけ口内に優しい食材を食べるようにしましょう。
健康な方も、歯の病気にかかっている方も、早食いであることは歯茎に食べ物が入ってしまう原因になり得ますので、食事をする際はよく噛んでゆっくり食べるように心がけましょう。