歯磨きと唾液がポイント!口のネバネバの原因と対処法
口臭 2018.11.29ネバネバの原因①歯磨きの仕方
考えられる原因はいくつかありますが、まず挙げられるのが歯磨きの仕方です。
歯磨きをただ漫然としているだけでは、口腔内の環境を整える効果はありません。
歯磨きは、正しいブラッシングを行い、歯垢(プラーク)を落とすことが必要なのです。
プラークは食べかすではなく、菌の塊です。
虫歯の原因でもあるこのプラークが、口の中のネバネバや口臭の原因となっています。
近年の研究では、口内のプラークの構造がお風呂の排水溝やシンクなどのヌルヌルと同じ構造であることが分かりました。
このヌルヌルのことを「バイオフィルム」と呼びますが、プラークはまさに口内のバイオフィルムです。
自浄作用のある唾液や、口をすすぐだけではバイオフィルムは取れません。
正しいブラッシングで、この細菌の塊をしっかりと除去することが必要です。
また、歯磨きをしてもまたすぐに口の中がネバついてしまう場合もあるかもしれません。
そんな時は、歯周病の可能性があります。
歯磨きをしても歯周ポケットの中の細菌は除去しきれずにすぐに増殖し、口内のネバつきや口臭を引き起こしているのです。
歯周病は、進行すれば歯を失うだけではなく、糖尿病などの全身疾患にも関わってきます。
歯周病の可能性を疑う場合は、なるべく早めに歯科医院に行き、治療を行いましょう。
ネバネバの原因②唾液量が減少するドライマウス
歯磨きをしても口の中が渇いてネバネバするのは、唾液量が減少しているからかもしれません。
唾液の量が減って、口の中や喉が乾燥した状態を「ドライマウス」といいます。
ドライマウスの主な原因の一つは、加齢です。
加齢によって唾液腺の機能が低下し、唾液の分泌量が減ってしまうのです。
介護の現場においても、口腔ケアはとても重要なケアの一つとなっています。
また、自己免疫疾患の一つであるシェーグレン症候群は、唾液腺や涙腺がダメージを受けるため、唾液や涙の分泌量が減少すると言われています。
口呼吸や飲酒・喫煙などの生活習慣やストレスが原因となる場合もあります。
問診や視診・唾液分泌検査などのドライマウスの検査を行っている医療機関もあります。
口の中のネバつきや渇きが慢性的に続いている時や、口に痛みなどの違和感がある時には、一度専門機関を受診するのがおすすめです。
ネバネバの原因③唾液の性質
唾液は一日に0.5~1.5Lほど分泌されます。
そんな唾液には、ネバネバの唾液とサラサラの唾液の2種類が存在するのをご存知でしたか?
サラサラの唾液は食事中やリラックスしている時に多く分泌されます。
食べ物を飲み込みやすくしたり、口の中を洗浄してくれたりする働きがあります。
歯磨きだけではなく、サラサラの唾液も口の中の食べカスを洗い流してくれるのです。
一方、ネバネバの唾液は水の分泌が減り、粘性たんぱく質であるムチンを多く含みます。
ストレスを感じた時に分泌されやすいのが特徴です。
細菌をからめ取り、体内への侵入を防いだり、口の中の粘膜を守って保湿するなどの働きがあります。
それぞれ役割があるので、バランスのとれた状態で機能するのが理想です。
しかし、緊張したりイライラしたりして唾液中の水分が減ると、ネバネバ唾液が増えすぎてしまった状態となってしまうのです。
また、それぞれの個人差もあります。
サラサラの唾液が多く出る人は、口内に唾液が行き届いて細菌も洗浄されますが、ネバネバした唾液だと口の中に唾液が行き届かずに乾燥した状態になりやすいのです。
各々の生活習慣や生まれ持った性質によって、唾液の質が異なってきます。
それぞれの唾液の役割をおさえつつ、バランスの取れた状態を保つことが理想だと言えます。
口の中のネバネバは歯磨きですっきり!
ネバネバの原因の一つであるプラークや細菌を除去していくためには、歯磨きが非常に重要です。
唾液も細菌などを洗い流してくれますが、歯磨きをしっかり行うことで口の中がより清潔な状態となり、口内環境も整います。
電動歯ブラシを活用するのもよい方法の一つですが、使い方に気を付けなくてはかえって歯を傷つけてしまう可能性もあります。
普通の歯ブラシも電動歯ブラシも、正しいブラッシングが大切です。
歯の生え方や利き手なども人によって異なるので、一度歯科医で自分の歯に合った正しいブラッシング指導を受けるというのもおすすめです。
そして、歯磨きの際には使用する歯磨き粉にも配慮が必要です。
市販の歯磨き粉には、泡立ちやすくするための発泡剤としてラウリル硫酸ナトリウムが配合されています。
しかし、発泡剤が配合されているものだと短時間で満足感を得やすく、しっかりと磨けていないのに磨いた気になってしまいがちです。
しっかり磨くためにも、発泡剤の入っていない歯磨き粉で、丁寧にブラッシングできるものを選びましょう。
電動歯ブラシを使用する際には、高速の回転で歯を削りすぎてしまわないように研磨剤の入っていないものを選ぶのがおすすめです。
ジェル状の歯磨き粉だと、電動歯ブラシでも使いやすく、普通の歯ブラシの時も口内全体に歯磨き粉が行き渡りやすいのでおすすめです。
口の中が清潔になると、ネバつきが解消されるだけではなく、口臭なども予防できます。
歯磨きを丁寧に行い、すっきりとした状態を目指しましょう。
唾液の働きを助ける!口の中を潤す口腔ケア用品
口の中をすっきりと清潔に保つためには、歯磨きと他の口腔ケアを合わせるとより効果的です。
中でもおすすめなのがマウスウォッシュです。
マウスウォッシュは、口の中の雑菌を洗い流し、口内を清潔に保ってくれます。
殺菌成分が配合されているマウスウォッシュを就寝前に使用することで、口内の細菌の繁殖も抑えられ、翌朝の口の中のネバつきが改善されるといわれています。
最近では潤いを与えてくれる保湿タイプのマウスウォッシュもあるので、口内の渇きにも対応できますね。
また、口の中の渇きがより気になるのであれば、保湿ジェルなども効果的です。
口内に行き届かない唾液を補って、口の中を潤してくれます。
ジェル状なので、口内の粘膜に密着して、長時間保湿してくれます。
就寝前に使用することで、朝起きた時に感じる口の渇きやネバネバが緩和されていくでしょう。
口腔ケア用品は多くの種類があり、形状や使用感、効能などそれぞれ異なっています。
自分の状態にあったものを、毎日のケアに取り入れていきましょう。
歯磨きだけじゃない!ネバネバ対処法
ネバネバを解消するには、歯磨きだけではなく、唾液をたくさん出して口の中を潤していくことも大事です。
ここでは、唾液をたくさん出すために手軽に行える方法をいくつかご紹介します。
・意識的にたくさん噛む
唾液をたくさん出すには、しっかりと噛むことが重要です。
よく噛むことで、顎や舌の筋肉を動かし、唾液の分泌が促進されるのです。
意識的にガムやするめなどの固いものを取り入れて、噛む習慣を身につけるのもいいでしょう。
・リラックスする
自律神経も唾液の分泌に密接にかかわっています。
ストレスを感じるなど緊張した状態では交感神経が優位になり、唾液の水分が減ってネバネバした唾液になってしまいます。
ネバネバした唾液が多くなってしまうと口の渇きや口臭にもつながります。
副交感神経が優位になるように、リラックスした状態を作ってあげることが唾液の分泌にも効果的です。
唾液がしっかりと出ていることは、生活のバランスが保たれているという一つの指標にもなります。
・唾液腺のマッサージ
唾液をたくさん出すためには、唾液腺を刺激するのが有効です。
唾液腺は、耳下腺・顎下腺・舌下腺の3つがあり、そこを刺激すると唾液の分泌が促進されます。
耳下腺のマッサージは、耳の下を親指以外の指の腹で優しく揉みます。
顎下腺のマッサージは、耳の下から顎の先までの内側を指先で押していきます。
舌下腺のマッサージは、顎の下を親指でぐーっと押し上げます。
あまり強くやりすぎずに、じんわりと唾液が出てきていると感じられればOKです。
唾液のネバネバを解消して、すっきりと健康な毎日へ
ネバネバした口の中は、気持ちのいいものではありませんよね。
原因は人によってそれぞれ異なるでしょうが、改善のためには口内環境を整えていくことは同じです。
口内の健康を守ることは、全身の健康を守ることにつながっています。
歯科医で治療が必要なものはきちんと診てもらい、自分自身でできるケアはしっかりと行っていきましょう。