ミョウバンと重曹を混ぜると消臭力は?水溶液を作ってみよう
ミョウバン 2019.07.18消臭効果が期待できるミョウバンと重曹の違いは?
ミョウバンと重曹を混ぜるとどうなるのかをお話しする前に、この2つの特徴や違いをおおまかに説明します。
最初にミョウバンについてです。
ミョウバンは、古くからお漬物を作るためや、体臭・汗をおさえるために活用されてきました。
その歴史はローマ時代までさかのぼり、当時はミョウバンが結晶化した「アルム石」というものを、制汗や消臭のために使っていたといいます。
現代では、制汗剤スプレーや石鹸などにミョウバンが含まれているものもありますね。
他にも、ミョウバンを水に溶かした「ミョウバン水」を作り、臭いが気になるところに吹きかけて使用する方もいます。
ミョウバンは弱酸性の性質を持ち、アルカリ性の臭いに対して消臭効果が期待できるといいます。
一方、重曹は加熱すると炭酸ソーダと水と炭酸ガスに分かれるので、焼き菓子などをふくらますために使用されることもあります。
また、粒子が細かく水に溶けにくいので、クレンザーの代用品としても一役買ってくれます。
それだけでなく、ミョウバンと同じく重曹を水に溶かして小さなスプレー容器に入れ、臭いが気になるところに吹きかけて使用される方もいます。
重曹は弱アルカリ性の性質を持つため、酸性の臭いに対し消臭効果が期待できるといいます。
ミョウバンと重曹を混ぜるのはだめ?
ミョウバンと重曹がどのように使われていたのかや、性質などもお分かりいただけたかと思います。
どちらも消臭に役立つとなれば「この2つを混ぜると、いろいろな臭いに高い消臭効果が期待できるのでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、この2つを混ぜたとしても消臭効果が高まるどころか、思うような効果が得られなくなってしまうといいます。
その理由は、ミョウバンが持つ弱酸性の性質と、重曹が持つ弱アルカリ性の性質が相殺し合ってしまうためです。
互いが持つ性質同士が相殺し合ってしまえば、嫌な臭いが持つ性質に対し働きかけることが難しくなります。
ミョウバンと重曹が持つ消臭効果を最大限に引き出すためには、臭いの性質別に使い分けるとよいでしょう。
次項では、臭いが持つ性質についてお話しします。
ミョウバンと重曹は混ぜると無意味になる?臭いの性質によって使い分けよう!
汗をかいたり、1日中靴を履いたままでいたりすると、どうしても気になるのが臭いですよね。
しかし、臭いが気になるからと、香り付きのデオドラントスプレーなどで上からカバーしてしまえば、気になる臭いと香料が混ざることでもっと強い臭いを放つ恐れもあります。
そこで、先にもお伝えしたように、ミョウバンと重曹を臭いによって使い分けてみませんか。
誰しもが持つ体臭は次のようなものがあるので性質と一緒に見ていきますが、全ての方がこれに当てはまるというわけではありません。
臭いの性質は、その方の体質によっても異なるので、参考程度で捉えていただければと思います。
●足の臭い
足の臭いは、納豆の臭いのような「いそ吉草酸」や、酸っぱい臭いの「酢酸」などの物質によるもので、これらは酸性の性質を持つといいます。
酸性の臭いを中和すためには、弱アルカリ性の重曹がよいといえます。
●汗
健康な肌の表面は弱酸性に保たれており、弱酸性の水分には殺菌効果があるといわれています。
しかし、あまり汗をかかない方や生活習慣がよくない方はアルカリ性の汗をかく傾向にあり、肌の表面の性質がアルカリ性になってしまうといいます。
肌の表面が弱酸性を保てずアルカリ性に傾むと、雑菌が繁殖しやすくなるので体臭の原因になると考えられています。
アルカリ性に傾いてしまった肌表面を弱酸性に変えるためには、弱酸性のミョウバンを使うとよいでしょう。
●皮脂
頭皮の皮脂などが取り除かれないと、臭いがしたり、かゆみやべたつきの元になったりすることもあります。
頭皮からするような脂っぽい臭いは酸性の性質を持つので、弱アルカリ性である重曹がよいといえます。
次に、ミョウバンと重曹の2つの水溶液の作り方をご説明します。
「臭いがするかも」と、体臭が気になった時にサッと使うことができるだけでなく、混ぜるだけで簡単にできるので、是非作ってみてください。
1日~3日で完成!ミョウバンの水溶液の作り方
ミョウバンや重曹の水溶液を作る時に大切なことは、水道水を使うことです。
理由としては、水道水には塩素が含まれている一方で、ミネラルウォーターには塩素が含まれていません。
塩素は漂白や殺菌作用があるため、完成した水溶液が腐りにくくなります。
また、でき上がったミョウバンの水溶液は、成分が強すぎて肌荒れの原因になりかねないので、必ず希釈してから使用するようにしてください。
それでは早速、材料から作り方までお伝えします。
●材料
【原液】
・焼きミョウバン 10g
・水道水 300ml
・500mlサイズのペットボトル(よく洗い、なかをしっかり乾燥させたもの)1本
【希釈】
・持ち運びに丁度いいサイズのスプレーボトル 1本
・水道水 適量
●作り方
①空のペットボトルのなかに焼きミョウバンを入れ、そこへ水道水300mlを入れたらよく振って混ぜる
②1日~3日程冷蔵庫などの冷暗所で保管しつつ、ミョウバンの結晶を完全に溶かす
③完全にミョウバンの結晶が溶けたら、スプレーボトルに1/10程度の原液を入れて、残りの9/10は水道水を入れ希釈をしたら完成
次は、重曹の水溶液の作り方をご説明します。
混ぜるだけで完成!重曹の水溶液の作り方
続いて、重曹の水溶液を作りましょう。
●材料
・食用の重曹 4g
・水道水 400ml
・500mlサイズのペットボトル(よく洗い、なかをしっかり乾燥させたもの)1本
・持ち運びに丁度いいサイズのスプレーボトル 1本
【希釈する場合】
・水道水 適量
●作り方
①空のペットボトルのなかに重曹を入れ、そこへ水道水400mlを入れたらよく振って混ぜる
②完全に重曹の結晶が溶けたら、スプレーボトルに入れて完成
重曹の水溶液は希釈しなくても使用することはできますが、肌荒れが心配な方は、でき上がった重曹の水溶液を更に水道水で希釈して使用することをお勧めします。
ミョウバンと重曹のスプレーができたら、次は両方が持つ性質を生かし、気になる体臭を消臭するのに役立ててみましょう。
ミョウバンスプレーと重曹スプレーを使ってみよう!
最初に、ミョウバンスプレーの使い方からお話ししていきます。
①ミョウバンスプレーを汗をかいた肌表面に吹きかけ、清潔なタオルで拭き取る
②再度、肌表面にミョウバンスプレーを吹きかける
③よく乾燥させる
ミョウバンは消臭効果だけでなく、肌を引き締めたり、雑菌の繁殖を抑えたりなどの効果も期待できます。
次に、重曹スプレーの使い方です。
①頭皮や背中・耳の裏などに重曹スプレーをかけて、軽くマッサージをする
②タオルなどで水気を拭き取り、頭皮にかけた場合は濡れた髪をドライヤーで乾かす
また、足の臭いの場合にも重曹スプレーは役立ちますが、重曹を溶かしたお湯に足を浸けるのもよいでしょう。
①洗面器のなかにお湯を入れ、重曹を小さじ1程入れて混ぜる
②重曹が溶けたら、足を浸けて15分くらいそのままにしておく
③タオルなどで水気を拭き取る
気になる体臭を防ぐために!ミョウバンと重曹を使い分けよう
ミョウバンと重曹を混ぜて使ってしまうと、互いが持つ性質が相殺し合ってしまうため、思うような効果が期待できなくなってしまいます。
それらの効果を最大限に生かすためには、臭いが持つ性質に合うものを使用することが大切です。
今回は、ミョウバンと重曹の水溶液の作り方から使い方までお伝えしたので、是非、参考にしてみてください。