乳幼児の歯磨きのポイント!子どもの大事な歯を守るために
歯磨き 2020.05.09子どもの歯磨きはいつから始める?
子どもの歯磨きは、生後6か月ごろ、下の前歯が生え始めるころから始めます。
といっても、この時期から突然歯磨きを始めると、子どもがびっくりしてしまうかもしれません。
それ以前から口の周りや中に軽く触れてスキンシップを取り、口内を触られることに慣れさせておくのがポイントです。
初めは歯ブラシを使わず、ガーゼや歯磨きシートで優しく歯を拭くところからスタートします。
下の前歯は唾液の自浄作用で虫歯になりにくいので、きちんと磨くというよりも、歯磨きに慣れさせることをメインにしましょう。
上の前歯は唾液で汚れを落としにくく、虫歯になりやすいので、生え始めたらしっかりと歯磨きを始めます。
このころからは歯ブラシを使い始めましょう。
歯が生えそろうのが2~3歳ごろであり、それまでは基本的に親が歯磨きをしてあげます。
子どもを仰向けに寝かせて、親の膝に頭を乗せ、歯を磨いてあげるという様子を子供番組などで見たことのある方も多いのではないでしょうか。
3歳以降からは、徐々に子どもに歯磨きの練習をさせ、自分でできるようにしていきましょう。
中には、乳歯はいずれ生え変わるので、そこまで歯磨きを一生懸命する必要はないのではないかと思う方もいるかもしれません。
しかし、乳歯が虫歯になると永久歯の発育や歯並びに悪影響を及ぼしてしまうこともあります。
乳歯のうちからしっかりと歯磨きの習慣をつけることが大事です。
子どもの歯磨きの基本
初めて子どもの歯磨きをするお父さん・お母さんには、いろいろと不安も多いでしょう。
ここでは、子どもの歯磨きをする際の基本事項をご説明します。
●歯ブラシは子ども用のものを使う
子どもの歯磨きには、大人と同じ歯ブラシではなく子ども用の歯ブラシを使いましょう。
子ども用歯ブラシはヘッドが小さく、毛先が柔らかめで、子どものデリケートな歯を磨くのにぴったりです。
●歯ブラシを歯にまっすぐ当てて磨く
歯の表面の汚れをしっかりと落とすためには、歯ブラシの毛先を歯の面に対してまっすぐ当てるのがポイントです。
●軽い力で磨く
ゴシゴシと歯ブラシに力を入れて磨くと、毛先が逃げてしまいうまく歯垢を落とせなかったり、子どもが痛がって歯磨きを嫌になってしまったりすることがあります。
自分では力を入れていないつもりでも、子どもにとっては強すぎるかもしれません。
自分の歯を磨くとき以上に、力の入れ具合には慎重になるようにしてください。
●歯を1~2本ずつ丁寧に磨く
歯ブラシは小刻みに動かし、1~2本ずつ丁寧に磨いていきます。
大きく動かして磨くと、磨き残しができてしまうことがあるので注意しましょう。
●歯磨き粉はうがいができるようになってから
歯磨き粉には子どもの好きなフレーバーも多いですが、ぶくぶくうがいができるようになるまでは使わなくてOKです。
歯磨き粉を使わなくても、汚れをしっかりと落とすことができますよ。
一般的に、1歳半~2歳ごろからうがいの練習を始めることが多いでしょう。
子どもの歯磨きをするときのポイント
子どもの歯磨きの基本事項は押さえられたでしょうか。
ではそれを踏まえて、より効果的に歯磨きをするためのポイントを見ていきましょう。
●虫歯になりやすい箇所を意識する
子どもの歯の中でも特に虫歯になりやすいのは、奥歯のかみ合わせの上下4か所と、上の前歯です。
ここを特に重点的に磨くようにすると良いでしょう。
●上の前歯を磨くときのポイント
上唇と歯茎をつなぐスジの部分があり、ここに歯ブラシが当たると子どもが痛がってしまいます。
上の前歯を磨く際は、歯ブラシを持っていないほうの手で上唇を持ち上げ、スジの部分を指で覆って磨くようにすると安心でしょう。
●奥歯を磨くときのポイント
かみ合わせの溝の部分に汚れが溜まりやすいので、歯ブラシをまっすぐ当て、手前にかき出すようにして磨きます。
また、奥歯の側面を磨く際は、口を大きく開けさせるよりも小さく開けるほうが、頬がゆるんで歯ブラシが奥まで届きやすくなるので覚えておきましょう。
子どもが自分で磨き始めてからも仕上げ磨きをしてあげよう
先ほどお話ししたとおり、子どもは2~3歳くらいになると歯が生えそろうことが多いです。
そのため、3歳ごろからは自分で歯を磨く練習をさせていきましょう。
初めはうまく磨けないと思いますが、あまり親が細かく口出しせず自主的に磨いてもらうのがポイントです。
磨き残した歯垢は、親が最後に仕上げ磨きをすることで落としてあげましょう。
このとき、歯ブラシは本人が磨くときに使うものと、仕上げ磨き用のものをそれぞれ用意します。
本人用のものは、柄が太くて短い、握りやすいグリップの歯ブラシが良いです。
喉の奥を突いてしまわないように、ストッパーが付いているものや、曲がりやすいシリコン製のものにすると安心でしょう。
一方、仕上げ磨き用のものは、柄が長く大人が持ちやすいものを選びます。
また、うがいができるようになれば、歯磨き粉を使うのも良いですね。
フルーツのフレーバーなら子どもも喜びやすいですし、フッ素配合のものは虫歯予防におすすめです。
ただし、フッ素濃度が高い歯磨き粉は子どもが使うことはできません。
親が使っている歯磨き粉を使わせるのではなく、必ず子ども用の歯磨き粉を用意するようにしましょう。
小学校低学年ごろまでは、親が仕上げ磨きをして歯をきれいにしてあげてください。
子どもに歯磨きを楽しいと思ってもらうためのポイント
大人にとっては毎日するのが当たり前の歯磨きも、子どもは嫌がりやすいものです。
歯磨きで痛い思いをしたことがあったり、長い時間口を開けているのを退屈に感じたりすると、歯磨き嫌いになってしまうかもしれません。
子どもに歯磨きを楽しいと思ってもらうためにはどうすれば良いのか、いくつかポイントをご紹介します。
●歯磨きをテーマにした絵本を読み聞かせする
絵本の中には、歯磨きをテーマとしているものもたくさんあります。
そのような絵本を読み聞かせすることで、どうして歯磨きをする必要があるのか、歯磨きをしないとどうなるのかを理解させることができるでしょう。
歯磨きの大事さがわかれば、自分から歯磨きをしたいと言ってくれるかもしれません。
●お気に入りの歯磨きグッズを持たせる
子どもが好きなキャラクターものの歯ブラシやコップを使ったり、お気に入りのフレーバーの歯磨き粉を使ったりすると、歯磨きがより楽しくなるでしょう。
歯磨き粉は数種類用意しておいて、その日の気分によって自分で選ばせるのも良いですね。
●音楽を流したり、動画を見せたりする
ほんの数分であっても、ただじっとしているのは子どもにとって苦痛に感じやすいです。
無音の中で歯を磨くよりも、音楽や動画を活用したほうが子どもも退屈しないでしょう。
●歯磨きしたらご褒美をあげる
ちゃんと歯磨きができたらご褒美をあげるのも、ひとつの手です。
歯磨き後に食べても大丈夫なキシリトールタブレットをあげたり、歯磨きをした日にはお気に入りのシールをカレンダーに貼ってあげたりすると、子どもが歯磨きをするモチベーションに繋がります。
親が子どもの歯磨きを嫌にならないためのポイント
子どもが嫌がってなかなかスムーズに歯磨きできないことも多く、それが毎日続けば、親も子どもの歯磨きが嫌になってしまうかもしれませんね。
子どもが嫌がるのを無理やり押さえつけて歯磨きをするのも、「なんだかかわいそう…」と心苦しくなってしまうこともあるでしょう。
親が子どもの歯磨きを嫌にならないためのポイントは、歯磨きを毎回完璧にやろうとは思わないことです。
もちろん理想は毎食後、丁寧に歯磨きをすることですが、実践するのはなかなか難しいと思います。
そういうときは、「隅々まで丁寧に磨くのは就寝前だけでOK」と思うだけでも、だいぶ気持ちが楽になるのではないでしょうか。
就寝中は唾液の分泌が減り細菌が繁殖しやすくなるので、寝る前は丁寧に磨いておきたいところです。
逆に言えば、就寝前にじっくり歯磨きができれば、すぐに虫歯に繋がる心配は少ないでしょう。
親がイライラしていると子どもに伝わってしまい、「歯磨きするときのお父さんやお母さんは怖い」と思われて余計に歯磨きが嫌になってしまうこともあります。
できるだけ気持ちに余裕を持って、子どもの歯を磨いてあげたいですね。
楽しく歯磨きをして子どもの口腔ケアをしよう
今回は、子どもの歯磨きについての基本事項や、楽しく歯磨きするためのポイントをご紹介しました。
子どもの歯磨きは歯が生え始めたころから始め、自分で磨くようになってからも、小学校低学年くらいまでは親が仕上げ磨きをしてあげましょう。
子どもは歯磨きを嫌がりやすく、それが続けば親も子どもの歯磨きにうんざりしてしまうかもしれません。
歯磨きを痛いもの・退屈なものだと思われないように工夫しながら、楽しく歯磨きをして子どもの大事な歯を守りましょう。