【歯磨きイヤイヤ対策】嫌がる歯磨きを楽しくさせるポイント
歯磨き 2020.01.24「歯磨きイヤイヤ対策」の第一歩は嫌がる理由を知ることから
子どもたちは、なぜあれほど歯磨きを嫌がるのでしょうか。
最初から嫌がる子どももいれば、はじめは楽しく歯磨きをしていた子どもが、ある日突然イヤイヤをはじめることもあります。
歯磨きのイヤイヤ対策をするときのコツは、イヤイヤの理由を知ることです。
では、子どもがイヤイヤをする主な理由を挙げてみましょう。
【歯ブラシが気持ち悪い/痛い】
大人でも子どもでも、口の中に何かを入れられるのは嫌なものです。
まして子どもは経験値が少ないので、歯ブラシや歯磨き粉など、経験していないものが口の中に入ってくるのを気持ち悪いと感じることがあります。
それだけでなく、歯ブラシで口の中をあちこち触られるのですから、何をされているのかと不安になる場合もあるでしょう。
また、「歯垢をきちんと落とさなくては」という親の気持ちから、つい力が入ってしまい、子どもが痛い思いをすると、歯磨き=痛いものと認識してしまう場合もあります。
子どもは、下側より上側、奥歯より前歯の方が、敏感に感じるようです。
特に上唇と歯の間にある筋「上唇小帯(じょうしんしょうたい)」は、歯ブラシが触れると痛いので注意しなければなりません。
歯磨きをイヤイヤする理由は「親が怖い!?」
引き続き、子どもが歯磨きをイヤイヤする主な理由を見ていきましょう。
【親が怖い】
子どもは、体も心も日々成長しています。
1歳を過ぎる頃になると、自我も芽生えはじめ、自分と他人が区別できるようになり、自分の思うようにしたいという気持ちも出てきます。
「もっと遊んでいたい」「眠い」「面倒くさい」など、子どもにも子どもなりの考えや気持ちがあるのです。
しかし、親にも都合があるので、親のペースで歯磨きをさせようとすると、つい怒ってしまったり、きつい言い方をしてしまうこともあるでしょう。
無理やり押さえつけてでも歯磨きさせようと、必死になる人もいるかもしれません。
そのときの親の様子を子どもが怖いと感じれば、歯磨き=親が怖くなること、と感じてしまうでしょう。
【口を開けていることが苦痛】
歯磨きのとき、口をあけることで唾が溜まってきます。
自分のタイミングで吐き出すことができれば問題ないのですが、親が磨いてあげていると、磨くことに気持ちがいってしまい、溜まった唾に気付いてやれないこともあるでしょう。
子どもが唾が溜まって嫌がっているのに、歯磨きを嫌がっていると勘違いして、押さえつけてしまうと、歯磨き=唾が吐き出せず苦痛と思うようになってしまうので気を付けましょう。
次は、歯磨きをイヤイヤしたときの対策についてご紹介します。
歯磨きをイヤイヤしたときの対策
歯磨きをイヤイヤする主な理由についての対策は、次の通りです。
【歯ブラシが気持ち悪い】
まずは、歯ブラシに慣れさせましょう。
幼児用の歯ブラシがたくさん市販されているので、子どもに合わせて選んでください。
例えば、柄が丸くなって持ちやすくなっているものや、歯ブラシが口の奥に入らないうようにガードがついているもの、動物や果物がデザインされたものなど、さまざまな種類があります。
購入する時に子どもの好きなものを選ばせたり、いくつか揃えておいてその日の気分で選ばせたりするのも良いでしょう。
おしゃぶりのようなイメージで持たせて、歯ブラシに慣れるようにしましょう。
【歯ブラシが痛い】
子どもが痛くない仕上げ磨きをしてあげましょう。
・歯ブラシは力をコントロールしやすい鉛筆持ち
・歯ブラシを持っていない方の指で上唇小帯を隠してから磨く
・磨きはじめは敏感でない奥歯から
・歯ブラシを歯にあて、毛先が隙間に入るように細かく動かす
・前歯の裏側は歯ブラシを立てて丁寧に磨く
・唾が溜まったら、すぐに吐き出させる
力を入れても歯垢は落ちません。
やさしく丁寧に、手早く磨きましょう。
奥歯を磨くときは、歯ブラシを持っていない方の人差し指を口の脇に入れるようにすると、無理なく口が開くので、子どもも痛がらずに磨けます。
【歯磨きイヤイヤ対策】大事なのは親の態度
歯磨きのイヤイヤ対策のコツは、「歯磨きを楽しくすること」です。
毎日の歯磨きを親とのコミュニケーションタイムととらえると、子どもは楽しく歯を磨いてくれるようになります。
コミュニケーションタイムですから、心と時間に余裕を持って、おしゃべりしながらスキンシップを楽しむようにしてください。
子どもと楽しむ時間と考えれば、自然と笑顔になりますし、穏やかな雰囲気を作ることができるでしょう。
親が穏やかにしていれば、子どもも安心します。
そして、いつもは忙しくしているお父さんやお母さんを、歯磨きタイムだけはひとり占めできるとなれば、子どもにとってはうれしい時間です。
そして、大切なのは「褒める」ことです。
どんな小さなことでも褒めると、子どもは認めてもらったうれしさに、もっとほめてもらおうと頑張ります。
「仰向けに寝られた」「口を上手に開けられた」など、とにかく褒めましょう。
【歯磨きイヤイヤ対策】一緒に歯磨き
それでもイヤイヤが収まらないときの対策は、ひとりの歯磨きではなく、「誰かと一緒の歯磨き」です。
一緒にごろんとなるのは、歯磨き担当ではないお父さんやお母さんでも良いですし、お気に入りのぬいぐるみでも良いです。
自分だけでなく、他の誰かも一緒に歯磨きをしていれば、安心して歯磨きをさせてくれるでしょう。
親も一緒に歯磨きをするのもおすすめです。
自分が磨いてもらっている横で、お父さんやお母さんが同じように歯磨きをしていれば、歯磨きをすることは自然なことだと思うようになります。
向かい合うことができれば、親子でお互いの歯を磨き合うのも良いでしょう。
また、鏡に向かって歯磨きをしている自分の姿を見せるのも効果的です。
自分で何でもやりたいお年頃の子どもの場合は、自分で磨いているようにさせて、親が気付かないようにサポートしてあげるという方法もあります。
「歯磨きはみんなが毎日やるあたり前のこと」だと分かれば、歯磨きを身近なものとしてとらえることができるでしょう。
さまざまなツールを使ってのイヤイヤ対策
さまざまな方法を試しても上手くいかないときは、ツールを使った対策をしてみましょう。
【絵本】
例えば、歯磨き絵本を読み聞かせすることで、歯磨きの大切さも分かり、歯磨きは楽しいものだと思えるようになります。
特に仕掛け絵本などは、子どもがとても興味を持つのでおすすめです。
【動画&歌】
歯磨きをすすめる動画がたくさんあるので、子どもと一緒に見て、歯磨きについて話をしてみましょう。
また、歯磨きの仕方を教えてくれる歌もあるので、親子で一緒に磨き方をおさらいするのも楽しいですね。
歯磨きをするときに歌を流しながら行うと、進んで歯磨きをするようになるかもしれません。
【歯磨き粉/歯ブラシ】
イヤイヤ期の対策として、「選択肢を与える」のも有効です。
歯磨き粉のフレーバーをいくつか用意しておいて、その日の気分で選ばせることで、歯磨きを楽しいと感じるきっかけになるかもしれません。
歯ブラシも同じように選ばせることで、「選ぶ喜び」が歯磨き=楽しいになるでしょう。
歯磨きのイヤイヤ対策は焦らず気長に
今回は、子どもの歯磨きイヤイヤ対策についてご紹介してきました。
読んでお分かりいただけたと思いますが、歯磨きを親の使命と感じて、必死になって歯磨きをさせようとすると逆効果になります。
幼児期は唾液の分泌が多いので、口の中は案外清潔に保たれています。
歯磨きしないとすぐに虫歯になってしまうわけではないので、それほど神経質になることはありません。
まずは、歯磨きを親子のコミュニケーションタイムととらえて、楽しむことからはじめましょう。