口臭予防の歯磨きの仕方は「短時間で効率良く」がポイント
歯磨き 2020.01.13口臭の主な原因は「歯垢」歯磨きの仕方で口臭は防げる
口臭の原因は多くの場合、口の中で細菌が繁殖することによって起こります。
どういうことかと言うと、食べ物を食べると、食べカスが歯の表面に付きます。
この食べカスをそのままにしておくと、4~8時間で細菌の塊になります。
そして、24時間経つ頃には「歯垢」になると言われているのです。
歯垢は歯磨きの仕方次第で落とすことができますが、磨き残しなどがあると、約48時間で歯垢から「歯石」に変わります。
歯石に変わってしまうと、硬くなってしまうので自分で落とすことは難しく、歯科医に行って取り除いてもらわなければなりません。
そして、歯石をそのままにしてしまうと、虫歯をはじめとした口内トラブルに発展してしまうことになります。
基本的には、口内トラブルが起こることで口臭が発生します。
そのため、歯石に変わってしまう前に、正しい歯磨きを行うことで、歯垢を取り除きましょう。
また、にんにくなど臭いの強いものを食べて口臭が起こる場合は、食べたものを消化することで、臭いはなくなります。
このように一時的なものは、口臭の真の原因とは言えません。
口臭を予防する効率の良い歯磨き仕方
それでは、口臭を予防する効率の良い歯磨きの仕方をご紹介しましょう。
【念入り歯磨きは1日1回】
さきほどお話ししたように、食べカスが歯垢になるまでに24時間掛かります。
したがって、しっかり歯垢を落とす念入り歯磨きを行うのは、1日1回で充分だということです。
時間はいつでも良いのですが、寝る前に行うと就寝時の菌の活性化をおさえるのでより効果的です。
【食後の歯磨きは30分後に】
食事を摂った直後に、毎回念入りな歯磨きをしている人がいますが、これは効率の良い歯磨きとは言えません。
食事の直後は、口の中の㏗が中性に戻り切っていないため、歯のエナメル質を傷付けてしまう可能性があります。
口の中が中性に戻るまで、30分ほど時間が必要です。
そのため、食後の歯磨きを行う場合は30分後にしましょう。
【磨くのは歯間】
歯の表面は食べ物を噛むことである程度きれいに保たれているので、それほど歯垢は溜まりません。
問題は、歯ブラシが届きにくい、歯と歯の間、歯と歯茎の間です。
ここに歯垢が溜まりやすいので、歯間を重点的に磨くようにしましょう。
口臭を予防する歯磨きの仕方「デンタルフロス」は必須
口臭を予防する効率の良い歯磨きの仕方には、デンタルフロスが欠かせません。
デンタルフロスとは、合成繊維や絹糸などの繊維を何本かねじり合わせたもので、歯と歯の間の歯垢をしっかり落とす糸状のものです。
では、デンタルフロスの種類を見てみましょう。
【デンタルフロスの形状】
・ロールタイプ 糸巻きで束ねたものがケースの中に入っていて、使う分だけ引き出し、指に巻き付けて使用する。
・ホルダータイプ 使いやすいように専用の柄にフロスが付いたもので、F字タイプやY字タイプなどがある。
【フロスの種類】
・ワックス付き フロスにワックスが付いたもので、繊維の滑りを良くしているので、歯間に入りやすい。
・エクスバンドタイプ 摩擦や唾液によって繊維が膨らみ、歯垢を取りやすくする。
・フッ素加工 歯磨きにも使われているフッ素をフロスに染み込ませたもの。
1日1回の念入り歯磨きのときに、歯ブラシだけでは落としきれない歯垢を、デンタルフロスを使ってしっかり落としてください。
デンタルフロスを使ったときに、引っ掛かりがあると、歯石や虫歯になっている場合があるので、歯科医に相談しましょう。
口臭を予防する正しい歯磨きの仕方
1日1回の念入り歯磨きの仕方をご紹介しましょう。
①歯ブラシのブラシ部分の雑菌を取るため、指を使ってブラシを擦り、流水で汚れを落とす。
②歯磨き粉を5mmほど、歯ブラシに出す。
③利き手と逆側の下奥歯から磨きはじめる。
④歯と歯茎の境目に歯ブラシを45度にあて、毛先が境目に入ったら、力を加えず小刻みに動かす。
⑤1か所を磨く目安は、10~15秒ほどで前歯に向かって磨きながら移動させていく。
⑥次に前歯から奥歯に向かって磨いていくが、利き手側は磨き残しが多くなるので、歯ブラシの持ち方を変えながらしっかり奥歯まで磨いていく。
⑦奥歯の奥は磨きにくいので、歯ブラシの先を使って磨くようにする。
⑧歯の裏側も同じようにして磨いていくが、歯ブラシが届きにくい前歯は歯ブラシの先を使うと汚れが落ちやすい。
⑨上の歯も同じようにして磨いていく。
⑩上の前歯の裏は歯ブラシのかかとの部分を使って磨くと磨きやすい。
⑪奥歯の噛み合わせ部分に歯ブラシを直角にあて、上下ともに磨く。
⑫磨き残しの多い犬歯、奥歯の奥、前歯の裏側を再度チェックする。
⑬歯磨きによってかき出された細菌を完全に外へ出すために、口の中のうがいと、のどの奥までのうがいをそれぞれ15秒ほど行って終了。
この正しい歯磨きにデンタルフロスをプラスすれば、口臭を予防することができるでしょう。
口臭を予防する正しいデンタルフロスの仕方
それでは、口臭を予防する歯磨きの重要ポイント、デンタルフロスの仕方について見ていきましょう。
①歯の間にフロスを通し、歯茎が痛くないところまでフロスを入れる。
②通常2~3mm入るので、フロスが入ったら2~3秒止める。
③フロスの繊維が自然に広がったら、歯に沿って前後に動かして歯垢を取りながら、上に引き抜いていく。
④同じようにしながら、左右の歯の側面の歯垢を取り除く。
さきほどご紹介したホルダータイプのデンタルフロスは、奥歯には使いにくい場合があります。
ロールタイプであれば、フロスだけでできているので、場所に関係なく歯間に入れるのでおすすめです。
また、ワックス加工をしていないデンタルフロスの方が、歯垢を落としやすいと言われています。
デンタルフロスに似たもので、デンタルブラシと言って、歯の間を磨く細く小さなブラシが付いたものもあります。
デンタルブラシは、隙間が比較的広い歯の根元部分には使いやすいのですが、歯がくっついている部分までは磨けません。
そのため、デンタルブラシだけでは歯垢を落としきれないので、デンタルフロスと併用すると良いでしょう。
歯磨きの仕方だけでは改善しない口臭とは?
これまでお話ししてきたように、正しい歯磨きを行っていれば、歯垢が原因の口臭は予防できます。
しかし、正しい歯磨きの仕方をしても口臭を感じる場合には、次のようなことが考えられます。
【舌の汚れ】
毎日歯磨きはしていても、舌のお手入れはしていない人の方が多いかもしれません。
舌が汚れていると、口臭がきつくなることがあります。
歯磨きついでに歯ブラシで舌を磨く人がいますが、舌を傷付けてしまうのでおすすめしません。
舌磨きは専用の道具を使って行いましょう。
また、力を入れ過ぎたり、1日何度も行うと舌を傷付けるので、1日1回までにしましょう。
【ドライマウス】
唾液がきちんと分泌されていないと、口の中が乾燥してしまい、細菌が繁殖し、口臭を発生させることがあります。
食事のときによく噛み、口呼吸ではなく鼻呼吸をし、うがいをすることが、唾液の分泌に繋がります。
【ストレス/内臓のトラブル】
強いストレスを感じると唾液の分泌が少なくなるので、口臭が強くなる場合があります。
また、内臓にトラブルを抱えている場合も口臭が強くなる場合があるので、正しい歯磨きをしても口臭が気になる場合は、内科の受診をおすすめします。
口臭予防の第1歩は歯磨きの仕方
口臭は毎日の効率の良い歯磨きで予防することができます。
1日1回念入り歯磨きをすることで、歯垢をしっかり取り除くことができれば、口臭を予防すると同時に歯の健康も維持できます。
そして、正しい歯磨きにはデンタルフロスが欠かせません。
歯磨きの前でも後でも良いので、デンタルフロスで歯間の歯垢を取り除いてください。