犬歯などの前歯を失って差し歯にすると保険は適用されるの?

歯科矯正 2019.07.26

虫歯や事故のせいで犬歯などの前歯を失ってしまうと、どんな方でもショックは大きいことでしょう。

どうしても見た目が気になりますし、何より食事ができるのかも不安なところです。

今回の記事では、差し歯などの治療法についてや保険が適用されるのかについて詳しくご説明します。

犬歯などの前歯の大部分を失った時には差し歯を

差し歯とは、虫歯や外傷により犬歯などの歯の大部分を失い、ほとんど歯の根元しか残らなかった場合に行われる治療法です。

歯の根元の中の神経を取り除き、根元の先端に薬を充填し、コアと呼ばれる心棒を立て、そこに歯の形をしたクラウンと呼ばれる被せ物をします。

コアの材料には銀や銅、パラジウムなどの硬い合金が使用を用いられる場合が多く、強力なセメントでクラウンをがっちりと固定します。

この治療法では合金を使用するため、金属アレルギーを持っている方には実施できません。

その場合は、セラミックなどの金属以外の材質を使用する治療法もありますが、保険適用外になってしまいます。

これらの差し歯治療では歯の根元の周囲にある歯根膜と呼ばれるクッションのような感覚器官が残るため、食べ物の触感を感じることができます。

保険適用内の差し歯は犬歯などの前歯だと違いが目立ってしまう

保険適用内のプラスチック製差し歯の場合、出せる色には限界があります。

そのため、犬歯などの前歯だと目立ってしまう可能性があります。

そこで、目立つ部分の犬歯などではセラミック製の差し歯を検討しましょう。

セラミック製にすることによって、幅広い色に対応することができます。

この章では、このような保険適用内と保険適用外の差し歯の違いについてご説明します。

●歯茎との差し歯の境目が黒く見える

保険適用内のプラスチック製差し歯のコアの材料には銀や銅、パラジウムなどの硬い合金が使用を用いられる場合が多いため、プラスチックの歯と歯茎の境目に合金の色で黒く見えます。

保険適用外のセラミック製の差し歯の場合、非金属のファイバーコアを使用するため、黒く見えることはありません。

●差し歯が変色する

保険適用内の差し歯は、治療完了後は綺麗な状態だったとしても口腔内の水分を吸収するため、劣化しやすくなり、黄色く変色してしまう可能性があります。

保険適用外の素材を使用することによって、劣化しにくい差し歯をつくることができます。

差し歯は抜ける可能性もあるので犬歯などの前歯だと特に注意

差し歯は再生力の無い人工的な歯ですので、小さな傷ができたり、接着が弱まって抜けたりするなど、外からの衝撃に対して強くありません。

また、差し歯治療をする時は歯の神経を抜くため、歯の再生力が失われ歯の根元に亀裂が入ると再生することはありません。

再生しなくなる理由は歯の神経がある場所である、歯髄が関係しています。

歯髄には、神経の他に血管や細胞が詰まっていますので、歯の神経を抜くということはこの血管や細胞が詰まっている部分を器具で掻き出すことになります。

この歯髄にはミネラルなどの栄養素を運び、虫歯を修復する機能や、歯の弾力性を維持して歯を欠けにくくする機能があります。

そのため、差し歯治療をすると歯の根元に亀裂が入っても、自然治癒する可能性は非常に低いです。

また、保険適用内の差し歯に使われる銀や銅、パラジウムなどの硬い合金は、歯の根元と比べると硬すぎるので、強い力が加わると歯の根元が折れてしまう可能性があります。

歯の根元が折れると、抜歯をするしかありません。

犬歯などの前歯であれば、抜歯後は目立ってしまうといったことがありますし、奥歯を失うと噛む力を大きく失ってしまうというデメリットがあります。

保険適用内の差し歯だと特に注意が必要

保険適用内の差し歯だと対応性に欠けるため、保険適用外の差し歯に比べると歯の根元が欠けやすくなってしまいます。

では、差し歯で対応しきれなくなってしまった場合にはどのような治療が施されるのでしょうか。

犬歯などの前歯を失ってしまえば目立つため、どうにかしたいと思われることでしょう。

この章からは、歯を失ってしまった場合の治療法についてご説明します。

●ブリッジ治療

人口の歯を失った歯の部分に設置し、人口の歯から左右に伸びている冠を両隣の歯に被せて固定する治療法で、失った歯が1~2本と少ない本数の場合のみ使用できます。

人口の歯と歯茎の間に空間があるので異物感が少なく、外見も自然な仕上がりになります。

この治療法では冠を被せる際に、その冠の左右に伸びた冠に合わせて両隣の歯を大きく削ることになります。

ただ、この歯を削るという行為は大きなリスクを背負います。

というのも歯を高速タービンなどで削ると、歯の表面を覆うエナメル質に無数の小さなひび割れが入ってしまいます。

虫歯菌がこのひび割れから侵入してしまうとエナメル質の内側から虫歯になるので、歯磨きだけではケアしきれない可能性があります。

こういったデメリットを回避するために、歯を削らなくて済む接着ブリッジという治療法もあります。

保険適用内の部分入れ歯による治療法

前章でご説明しましたブリッジと、この章でご説明する部分入れ歯は保険適用内の治療法です。

●部分入れ歯による治療法

部分入れ歯とは、人口の歯と人口の歯肉で形成された部分入れ歯を、口腔内の残っている歯に金属のバネや磁石を用いて固定する治療法です。

ブリッジ治療は犬歯だけなど、失った歯の本数が少ない場合にしか施せませんが、部分入れ歯はそれ以上の歯を失ったとしても使用できる治療法です。

歯を全て失った場合は、人口の歯肉を顎に密着させる総入れ歯となります。

部分入れ歯は、ブリッジや差し歯とは異なり取り外しが可能で、比較的に洗浄しやすいです。

部分入れ歯の噛み合わせに不具合が生じた場合は歯科医に相談することで、修理や調整することもできます。

ただ、どうしても健常な歯に比べて噛む力が劣ってしまいます。

また、入れ歯の位置によってはバネが気になってしまう可能性があります。

インプラント治療

インプラント治療とは、金属の人工歯根を顎の骨に埋め込んでガッチリと固定し、それを土台に人口の歯を装着する治療法です。

保険適用外なので数十万円の費用が必要になります。

保険適用外だけあって、差し歯などの他の治療法に比べて綺麗な外見になります。

顎の骨に直接固定することによって、噛む力も健常な歯と大して変わりません。

犬歯だけなど1本の歯からでも対応できますし、数本失ったとしても他の歯に固定する訳ではないので、幅広い状況に対応できます。

インプラント治療は、人口の歯根を顎の骨にくっつくまで3カ月~半年程度の期間を必要としており、その期間中には食事にも気を配らなければなりません。

その点については歯科医の話をよく聞いて指示を遵守しましょう。

保険が適用されるかどうかは治療の内容ごとで変わる

差し歯に歯保険適用内だと対応できる範囲が狭く、保険適用外の方が満足度は高いです。

歯の欠損が多くて抜歯をすることになったとしても、ブリッジ、部分入れ歯、インプラントの3種類の治療があります。

長い間付き合っていく歯ですので、できることなら満足度の高い保険適用外の治療法を選んでいきたいところです。

費用などを歯科医と相談しながら、あなたに合った治療法を選びましょう!

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