前歯の神経は絶対に抜かないで!そもそも神経の場所は?

歯科矯正 2019.07.25

歯の神経を抜くと、徐々にその歯がダメになっていき、抜歯へのカウントダウンが始まります。

この記事では、前歯の神経を抜くと歯がダメになってしまう理由と、虫歯になってしまった時に神経を抜かずに治療する方法、そもそも神経の場所はどこにあるのかについて詳しくご説明します。

そもそも前歯の神経の場所はどこにあるのか?

前歯の神経の場所は歯髄という組織の中に入っており、他にも血管や細胞が詰まっています。

歯の構造は、目に見えている白い部分がエナメル質、その内側にセメント質と呼ばれる硬組織に表面を覆われた歯の主体をなしている象牙質、さらにその内側に歯髄が入っています。

つまり、歯の神経は歯の最も内側に位置しています。

もし、虫歯などで神経を抜くことになった場合、歯科医に神経を抜くといった処置を勧められるかもしれませんが、神経を抜いてしまうと虫歯などの状況は悪化の一途をたどることになります。

理由は、歯の神経の場所にあります。

冒頭でもご説明しましたが、歯の神経は歯髄と呼ばれる血管や細胞が詰まっている部分に入っています。

歯の神経を抜くには、この部分を器具で掻き出して取り除くしかありません。

前歯の神経を抜くと虫歯が悪化する原因は神経の場所が関係している!

歯髄にはミネラルなどを運ぶことによって歯の健康を保つための機能が備わっており、虫歯ができても歯の組織を変化させたり、修復することもできます。

また、歯髄には歯に水分を補給して弾力性を保ち、歯の割れや欠けに強い状態を維持する作用もあります。

歯の神経の場所を考えると、前歯などの神経を取り除くということは歯髄を取り除くということになるので、虫歯を修復する自然治癒力や歯の弾力性が失われてしまいます。

歯の神経を抜いてしまうと歯に栄養が行きわたらなくなるため、虫歯が進行の一途をたどり、いずれは抜歯の選択肢しか残らなくなります。

1本くらいなら抜歯しても大丈夫だと思うかもしれませんが、たった1本の抜歯でも体に多くの悪影響を及ぼす可能性があります。

例えば、奥歯を抜歯するとなると全体の咬筋力(噛む力)の約30%~40%失われると言われており、抜歯前に比べて食べ物を細かく噛み砕けなくなります。

食べ物を細かく噛み砕かないまま飲み込んでしまうと、胃にかかる負担が大きくなって消化不良を起こす可能性があります。

また、抜歯をするとその部分が大きく腫れたり、痛みを伴う可能性もあります。

前歯を抜くと体が認識する

たった1本の前歯を抜くだけでも体に及ぼす最も大きな悪影響は、歯槽骨と呼ばれる歯を支える骨が崩れ始めることにあります。

なぜ歯槽骨が崩れ始めるのかというと、抜歯をした後に体の神経がその場所に歯がないということを認識して、必要のなくなった歯槽骨を崩し始めます。

一ヶ所の歯槽骨が崩れると周囲の歯が固定されにくいため、歯の根元に大きな負担がかかります。

そうなると、歯が傾いたりグラグラになってしまう可能性が高くなり、別の歯を失うかもしれません。

●歯を削るだけでも悪影響が!?

虫歯になったら、どれだけ小さい虫歯だったとしても歯を削って詰め物をしてもらうのが今までの主流でした。

しかし、その考えは古くなってきています。

というのも、一回歯を削ると口腔内に悪影響を及ぼし、歯を抜かざるを得ない状況に繋がるからです。

その理由は、歯を高速タービンなどで削ってしまうことによって、歯の表面を覆うエナメル質の部分に小さなひび割れが無数に入るからです。

このひび割れからエナメル質とその内側にある象牙質の隙間から菌が入り込み、エナメル質の内側から虫歯になってしまうことがあります。

内側から虫歯になるので、いくら詰め物をしたところで詰め物の内側で菌が繁殖するため、虫歯を防ぐことが困難になります。

菌だらけの水でうがいをさせられる場所もある!?

歯科ユニットから水が出てくるチューブ内には10万以上の細菌が潜んでいると言われています。

それだけでも清潔ではないことが分かりますよね。

では、どのような危険があるのでしょうか。

歯を削った後にこの水でうがいをしてしまうと、削った場所が10万以上もの細菌にさらされることになります。

傷口を10万以上もの細菌にさらされるのが体に良い影響を与えるはずがありません。

前歯を削った場所を10万以上もの細菌が潜む水でうがいをさせる歯科医の神経を疑ってしまいますよね。

ここまで読んで、歯を削ったり神経を抜く行為がどれだけのリスクを背負っているかを理解していただけたのではないでしょうか。

では、歯を削らずにしてどうやって治療していくべきなのかを次の章からご説明します。

歯を削らずに神経も抜かない治療法

●ドックベスト療法

銅が2%、鉄が1%と複数のミネラルが含まれたドックベストセメントという薬を虫歯になった場所に詰めて虫歯菌を死滅させ、歯の自然治癒力で虫歯を直す治療法です。

前歯などを削らずに歯の神経を残しておくことによって、歯の自然治癒力が残ります。

具体的なメカニズムは、歯髄や唾液から歯にミネラルが補給されることによって、一度虫歯になったとしても再石灰化が進み、自然治癒します。

小さな虫歯であれば歯を削らなくても、この治療法で十分に治癒する可能性があります。

●ヒールオゾン治療

ドックベスト療法に似ており、塩素の7倍の殺菌力があると言われているオゾンで虫歯菌のある場所を殺菌します。

初期の虫歯であれば、歯を全く削る必要はありません。

●レーザー治療

レーザーで歯の虫歯菌を焼く治療法です。

歯周ポケットと呼ばれる歯と歯肉の隙間に潜む歯周病菌を焼き殺すこともできるので、歯周病治療にも用いられております。

●シュガーコントロール

炭水化物を控える治療法で、歯周病菌に対しての効果が大きいです。

歯周病になると歯を支える歯肉や歯槽骨が破壊され、悪化すると歯がグラグラになり、抜歯をしなければならない状態になる可能性まであります。

この歯周病は高血糖状態になることによって歯肉の血管を傷つけられて発症する側面があります。

その為、糖質を抑えるために炭水化物を控えることによって、歯周病が自然治癒する可能性があります。

また、歯につく歯垢も抑えらるので虫歯予防にもなり一石二鳥です。

虫歯予防を習慣化しましょう!

口腔内には多くの細菌が存在しており、その中でもミュータンス菌などの虫歯菌は食事の糖分を取り込み、歯を溶かす酸を放出して虫歯になってしまいます。

この糖分を摂取し過ぎずに、細菌が存在する歯垢を除去することが虫歯の予防になります。

歯垢を上手く除去できないと、虫歯の自然治癒が間に合わずに虫歯が進行してしまいます。

歯垢を除去するには丁寧な歯磨きが重要になります。

どんなに良い歯磨き粉やうがい薬を使ったとしても、歯磨きが疎かになってしまっては元も子もありません。

あくまで歯磨き粉やうがい薬は補助として使うものです。

前歯の裏や奥歯など磨きづらい場所もあり、丁寧に磨くとなるとかなり神経を使うことになるとは思いますが、慣れることで今まで以上に質の高い歯磨きをすることができます。

また、歯科医に定期的に歯垢除去と歯磨き指導をしてもらうことによって、さらに虫歯に強い口腔内環境を作ることができます。

歯の神経を抜くと歯を抜くことになる

虫歯を削ったり、歯の神経を抜く時代は終わりを迎えようとしています。

もし、歯科医に相談して歯を削ったり、歯の神経を抜くというようなことを言われたなら、この記事でご説明したような治療法はできないのか相談してみましょう。

納得のいくような治療法をしてもらえない場合は他の歯科医に診断してもらったり、評価の高い歯科医を探したりすることを検討してみてください。

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