奥歯の噛み合わせは大丈夫?合わない原因を徹底解説!
歯科矯正 2019.08.19奥歯の噛み合わせが合わない原因は無意識の歯ぎしり!?
子供の頃は特に問題なく奥歯の噛み合わせが合っていたはずなのに、年齢を重ねると噛み合わせが合わない、あるいは違和感を感じた経験はありますか?
それは無意識の歯ぎしりによって歯が削れ、噛み合わせのバランスが崩れたせいかもしれません。
歯ぎしりは、力の強さや回数こそ個人差があるものの、ほとんどの方が無意識にやっている行動です。
具体的に挙げると、物事に集中してたり、寝ている時に歯ぎしりをしている可能性があります。
歯ぎしりには3種類のタイプが存在します。
1.グライディング
上下の歯をギリギリと擦り合わせるタイプの歯ぎしりです。
歯や顎に大きな負担が強いられます。
2.クレンチング
歯を強く噛み締めるタイプの歯ぎしりです。
重いものを動かす時起こしやすい歯ぎしりです。
3.タッピング
上下の歯を合わせてカチカチと鳴らすタイプの歯ぎしりです。
寒い時に口腔内で歯が勝手にカチカチと音を鳴らす時の歯ぎしりです。
これらの歯ぎしりを完全になくす必要はありませんが、歯ぎしりの頻度や力の強さによっては改善が必要になります。
強い力や長時間の歯ぎしりは歯に亀裂が生じる可能性があり、歯が欠けたり、亀裂に細菌が入り込んで虫歯の原因になる可能性があります。
奥歯の噛み合わせを悪くしてしまう歯ぎしりの原因
奥歯の噛み合わせが合わなくなる原因の歯ぎしりですが、その歯ぎしりの原因についてご説明します。
1.ストレス
生きている限り、切っても切れないストレス。
相性の合わない同僚との仕事や思った通りの結果が出ない時など、ストレスが溜まる原因は人それぞれです。
このストレスが溜まり過ぎると、体が無意識でストレスを発散させようと、無意識に歯ぎしりをすることがあります。
2.何かに取り組んでいる時
重いものを動かす時や大きな力を使う運動をする時に、歯を食いしばった経験はありませんか?
歯を食いしばると筋肉で体幹が固定されやすくなります。
体幹が固定されると力が全身へ伝わりやすいので、力が入れやすくなります。
しかし、奥歯を何回も強く食いしばると噛み合わせが合わなくなる原因を作ってしまいます。
そのため、大きな力を使う時は歯を食いしばるのではなく、息を吐きながら力を入れるようにしてみてください。
歯を食いしばっている時とほぼ同等の力がだせます。
そういった癖をつけることによって、歯への負担を大幅に減らすことができます。
3.アルコール
就寝前の体内にアルコールが入ると、体がアルコールを分解しようと活発的になるので睡眠の質が低下します。
また、アルコールには利尿効果もあるため、夜中にトイレに行きたくなって目が覚めるので、睡眠の質をさらに低下させてしまいます。
無意識の歯ぎしりは睡眠が浅い時に起こりやすいので、就寝の4時間前にはお酒を飲まないようにしましょう。
歯ぎしりを放置すると奥歯の噛み合わせが合わない原因を作ってしまいます
無意識の歯ぎしりを長期間放置してしまうと、歯に強い力が加わり続け、歯並びに悪影響が及ぶ可能性があります。
歯並びが悪くなると、奥歯の噛み合わせが合わなくなる可能性が大きくなります。
奥歯の噛み合わせが合わないと食べ物を上手く噛み切れなくなり、それが原因でストレスが溜まります。
ストレスが溜まると、睡眠時に無意識で歯ぎしりをする可能性が大きくなり、歯ぎしりと歯並びへの影響で悪循環が起こる可能性があります。
また、歯ぎしりをすると歯並び以外の悪影響を及ぼす可能性があります。
1.顎関節症になる
歯ぎしりなどによって大きな負担が顎にかかると、顎関節症になる可能性があります。
顎関節症になると、
・口の開閉時に顎から音が鳴る
・口を大きく開けることができない
・顎に痛みを感じる
といった症状が見受けられるようになります。
2.歯周病が悪化する
歯周ポケットと呼ばれる歯と歯肉の境目に細菌が溜まることによって歯肉が腫れるなどの炎症を起こす病気です。
悪化すると、歯を支える骨が溶けてグラグラと歯が動くようになります。
歯ぎしりをすると歯の根元に強い力が加わり、歯が動くことによって歯周ポケットが拡大し、細菌が繁殖しやすくなってしまうので、歯周病悪化の原因になります。
歯科医に相談して歯ぎしりを改善
無意識の歯ぎしりは、歯科医に相談することで改善が見込めます。
悪化して手遅れになってしまわないように、奥歯が削れている、奥歯の噛み合わせが合わない、といった症状が見受けられる場合は早めに相談しましょう。
ここでは3種類の改善法をご紹介します。
1.器具を使った改善法
マウスピースやナイトガード、スプリントと呼ばれる器具を使うことによって、睡眠時などの無意識時に歯ぎしりをしても歯や歯茎への負荷はほとんどかかりません。
2.歯列矯正
歯並びが悪いと、噛み合わせを合わそうと無意識に歯ぎしりをしやすくなってしまいます。
その為、歯列矯正によって無意識の歯ぎしりが改善される場合もあります。
奥歯の噛み合わせと歯ぎしりを改善して一石二鳥です。
3.リマインダー法
自分が起きている時にいつ歯ぎしりをしているかを調べ、自分の意志で歯ぎしりを止める治療法です。
起きている時に歯ぎしりをすることが癖になってしまうと、歯が削れて噛み合わせが悪くなる可能性があるだけでなく、睡眠時などの無意識時にも歯ぎしりをしやすくなってしまいます。
睡眠の質を上げて噛み合わせが合わない原因を無くす方法
無意識の歯ぎしりは浅い眠りの時に起こしやすい症状です。
睡眠の質が低いと浅い眠りの割合が増え、無意識の歯ぎしりをする可能性が高くなってしまいます。
歯ぎしりの回数が増えると、奥歯の噛み合わせが合わない原因を作ってしまうことになります。
また、浅い眠りの日が続くと日々の疲れやストレスが取れずに溜まっていく可能性がありますので、睡眠の質を上げることが重要になります。
では、実際にどのようにして睡眠の質を上げるのかをご説明します。
●体温の上がり下がりを利用する
体温には深部体温と皮膚体温の2種類があります。
健康な人の場合は、睡眠前に体が深部体温を下げようとするため、皮膚から体温を放出して皮膚体温が上がり、深部体温が下がります。
そして、この状況は入浴によって意図的に作ることができます。
入浴すると、深部体温が上がり、入浴後はその反動で深部体温が下がろうとします。
この深部体温が下がるタイミングを就寝時に合わせることによって、より深い睡眠に入れるという訳です。
入浴の時間帯は、就寝の90分前が理想的です。
ただ、忙しい方は入浴時間の確保や入浴と就寝の間に90分の時間を確保するのが難しいかもしれません。
そういう方は、就寝前にシャワーを浴びたり足湯に浸かることをお勧めします。
就寝直前の入浴は体温がなかなか下がらず、寝つきが悪くなってしまう可能性があります。
そのため、入浴後に90分間の時間を確保できない場合は、深部体温が軽く上昇する程度のシャワーか足湯程度にしましょう。
噛み合わせが合わない原因を睡眠で改善!
歯ぎしりを改善できれば、奥歯の噛み合わせが合わない原因を無くすことができます。
その歯ぎしりの原因であるストレスを、質の高い睡眠によって解消しやすくなります。
入浴によって質の高い睡眠を得る方法をご紹介しまいたが、ここではその補足として入浴以外で睡眠の質を上げる方法を2つご紹介します。
1.退屈な時間を作る
学校の授業や長時間の運転で、ついつい眠くなってしまった経験はありませんか?
単純作業の繰り返しは、脳が退屈して考えるのをやめるので眠たくなってきます。
この状況を意図的に作ることで、自分自身の眠気を誘うことができます。
就寝前にはリラックスできるBGMを聴いたり、あまり頭を使わなくて良い作業をして、脳に眠る準備をさせましょう。
2.起床時間を固定する
人は起床時から14~16時間ほどで眠くなってくるようになっています。
そのため、起床時間がバラバラだと眠くなる時間もバラバラになり、生活リズムが崩れる可能性があります。
起床時間を固定することによって就寝時間もバラバラになりにくく、体がその生活リズムに慣れてきます。
生活リズムが整えられると、就寝時間には何もしなくても眠たくなり、自然と深い眠りになります。
生活習慣を整えてストレスや歯ぎしりを改善しよう
歯ぎしりは奥歯の噛み合わせを悪くする原因です。
その歯ぎしりの原因はストレスによるものが大半です。
まずは睡眠の質を高くして、日々のストレスを溜めないようにしましょう。
また、噛み合わせに違和感を感じたら、歯科医に相談してみるのも良い手段です。
長期間放置してしまうと、顎関節症や歯周病など、噛み合わせ以外の問題が起きる可能性もありますので、早期治療を心掛けましょう。