犬歯が乳歯から生え変わるのはいつ?抜歯のトラブルに注意!

歯科矯正 2019.06.23

犬歯は上あごの歯列から前に出て生えると八重歯とよばれ、日本の文化ではチャーミングポイントになっています。

また、生後6ヵ月~9ヵ月くらい赤ちゃんの乳歯が、下の前歯に2本生えてきた頃は本当にかわいいですね。

かわいらしい乳歯も成長を遂げれば生え変わり、大人同様永久歯となります。

この成長過程において、起こりうるトラブルがあるのです。

乳歯から永久歯へ生え変わるタイミングや、抜歯の際に起こりうるトラブルなどについてご紹介していきます。

犬歯の大切な役割

乳歯は自然に抜歯し永久歯に生え変わるまでの5~6年間の短い期間の存在です。

短いながらも、身体の発育や顎の発達に重要な役割を果たし、永久歯へとバトンをつなぐのです。

また、永久歯に生え変わるまでのつなぎだけではなく、様々な重要な役割を担っています。

それは、食べ物をしっかり噛み栄養をしっかり吸収することで身体の発育を促し健康な身体に成長する手助けをするという役割です。

しっかり噛むという行為は、顎の発達を促し歯並びや、顔の形に影響を及ぼすこともあります。

そして、言葉を覚え始める時期と重なり、キチンとした歯並びを保てないと会話における発音にも影響があります。

このように、乳歯も永久歯と同様に前歯や奥歯、犬歯と役割を持って生えています。

特に、生え変わる時期は乳歯や永久歯が混在しており大きさもまちまちで、歯ブラシが届きにくい箇所の虫歯には要注意です。

乳歯が虫歯などで抜歯することになると、永久歯が生え変わるための目印を失い、歯並びのバランスが悪くなります。

乳歯はこのように、永久歯が生え変わるための目印としての、重要な役割も担っています。

乳歯が生え変わらない理由!歯胚ってなに?

虫歯治療により抜歯しない限り、乳歯は自然に抜け落ち、永久歯へ生え変わるのは当然の過程として捉えられています。

ところが、なぜか抜けない乳歯があることをご存知でしょうか。

それは、顎の中で乳歯を押し上げるための歯胚(成長すると永久歯になる)がなく、永久歯に生え変わらない「先天性欠如」という歯の形成異常です。

抜けなかった乳歯が大人になって突然抜けてしまうと、本来生えているはずの本数(28本)を満たせません。

すると、乳歯が抜けた後は隙間が空くので歯並びや、また、犬歯の乳歯が抜けてしまうと噛み合わせや、顎の成長にも影響が出てしまいます

歯並びが悪いと虫歯になるリスクが高まり言葉の発音や、食事にも影響を与えます。

特に、近年「先天性欠如」の患者が増加傾向にありますが、原因が不明なため予防処置も有りません。

子どもの乳歯が気になる場合、歯科医院でレントゲンで永久歯の本数を確認することができます。

先天性欠如で乳歯を抜歯!犬歯の位置を調整

先天性欠如の治療法は年齢により区分けしています。

小学校就学前であれば、乳歯を虫歯にならないよう定期的診療と注意深いケアにより経過を見守ります。

そして、中学生~20歳で乳歯を抜歯して前歯や犬歯を適切な位置に歯列矯正し、隙間の空いた歯並びを適した位置に矯正していきます。

30代以降になると乳歯はほとんど抜けてしまい、残ることはまれです。

そして、ここで初めて「先天性欠如」と判明する人もおり、やはり歯列矯正やインプラント、入れ歯による歯間を埋める処置をします。

歯列矯正やインプラント治療のいずれにしても、歯医者さんでの治療には長期間を要することになります。

幼少時から先天性欠如と判明していれば、年齢や成長に合わせ注意深く観察し、そして治療においては長期的なプランをたてられます。

そのため、現状における先天性欠如の対処法としては、幼少期の定期的な診察が大切になります。

犬歯などの乳歯の抜歯時における注意!精神的・身体的ダメージは大きい

歯を抜歯する。

それが、乳歯ならまだしも犬歯のように歯の根が表に露出している部分より、2倍近く長い歯を抜歯する。

イメージするだけで憂鬱な気分になりますよね。

ところが、抜歯は気分を落ち込ませるだけではなく、身体にも多大な負担がかかります。

心身ともに、良好状態のときにうけることが重要になります。

睡眠不足で疲れが残っていたり、熱やのどが痛いなどといった場合、抜歯は控えたほうが賢明です。

また、病(高血圧・心臓病・糖尿病・腎臓病)を患い投薬治療を受けているかたは、事前に歯科医師への申告が必要です。

抗凝固薬、降圧薬、ステロイドの投与治療を受けていると、抜歯により病状が悪化することがあるためです。

抜歯は患者にとって不安感があるので、初診時によく相談したり説明を受けて、十分に理解したあとに抜歯するかどうか検討しましょう。

そして抜歯後は、風邪をひいたときの注意と同じです。

過激な運動・長い入浴・飲酒などは避けてください。

食事は普通に摂って大丈夫ですが、抜歯後の穴に固まった血(血餅・けっぺい)があり、この部分を強めのうがいや、指で取ってしまうと痛みを感じたり、抜歯後感染症になる恐れがあります。

乳歯から永久歯へ抜歯する時期が違う親知らずの役目

歯にはそれぞれ役目があり、特に犬歯はあごのかみ合わせを固定する役目があります。

それでは抜歯の対象になることが多い「親知らず」の役目は何でしょうか?

「親知らず」は正常に生えてくれば、食べ物をよく噛めるメリットがあります。

しかし、乳歯はおおむね同じ時期に生え変わりますが、遅く生えてくる「親知らず」は歯茎の下に埋まったままの埋伏歯の状態が多くみられます。

その背景に考えられるのは、食生活の変化です。

近年、柔らかい食べ物が多く、それ程噛まなくてもいい食べ物中心の食生活になりつつある傾向です。

するとあごが発達せず、歯が生えるスペースが不足し埋伏歯ができる、といったことが考えられます。

そして、埋伏歯には歯全体があごの中に完全埋まっている「完全埋伏歯」と、歯の先(歯冠)が歯茎から顔を出している「半埋伏歯」のタイプに分かれます。

特に「半埋伏歯の親知らず」は歯ブラシが届きにくく、清潔に保てず歯茎に痛みがでたり、腫れたりします。

そのような症状が出ると、「半埋伏歯の親知らず」は抜歯ということになりかねません。

症状が出る前、もしくは、若年時に抜歯することが推奨されています。

若い時期は歯の根が柔らかいことから抜歯しやすく、傷の回復も早いためです。

「完全埋伏歯の親知らず」を抜歯する原因

歯の数は乳歯が20本、永久歯は32本(親知らず4本が生えた場合)になります。

ところが、前述のとおり「親知らず」の生えてくる時期が遅いため、顎のスペースがないなどの原因で「半埋伏歯」や、「完全埋伏歯」になります。

親知らずが完全埋伏歯の場合、他の歯や神経に悪影響がない限り抜歯する必要はありませんが、まれに嚢胞や腫瘍ができたりすると抜歯することもあります。

筆者の例で恐縮ですが、かかりつけ歯科医院でレントゲン検査したところ、3本の「完全埋伏歯」が横向きに生えていることが判明しました。

それも、前歯の方を向いているので徐々に歯根の長い犬歯なども押し、歯並びに悪影響がでるとの診断でした。

そして、横向きの「親知らず」を抜歯するのは大変困難を伴うというので、歯科医師からの紹介により大学病院の口腔外科で施術しました。

抜歯時間は20~30分程度ですが、個人差があるとのこと。

また、施術中口を大きく開け続けているのは非常に疲労を伴います。

ただ、苦労の末に得たものは大きく、現在も歯並びに影響はありません。

噛み合わせも変わらず、適切な処置が功を奏したと言えるでしょう。

完全埋伏歯が何かしらの症状を伴う場合、我慢しないで早めの処置が吉となり得るのです。

乳歯から永久歯への生え変わりの時期は適切な対応が大切

乳歯から永久歯への生え変わりは子どもの将来にとって、とても大切な時期になります。

手間はかかりますが、女性なら美容院で定期的に髪を手入れするように、歯も定期的に歯科医院へ通わせ、口腔内の状態を確認する習慣をつけることも必要です。

そして、必要なら適切な治療を受けることで快適な口腔内環境を保ち、健康な生活へとつながるでしょう。

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