差し歯治療の値段はいくら?歯根のない歯にはブリッジ治療を

歯科矯正 2019.05.22

虫歯や歯周病によって歯冠を失ったり、歯が歯根から抜けてしまった時、歯科クリニックでの治療費はどれくらいなのか気になるところです。

こういった場合の治療方法には、差し歯治療とブリッジ治療があります。

差し歯の場合は素材、ブリッジの場合はブリッジする方法によって、保険適用の可否や、自己負担する値段に違いが出ます。

ここでは、差し歯やブリッジについてや、素材による値段の違いについてご紹介していきます。

差し歯治療方法と「保険適用内」素材の値段

差し歯治療は、虫歯により大部分の歯冠を失ってしまったが、歯根はまだ残っている場合に可能な治療です。

後ほどご説明しますが、ブリッジ治療のように健康な歯を削る必要がないというメリットがあります。

それではどのようにして差し歯を固定するのかというと、根管治療として神経をきれいに抜いた後に、歯根に人工的に作った『ポスト』と呼ばれる土台を入れます。

そして、軸にはプラスチック(硬化レジン)が、歯冠部分にはセラミックが使われた差し歯を取り付けます。

一口に差し歯と言っても、使う材質によって保険適用や自費治療が分かれて、また、自費治療の場合にはどのような素材で作るかによっても値段が違ってきます。

「保険適用内」の素材には、レジンと金銀パラジウム合金があります。

レジンには2種類あり、「硬質レジンジャケット冠」は白色で見た目に違和感はありませんが、時間の経過とともに黄色に変色します。

値段は、約3,000~5,000円です。

もう1種類の「硬質レジン前装冠」は、中心が金属製のため噛み合わせが強い箇所にも使用できます。

その性質から、保険適用内の前歯にはほぼこの素材が使用されます。

しかし、こちらも時間経過で黄色に変色してしまう性質があります。

値段は、約5,000円~8,000円です。

銀歯(金銀パラジウム合金)は審美的には劣りますが強度があるため、たいていの場合奥歯に使用されます。

値段は、約3,000~5,000円になります

セラミック素材の差し歯の値段

セラミックは、自然歯と比較しても見分けがつかない程綺麗に仕上がるため、差し歯やブリッジの素材として最適です。

そして、経年による変色や着色もなく、強度もあるので、長期間の使用にも耐えます。

ここでは、3種類あるセラミック製差し歯について順次ご紹介します。

1.「メタルセラミッククラウン」

クラウンの中は金属で、表面にセラミックを張り付けた差し歯です。

強い噛み合わせでも堪えられる強度があり、セラミックの透明感が本物の歯に近くて綺麗に見えます。

ただし、中の金属が透けて見えることがあります。

2.「オールセラミッククラウン」

メタルセラミッククラウンと違い、クラウンの中から全てセラミックのみで作成します。

審美的には問題ありませんが、噛み合わせが強い部位で使用すると、すり減りが見られたり、まれに割れることもあります。

上記、2種類のセラミック製差し歯の値段は、約8~15万円になります。

3.「ジルコニアオールセラミッククラウン」

人工ダイヤモンドと呼ばれる「ジルコニア」の差し歯なので、強度もあり色も自然で審美的な問題もなく、奥歯、前歯を問わず使用できます。

噛む方向の強度はありますが、ひどい歯ぎしりや横から物が当たる等の力には弱く、まれに割れることがあります。

ジルコニアオールセラミッククラウンの値段は6~13万円となります。

差し歯と何が違う?ブリッジによる治療と「保険適用内」値段

歯根から抜けてしまった歯を補うため、両側の健康な歯を土台として使い、歯と歯の間を橋のように渡して抜けた歯を補う治療をブリッジといいます。

部分入れ歯とは違いバネもなく、強力な接着剤で固定するので、取り外しする煩わしさがありません。

また、土台に自然の歯を使用するため、噛み心地が自然の歯に近い感覚となり、食事を楽しむことができます。

ただし、土台になる両側の健康な歯を、被せ物をするために40~70%削ることになるため、歯の寿命に影響が出ます。

次に、ブリッジ治療の値段ですが、差し歯同様素材により差異が出ます。

まず、保険適用内で前歯治療をする場合、「硬質レジン前装冠」を使用し1本約2万円です。

また、奥歯は「銀属冠」(いわゆる銀歯)を使用し、1本約1万円になります。

ブリッジの場合、欠損している歯以外にも土台の加工が必要になるため、その分治療費も高額になります。

保険適用内でブリッジ治療をするには細かい規定がありますので、治療の際は歯科クリニックで相談にのってもらう必要があります。

ブリッジ自費治療、差し歯との値段比較

差し歯の自費治療と同様に、ブリッジの自費治療に使用するセラミック素材をご紹介します。

ただし、作成方法は同一でも素材名称が若干異なる場合がありますので、ご了承ください。

1.「ハイブリッドセラミッククラウン」

白い歯の部分がセラミックとレジン(プラスチック)を混ぜた素材になるので、オールセラミックとの比較では経年劣化による変色、破損が起こります。

1本の値段は約5万円位からです。

2.「メタルボンドクラウン」

白い歯の中が金属で表の見えるところにセラミックをつけたクラウンです。

裏側は金属が見えますが、強度があり割れにくく、どこの部位にも使用できます

1本の値段は約8万円~10万円になります。

3.「オールセラミッククラウン」

クラウン全体がセラミックで出来ていますので、透明性があり、自然歯と比較しても違和感がありません。

以前のセラミックは強い衝撃に弱く、破損等が見られましたが「ジルコニア」セラミックの開発(耐久性、審美性、機能性の向上)により優れた治療が可能になりました。

オールセラミック約10万円、ジルコニアオールセラミック約10万円~20万円です。

差し歯、ブリッジとの比較、インプラント治療とは

差し歯やブリッジ治療に続く第三の治療として、インプラント治療というものがあります。

ここではインプラント治療の治療方法や値段等をご紹介します。

まず、インプラントとは人工の材料、部品を人体の中に入れることの総称になります。

歯科においてのインプラントとは、特に失った歯の顎に「生体材料」といわれる人体に馴染む材料の土台を埋め込み、セラミック等の材料で人工歯を取り付けることを指します。
差し歯治療に例えれば、歯根を人工的に作ってから、差し歯の要領で歯を取り付けることになります。

インプラントは3つの部分から出来ており「歯根部」「支持部」「人工歯」の構成で、使用する素材は下記の通りです。

・歯根部:「チタン」や「チタン合金」

・支持部:「チタン」や「チタン合金」、「ジルコニア」

・人工歯:「レジン」や「セラミック」、そして「ハイブリッドセラミック」や「金合金」

次に、値段のご紹介をしていきますが、基本的な例として、インプラント1本当たりの内訳をご紹介します。

・人工歯根:約20~25万円
・支持部:約5~18万円
・人工歯:約9~18万円

やはり高額な治療費になりますが、しっかりした施術をすれば、他の治療に比べて歯の残存率は高くなります。

部分入れ歯の構造と値段、ブリッジと比較

部分入れ歯は、歯槽膿漏や虫歯等で失った歯を補うために使われ、食事や会話等の日常生活において入れ歯が外れないように、残っている歯との間にバネをかけて使用します。

部分入れ歯の構造は、歯を失った歯茎の上にのせるピンク色の「義歯床」と、残っている歯にかける「バネ」、そして「人工歯」で出来ています。

差し歯やブリッジは取り外しができず、噛む力全てを残った歯で負担していますが、部分入れ歯は、バネがかかった歯と「義歯床」で力を分散するので、歯にかかる力を軽減できます。

保険適用内で作成する部分入れ歯は、「義歯床」をレジン(プラスチック)で作成してバネをつけた後に、人工歯を作成します。

保険適用内で作る部分入れ歯の値段は、1顎で約5,000円~(3割負担)になります。

また、自費で作成する場合は、「義歯床」を金属で作成してバネも一体化できるため、薄くてフィット感があり、熱伝導も良く、保険適用内で作成するレジン製のものより違和感を軽減できます。

自費で作成する場合の値段は、「義歯床」をチタンで作成するのであれば、1顎約250,000~400,000円、コバルトクロムで作成するのであれば、1顎約150,000~250,000円になります。

差し歯、ブリッジ、部分入れ歯はケースバイケース

差し歯、ブリッジ、入れ歯等、ここでご紹介した治療法の他にも、歯科医療においての技術革新は目覚ましいものがあります。

今後、人生100年時代が来ると考えると頼もしい限りです。

ただし、義歯というのはあくまでも補助であり、感触は自歯には到底かないません。

生涯豊かな食生活を送るためにも、是非日常生活の一環として口腔ケアを取り入れ、できる限り自歯を残した健康な口腔を維持していきましょう。

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