差し歯が保険適用外だと「2年間」の保障はない?!

歯科矯正 2018.12.20

差し歯を入れてしばらく経つと、違和感に慣れる方が多いです。

しかし稀に、差し歯に違和感やトラブルが生じて、「作り直し」「お直し」を考える方もいるかもしれません。

せっかく高いお金を払って入れた差し歯ですが、作り直しの際は、「再度お金を支払わなければならないのか」「保険は適用されるのか」気になるところでもあります。

そこで今回は、差し歯とはどんな歯なのか、2年あるといわれている差し歯の保証についてなど、お伝えしていきます。

差し歯の仕組みや保険適用の差し歯とそうでないものの違い

「差し歯は2年間保証されるのか」などのお話をする前に、もう既に「差し歯を入れているから知っている」という方もいるとは思いますが、差し歯についてもう一度おさらいしてみましょう。

歯は、虫歯やその他の理由から歯の表面がボロボロになってしまうと、詰め物などの処置では修復をすることが困難になります。

その際にされる処置が差し歯というもので、主に歯根は残されている場合にされる処置です。

構造は、「コア」という歯の土台になる部分に「クラウン」という被せ物をし、その間を歯科専用のセメントで接着するというものです。

また、コア・クラウンの材質は、保険適用のものとそうでないものなどがあり、金額も大きく異なります。

違いは金額だけでなく、変色しにくかったり、天然歯に近い仕上がりにできたり、歯茎への影響が少ないものなどさまざまです。

保険適用で差し歯を入れたけど違和感がある!

保険適用の差し歯を入れた際に、大体は入れた差し歯で慣れてしまうといいます。

しかし、一部では差し歯を入れてみたものの、「なんだか違和感がある」という方もいるようです。

一体、違和感とはどのようなものなのでしょうか。

●高さが他の歯に比べて高い気がする。

●差し歯が入っているところに、「食べ物が詰まっているような感覚」がある。

また、差し歯を入れてすぐではなく、しばらく期間が経過してから違和感があらわれることもあります。

それもどのような違和感があるのか見ていきましょう。

●差し歯と歯茎の境目が黒色に変色している。

●差し歯を入れた際に神経を取ったにもかかわらず、痛みを感じる。

このようなことが挙げられます。

さて、こういった違和感のある差し歯ですが、あまりに気になる場合「差し歯を入れ直したい」と考える方もいるでしょう。

次項からは、2年間あるといわれている保証についてお伝えしていきます。

保険適用の差し歯は2年間の保証がある?

差し歯を入れた方のなかには、差し歯の治療が終わったと同時に「保証書」をもらう場合もありますが、一体何を保証しているのでしょうか。

保険適用の範囲で差し歯の入れる際、「補綴物維持管理料(ほてつぶついじかんりりょう)」を算定しているケースが多くあります。

補綴物維持管理料が算定されていれば、差し歯の治療をしたのちに何か異常があらわれた際に、歯科側がその料金(一部を除く)を2年間負担してくれます。

たとえば、「差し歯が取れてしまった」「人工歯が欠けてしまった」「差し歯の土台となる天然歯が虫歯になってしまった」などの場合です。

ただし、被せ物を再度装着するための歯科専用の接着剤の代金数十円は、患者負担となることもあります。

差し歯は決して安価なものではないので、綴物維持管理料を算定してもらっていると安心できますね。

差し歯の2年間の保証がない場合も

補綴物維持管理料を算定してもらうことで、2年間は入れた差し歯が保証されるとなると安心ですが、一方で、補綴物維持管理料が適用されない場合もあります。

それは、保険適用外の差し歯の場合です。

補綴物維持管理料は保険制度の1つであるため、保険適用外の差し歯には適用することができないのです。

また、保険適用で差し歯を入れたとしても、補綴物維持管理料を算定していないことも稀にあります。

そうなると、2年間で起こった差し歯のトラブルに対する治療を無償で受けることはできません。

補綴物維持管理料を算定していない保険適用の差し歯の場合は、通常の料金の7割となります。

保険適用で差し歯を入れる際は、しっかりと歯科医師に「補綴物維持管理料を算定してほしい」という旨を伝えて、「差し歯のもしものトラブル」に対応してもらえるようにしましょう。

また、保険制度では、院内などに保証される内容を分かりやすく提示することや、患者が受けることができる維持管理の内容を文書にして、患者に渡さなければいけないという決まりがあります。

2年間の保証がある場合は違和感を医師に伝えよう

保険適用で入れた差し歯に違和感がある場合、2年間の保証が適用されていれば利用しましょう。

ここでは、前項で挙げた「差し歯の違和感」の原因などについてお伝えします。

一般的に、差し歯を作ったら、微調整は口のなかで行われます。

歯にフィットする嚙み合わせにするために、高さの高いものを細かく削って低くする方法で行います。

そのため、差し歯を入れてすぐは「高い気がする」、「歯間に何か詰まっている気がする」などと感じるケースが多くみられます。

しかし、数週間で慣れることが殆どです。

どうしても高さや歯間の異物感が気になる場合は、差し歯を入れた歯科の歯科医師に相談しましょう。

また、差し歯と歯茎の境目が黒色に変色している場合は、次のようなことが原因の可能性もあります。

・虫歯になっている

差し歯の処置をする際は、神経を取り除いてから行われることが多いです。

神経がないため、虫歯になっても痛みを感じず、虫歯の発見が遅れることがあります。

・黒い歯石がついている

しっかり歯を磨いたとしても、磨き残しがあると、やがて歯垢が形成されます。

歯垢が放置されると歯石になりますが、歯石は歯ブラシでは取り除くことはできません。

歯科で定期的に歯石を取り除いてもらいましょう。

・歯茎を変色させている

保険適用の差し歯に多く使われるのが、金属の素材です。

金属が使われている差し歯をしばらく使用していると、金属に含まれている銀が溶けて酸化し、歯茎を黒く変色させている恐れもあります。

また、差し歯を入れた際に神経を取ったにもかかわらず痛いと感じるのであれば、歯根の先に膿が溜まっている可能性も考えられます。

差し歯に違和感があるのであれば、迷わず歯科医師に相談するようにしましょう。

そして、気になる差し歯のトラブルを解決するために、2年間の保証を利用できるかどうかもよく確認してください。

保証に限らず差し歯を守るためにできること

保険適用の差し歯だから保険制度による2年間の保証がある、ないにかかわらず、差し歯を入れたら大切にしていきたいものですね。

差し歯をいつまでも自分の歯と同様に使うためには、どんなことができるでしょうか。

まず、自宅でできるケアです。

歯磨きの仕方をもう一度見直してみたり、仕上げに歯間ブラシやデンタルフロスで歯間にある歯垢を取り除くようにしましょう。

また、歯科でできるメンテナンスも併せて行うとよいでしょう。

歯磨きをしっかり行っていたとしても、歯垢は残りやすく、時間が経過すると歯石になります。

差し歯の土台としている歯根の状態を知るためにも、1年に数回の定期健診に行くと安心といえます。

差し歯の扱い方次第では、20年近くトラブルがないという方もいます。

天然歯と同様に大切にしていきましょう。

気になる場合は歯科へ確認しよう

今回は、保険適用での治療の際に適用される「保険制度」についてお話ししました。

保険適用外の差し歯の場合、保険制度も使用することはできないことが分かりました。

2年間保証されていて、差し歯の違和感が気になるのであれば、歯科医師に相談してみましょう。

コンプレックスなく明るい未来を。株式会社ソーシャルテック

RANKING

人気記事