仮歯のままじゃダメ!差し歯治療を中断するのは大きな間違い

歯科矯正 2018.10.24

差し歯治療などの途中で、治療を中断してしまう方がいるようです。

そのような方は、仮歯をつけたところで中断してしまう、と耳にします。

しかし、仮歯のままにしておくのは大間違いです。

ここでは、仮歯や差し歯などの素材や治療法についてお伝えしていきます。

仮歯とは?

仮歯とは、読んで字の如く「仮の歯」です。

仮歯は、差し歯治療やインプラント治療のときなどに使われます。

これらの治療には一定の期間が必要となるため、その間に本来の人工歯の代わりに仮の歯として使われるのが仮歯となります。

これは応急処置なので、仮歯は取り外しができるようになっています。

そして、最終的には仮歯を外して、完成した人工歯を入れることで治療が完了します。

仮歯の役割はあくまで仮の歯ですが、前歯などの場合は見た目にも影響するため、外見も重視されたものが使われたりします。

一方で、奥歯などの場合は、食事などで患者に不便がないようにするのが最も重要であるので、外見や形状はそれほど重視されない傾向にあります。

また、仮歯は一時的なものなので、素材には柔らかく整形しやすいプラスチックが使われるのが一般的です。

そのため、本来の人工歯と比べると耐久性が低く、変色したり、取れてしまったり、あるいは割れてしまうこともあるので、過信するのは間違いです。

そのようなときは、速やかに歯科医に相談しましょう。

差し歯とは?仮歯とはなにが違う?

差し歯とは、「虫歯などの理由で失われてしまった歯の代わりに使われる人工歯」もしくは「それを用いた治療法」のことです。

インプラントと混同されることがありますが、差し歯とインプラントでは違いがあります。

なお、差し歯とインプラントの違いについては後述します。

差し歯治療は、まず歯の根にコアと呼ばれる土台を入れ、そこに人工歯を取りつけます。

以前はコアと人工歯が一体化しており、それを歯の根に差し込む形で治療されていました。

それが差し歯と呼ばれる由来となっています。

したがって、差し歯治療を行うためには、歯の根が残っていなければなりません。

また、差し歯は仮歯と違い、長い期間使われるものであるため、当然ですが仮歯より耐久性などに優れたものが使用されます。

そして、差し歯などの人工歯には、さまざまな素材が使われる場合があります。

使われる素材にそれぞれよって違いがあり、かかる費用なども変わってきます。

仮歯のままにしてしまうとどうなる?

仮歯は、あくまでも一時的に使われるものです。

中には、仮歯をつけた段階で治療を放棄してしまう方もいるようですが、それは大きな間違いです。

本来であれば、仮歯は人工歯ができたら外すことが前提のものです。

そのため、外しやすいように強力な接着剤では固定されておらず、長時間放置すると接着剤が溶けてしまいます。

すると、食事の際などにいずれ外れてしまうことになります。

そればかりか、接着剤が溶けてできた隙間に細菌が入り込むことで、虫歯や歯周病が悪化する恐れがあります。

さらには、仮歯に使用されるプラスチックは強度が低いため、放置するとどんどんすり減ってしまうでしょう。

このように、仮歯のまま放置すると多くの不都合があり、治療開始前よりもさらに悪い状態になってしまうかもしれません。

必ず最後まで治療を受けるようにしましょう。

次は、差し歯などに使われる人工歯の素材による違いをお伝えします。

差し歯に使われる素材の違い①

差し歯治療は、最終的に仮歯を外して人工歯を入れます。

そこで使われる人工歯には、使用される素材によって違いがあります。

この項では保険が適用され、費用が抑えられるものについてお伝えします。

・硬質レジンジャケット冠

硬質レジンとはプラスチック素材で、それほど強度がありません。

そのため、噛み合わせによって力が加わるところには向いておらず、前歯などに使用されます。

また、時間が経つと変色してしまうことも欠点です。

・硬質レジン前装冠

外側は硬質レジンになっていますが、中は金属でできています。

中が金属なので、比較的力が加わるところでも使用できます。

一方で、金属アレルギーを起こす可能性があり、レジンの部分は時間が経つと変色してしまいます。

・銀歯

金銀パラジウム合金などの金属でできた歯です。

金属であるので強度があり、噛み合わせによって強い力が加わるところに使用されます。

しかし、金属アレルギーを起こす可能性があり、見た目も銀色なので目立ちます。

差し歯に使われる素材の違い②

前項は保険が適用されるものについてでしたが、ここでは保険適用外となるものをご紹介します。

・オールセラミック

その名の通り、全てセラミックでできた歯です。

セラミックとは陶器ですので、割れやすいという欠点があります。

そのため、噛み合わせが強いところには使用できず、前歯などに使用されます。

そのかわり変色せず、汚れもつきづらいため外見は気になりにくいです。

・ハイブリッドセラミック

レジンとセラミックを合わせたもので、レジンにセラミックの粒子を混ぜることで、強度などを向上させたものです。

これは主に、前歯などに使用されます。

保険適用外のものの中では比較的安価ですが、セラミックではないので変色します。

・メタルボンド

外側はセラミックでできていますが、中は金属でできています。

中が金属なので強度があり、セラミックは変色せず汚れもつきにくいです。

また、使用する金属を貴金属にすると金属アレルギーになりにくくなりますが、金属アレルギーになる可能性は否定できません。

・ジルコニアクラウン

ジルコニアというセラミック素材を使用した歯です。

ジルコニアはとても丈夫な素材で、高い強度を持ち、ほとんど変色もしません。

一方で、オールセラミックと比べて見た目の透明感に劣ります。

・金歯

金合金を使用した歯です。

金属なので強度が十分にあり、銀歯よりも長持ちすると言われます。

金属アレルギーの原因にはなりにくいですが、稀に金属アレルギーを起こすこともあります。

そして、見た目が金色なので目立ちます。

このように、人工歯には素材によってさまざまな種類があります。

最後は、仮歯などの人工歯を使う、差し歯治療とよく似た治療法と、それらの違いについてご紹介します。

差し歯とインプラントの違い

インプラントとは、人工の部品などを体の中に入れること全般を指す言葉です。

人工物を体に入れるという意味において、広義には差し歯や仮歯もインプラントの一種と言えるかもしれませんが、一般にそれらは区別されます。

その違いはなんでしょうか。

差し歯治療の場合は、歯の根に土台を入れるため、歯の根が残っていないと行えません。

一方、インプラント治療は歯の根の代わりに金属などでできた人工の部品を顎の骨に埋め込み、それを土台として人工歯を取りつけます。

そのため、抜歯したりして歯の根が残っていない場合には、インプラント治療が行われます。

また、顎の骨に部品を埋め込む際には外科手術が必要になります。

このように、差し歯とインプラントには大きな違いがあります。

なお、仮歯についてはどちらの治療法でも使われます。

とは言え、場所は違っていますが土台を埋め込む点や、その後に人工歯を取りつけるという流れが似ているため、よく混同されるのだと思われます。

差し歯治療はきっちり最後まで

仮歯や差し歯などの人工歯には、さまざまな素材が使われています。

素材によってそれぞれ特徴があり、金銭的な制約はあるでしょうが、ご自身の体質や好みによって選ぶことができます。

「面倒だから」とか「お金がかかるから」という理由で仮歯のまま治療を放棄してしまうと、治療開始前よりも悪い状態に陥りかねません。

仮歯のまま放置せず、最後まで治療を受けるようにしましょう。

コンプレックスなく明るい未来を。株式会社ソーシャルテック

RANKING

人気記事