キシリトールガムで痩せられる?キシリトールのカロリーは?
歯の雑学 2018.09.17キシリトールは人工甘味料の中でも安全性が高い
ガムや歯磨き粉でおなじみのキシリトールは、どういったものなのかご存知ですか?
キシリトールは、糖アルコールの1つであり、トウモロコシの芯や白樺の木を原料として作られた人工甘味料になります。
糖アルコールとは、砂糖やオリゴ糖などと同じ「糖質」の仲間です。
糖アルコールは、砂糖などに比べて熱や酸・アルカリに強く、微生物の栄養源になりにくい、そして消化吸収されにくい特徴をもっています。
そして、キシリトールの原料となるトウモロコシの芯や、白樺の木から「キシラン」という名前の多糖類が抽出されます。
それらを加水分解すると「キシロース」単糖に変わり、触媒(しょくばい)を使って水素を添加し、糖アルコールが作られるのです。
また、人工甘味料は、キシリトール以外にも(アスパルテーム)(ネオテーム)(アセスルファムカリウム)などがあり、こちらもまた糖アルコール類です。
食品や飲料品の裏面を見ると、どんな人工甘味料が入っているのかを知ることができます。
これらは、砂糖の100倍~10,000倍程度の甘味を持っており、カロリーオフなどの商品にも使用されています。
その驚異の甘さから「体へ悪い影響があるか」議論されているのが現状です。
一方でキシリトールは、砂糖と同じくらいの甘さであり、天然物を使用し人工的に作られている糖アルコールなので、安全性が高いとされています。
キシリトールガムを噛もう!キシリトールは歯によい!
キシリトールと聞くと「虫歯予防」「歯磨きガム」など、口内の救世主のようなイメージがあります。
実はそのイメージ通り、キシリトールを含むカロリーオフ食品などに使われる糖アルコールは、口内の環境をよい状態へと保ってくれるのです。
本来虫歯菌は、歯垢や食べかすをエサにして酸を出し、歯が溶けていくことで虫歯を作ります。
糖アルコールの役割は「虫歯菌が出す酸を中和してくれる働きがある」とされているのです。
しかも、虫歯菌のエサとなる歯垢が歯に付くことも抑えてくれるので、「虫歯予防に効果が期待できる」という結果になります。
ここまでは、糖アルコールの効果ですが、キシリトールは更に上の働きを持っています。
それは「対虫歯菌能力」というもので、虫歯菌の力そのものを弱める働きです。
キシリトールは、虫歯の原因となる虫歯菌の力を抑えられ、歯垢が歯に付きにくくなり、酸を中和してくれる素晴らしい甘味料なのです。
キシリトールや人工甘味料のカロリーや甘さは?
キシリトールは歯に優しいだけではありません。
砂糖が1g4キロカロリーに対し、キシリトールは1g3キロカロリーと大きな差はないものの、砂糖よりもカロリーが低いです。
一方、他の甘味料と比べると、どの程度違うのでしょうか?
砂糖と、前項で挙げた人工甘味料でカロリーや甘さなどを比較してみましょう。
(アスパルテーム)
砂糖50gが200キロカロリーに対して、アスパルテームは250mgで1キロカロリーとされており、砂糖の200倍の甘さを持つといわれています。
(ネオテーム)
甘さが砂糖の10,000倍程のため、食品に含まれる量から考えると、カロリーはほとんどありません。
甘味が長続きすることからも、ダイエットしている人にとって満足度が高いといわれています。
(アセスルファムカリウム)
こちらもネオテーム同様、カロリーはほとんどなく、砂糖の200倍程度の甘さを持っています。
ガムや飲み物だけでなく、ドレッシングやお好み焼きなどのソースにも使用されています。
キシリトールガムはカロリーが低い!ダイエットはできる?
「キシリトールガムを噛んで痩せる」というダイエット方法をご存知の人もいるでしょう。
「噛むだけで痩せる」と方法がとても簡単なため、本当に痩せるかどうか疑問に思えてしまうかもしれませんね。
販売されているキシリトールガムは、前項でご説明したように、砂糖よりもカロリーが低く、歯に優しいのが特徴です。
そのため、ガム1粒で太ってしまうような要素はなく、ダイエットに適しているといえます。
ガム1粒のカロリーですが、例えば「キャドバリージャパン」から出ているクロレッツは、大体1粒で2.0キロカロリーです。
その他のキシリトールガムでも、2.0キロカロリーから3キロカロリー強とカロリーは低いです。
しかし、ガムをすべて1日で完食してしまえば、カロリーの摂取から、逆に肥満の原因になりかねないので、上手にダイエットに活用していくことが大切です。
キシリトールガムは低カロリー!ガムダイエットをしよう
キシリトールガムのカロリーは低いことがわかりました。
食事の量やカロリーなどに気を付けながら、キシリトールガムを上手に取り入れれば無理なく減量できるかもしれません。
ここでは、キシリトールガムを使ったダイエットの方法をご紹介していきます。
方法はとても簡単で、食前1時間前と食後に1粒だけガムを噛むだけです。
食事の1時間前からガムを噛むことで、唾液の分泌が増え、満腹中枢を刺激してくれます。
満腹中枢が刺激されると食事の時間になっても、いつもの空腹感が緩和されます。
そして、食事をした後にもう一度ガムを噛みます。
食後にガムを噛むことで、前項でもお伝えしたキシリトールの虫歯予防の効果が得られ、少なめの食事でもガムを噛むことで満足感を得られやすいです。
また、間食としてガムを噛むことで「食べたい気持ち」を抑えられるという人もいます。
ダイエットとしての効果に加え、噛むことで顎を使うため「二重顎が改善された」「小顔になった」などの声もあります。
しかし「いくら虫歯予防になるから」といって歯磨きをおろそかにしてしまうと、歯の隙間に付いている歯垢などから虫歯になります。
口内ケアをガムで終わりにせず、歯磨きもきちんとおこないましょう。
ガムダイエットのデメリット
キシリトールガムを噛むことで食事の量を抑えられれば、自然と1日の総摂取カロリーを抑えられることになります。
つまりガムは、ダイエットに向いている食品といえます。
しかし、一方でこのダイエットにはデメリットもあります。
【お腹が緩くなる】
キシリトールガムの表記に「一度にたくさん食べるとお腹が緩くなる場合があります」というような注意書きを見たことはありませんか?
キシリトールは糖アルコールであり、大腸まで成分が到達しても消化吸収されにくく、摂取した水分をかき集めるという特徴があります。
そして大腸で分解される時に、かき集めた水分を一気に開放することで大便が膨張し、下痢を引き起こすとされています。
体質によって、どの程度食べたら腹痛を起こすかはバラバラですが、平均して1日ガム2本分とされています。
ガム2本を1日で食べきるのは難しいため、よほどのことがない限り、腹痛によるガムダイエットの阻害はないでしょう。
また、キシリトールガムを食べることが習慣化してくると「体が慣れて腹痛が起きにくくなる」ともされているので、心配な人は少量からスタートするとよいでしょう。
キシリトールガムで虫歯予防をしつつダイエットをしよう
キシリトールガムを食前と食後に噛むことで、ダイエット効果が得られますが、摂取の量には注意が必要です。
間違った量を摂取してしまえば、ダイエットだけでなく、おなかが緩くなってしまったり、体調に悪い変化が起きてしまうこともあります。
虫歯予防にも効果が期待できるので、口内ケアと無理のないダイエットに取り入れてみてはいかがでしょうか。