歯磨きをする一日の回数目安は?理想的なタイミングはある?

歯磨き 2020.05.10
みなさんは一日に何回歯磨きをしていますか。 毎食後そのつど磨ければ良いのですが、仕事や家事で忙しいとなかなか歯磨きの時間を確保することができないですよね。 特に朝はバタバタしますし、一日に1回となってしまうことも日常茶飯事でしょう。 実のところ、歯磨きは一日に何回するのが理想的なのでしょうか。 この記事では、歯磨きの一日の回数やタイミング、磨き方について詳しくお話ししていきます。

食後は毎食後歯磨きが必要?歯磨きの回数は一日何回?

歯磨きを日常の習慣とする私たちは、「食後の歯磨き」とあるように、小さい頃から「食後は歯磨きをするものだ」と教わってきました。

しかし、ひとたび社会に出ると、毎食後に歯磨きをする時間を確保できず、忙しい日々を過ごしている方が多いことでしょう。

こんな忙しい毎日だからこそ、虫歯予防に適った一日に必要な回数を知っておきたいですよね。

まず、結論から言うと、虫歯予防に適った回数は朝晩の2回と言われています。

「朝晩の2回」と聞いて、意外と少ないと思った方もいるのではないでしょうか。

ただし、これはあくまでも理想的な歯磨きができている場合に限った回数で、たとえば一日3回磨いていても虫歯になる方はいますし、逆に一日1回にもかかわらず歯医者知らずという方もいます。

つまり、一日に歯磨きの回数を増やしたところで、肝心の歯磨きがきちんとできていなければ意味がないわけです。

「歯磨きをしている」ことと「歯磨きができている」ことはまるで意味が異なります。

回数ばかりに目がいってしまいますが、歯磨きはプラーク(歯垢)を除去する目的である以上、回数よりもまずは「質」に目を向けることが大切でしょう。

歯磨きは一日の回数より質が大切!まずはプラークコントロールの徹底

では、歯の健康を維持するための理想的な歯磨きについて、具体的にお話ししていきましょう。

前項では、虫歯予防には一日2回の歯磨きが理想だと述べましたが、それは「質」、そして「タイミング」を押さえてこそです。

まず、歯磨きの質として重要なのは、プラークコントロール(歯垢抑制)です。

プラーク(歯垢)とは、口内の食べカスを放置することで形成される細菌の塊で、数十億もの細菌が棲み処として歯や歯肉に付着します。

プラークをそのまま放置してしまえば、プラークをねぐらとする細菌から酸が生産され、歯を溶かして虫歯をつくります。

さらには、細菌が歯茎の隙間に入り込み、歯肉を炎症させて歯周トラブルへと発展させていきます。

つまり、このような口腔環境を侵すプラークを、私たちは習慣的な歯磨きでコントロールしなければならないのです。

したがって、一日の回数を気にするのではなく、まずはプラークコントロールを徹底した歯磨きを実践していくようにしましょう。

さらに、質とともに大切なのが、歯磨きをするタイミングです。

それについて、次項で詳しく見ていきましょう。

一日の回数よりも心がけたい歯磨きのタイミングとは?

一日2回の歯磨きをより効果的なものにするためには、歯磨きの質と同様に「タイミング」も大切です。

そのタイミングとは、前述で触れたように「朝晩2回」の歯磨きです。

なぜこの「朝晩」というタイミングなのかというと、それは就寝中に変化する口腔環境が大きく関係しています。

そもそも私たちの唾液には、汚れや細菌を洗い流す自浄・抗菌作用が備わっており、口腔環境を常に清潔に保とうと働いています。

例えば、食後の口内は細菌が活動しやすい酸性に傾きますが、唾液の働きによって本来の弱酸性に戻されるなど、唾液の持つ自浄作用は口内に欠かすことができません。

しかしながら、そんな口腔環境を整える唾液は、実は身体を休める就寝中に分泌量が大幅に低下してしまいます。

ほとんど分泌が望めないため、就寝中の口内はドライマウス状態になり、細菌にとって一日の中で最も動きやすい絶好の環境と化すのです。

このことを考えると、特に就寝前の晩の歯磨きは非常に重要なタイミングと言え、もっと言えばこのタイミングの歯磨きさえきちんとできていれば、一日の歯磨き回数は1回でも事足りるとする見解すらあります。

つまり、夜の歯磨きはそれほど口腔環境にとって大切な立ち位置と言えるのです。

また、朝の歯磨きは、就寝中に繁殖した細菌や形成されたプラークをケアするために大切なタイミングです。

起床時か朝食後かは意見が分かれるところですが、起床時は軽くうがいをし、朝食後に歯磨きをすれば十分でしょう。

歯磨きの質を高める基本的な磨き方は?押さえるべき3つのポイント

これまでに、一日の回数よりも目を向けるべき質とタイミングについて詳しくお話ししてきました。

では次に、歯磨きの質を左右する磨き方について、詳しくご説明していきましょう。

プラークコントロールにおける磨き方として、押さえるべき基本的なポイントは以下の3つです。

①歯ブラシの毛先を歯面に軽く、垂直に当てる

歯に付着した食べカスやプラークを効果的に取り除くには、まずは歯ブラシの毛先を軽く当てることがポイントです。

このとき、歯面に強く押し当てると毛先が倒れてしまうため、本来のブラッシング機能が損なわれてしまいます。

また、歯の側面でも咬合面でもそうですが、歯面に対して毛先は垂直に当てます。

②小刻みに細かく動かして磨く

ゴシゴシと左右に大きく動かす歯磨き方法は、多くの方に見られる磨き方です。

しかし、これでは毛先が倒れてしまい、食べカスやプラークを除去することができないどころか、かえって歯や歯茎を傷付けてしまいます。

そのため、歯ブラシは小刻みに微振動させて細かく磨いていくのが理想です。

③部位によって磨き方を変える

歯面や咬合面は毛先を垂直に、歯と歯茎の間は毛先を45度に、磨きづらい歯の裏側は縦磨きをするなど、部位に応じて磨き方を変えます。

また、ブラシのわきやかかとを工夫して使うことで、部分的な汚れを落としていきます。

以上の3つがプラークコントロールの基本的なポイントです。

しかし、一日2回の歯磨きで口腔内のプラークコントロールを徹底するためには、これだけでは不十分です。

それについて、次項で詳しく見ていきましょう。

歯ブラシだけではプラークコントロールに不十分!補助道具を一日1回併用

歯磨きの質を高める基本的な磨き方について見てきましたが、実は歯ブラシによる歯磨きだけでは、たとえ一日の歯磨き回数を増やしても、プラークコントロールは十分ではありません。

と言うのは、どんなにきれいに磨いても、歯ブラシだけでは口内の60%程度の汚れしか除去することができないからです。

これは、残りの汚れが歯ブラシの届かない歯と歯の間にあることが分かります。

つまり、歯間部をカバーする補助道具を使うことができれば、プラーク除去率を大きく上げられるというわけです。

そこで歯ブラシとの併用で推奨される補助道具が、歯間部の汚れを取り除くデンタルフロスです。

デンタルフロスでは、まずは扱いやすいホルダータイプを使い、慣れたら経済的にエコな糸巻タイプを使うことがおすすめです。

ただし、歯茎下がりで歯と歯茎間に隙間がある高年層には、デンタルフロスより歯間ブラシのほうが向いているでしょう。

デンタルフロスや歯間ブラシの使用回数は、一日1回、夜の歯磨き後に使用してください。

ドラッグストアなどの市販はもちろん、歯科医院でも販売されているので、気になる方はぜひチェックしてみてください。

歯磨きにかける時間も大切!質とタイミングを押さえたら時間も気にしよう!

これまでに、歯磨きの一日の回数以外にも押さえたい、歯磨きの質・タイミング、磨き方などお話ししてきました。

最後に、歯磨きにかける時間について詳しくお話ししていきましょう。

特にバタバタする早朝は、歯磨きの時間をとることさえ惜しく感じる方も多いことでしょう。

しかし実は、一般的に推奨されている歯磨き時間は3分間で、なにも何十分も歯磨きに費やす必要はありません。

と言うのは、1993年に行われた「歯磨き時間とプラーク除去率」に関する実験では、ある程度の一定水準まで汚れを落とすのに3分は要するが、それ以上さらに時間をかけて磨いても、プラーク除去率に大きな変化は見られないことが分かっています。

また、3分以下ではある程度の汚れを落とすのに不十分なため、やはり3分が理想と言えます。

3分であれば、忙しい朝でも確保することに難しくないはずですし、夜は寝る前のたった3分間、デンタルフロスを含めればおおよそ5~10分程度確保するだけで良いのです。

時間をつくるのは自分の問題でしょうから、これを機にぜひ歯磨きの時間を3分間とるようにしてみてくださいね。

質とタイミングを押さえて朝晩の歯磨きを

歯磨きの一日の目安回数は、朝晩の2回で、なにも無闇に回数を増やせば良いというわけではありません。

中でも質とタイミングをしっかり押さえ、虫歯予防に効果的なプラークコントロールをしっかり実践していく必要があります。

特に、就寝前の夜の歯磨き時間を確保し、デンタルフロスなどと併用しながらプラークコントロールを徹底していきましょう。

コンプレックスなく明るい未来を。株式会社ソーシャルテック

RANKING

人気記事